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相続税の対策や家賃収入など目的で、土地活用の一つの候補として賃貸住宅経営を考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
土地に建物を建てれば土地や建物の相続税評価額が下がることで相続税対策になりますし、家賃収入を得ることができれば生活費を補ったり、家賃収入だけで暮らしていけることも可能になるかもしれません。
しかし賃貸住宅経営を行う際にはリスクがつきものです。場合によってはローンを返済しきれない可能性も捨てきれません。
そこで今回は賃貸住宅経営を行う際のリスクについて記載したいと思います。
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この記事の目次
賃貸住宅経営のリスク
では具体的に、賃貸住宅経営のリスクを見ていきましょう。
家賃滞納リスク
入居者が入れば家賃収入が発生しますが、家賃滞納のリスクは賃貸住宅経営には必ずついて回ります。
滞納するかしないかは入居者の資力やモラル次第ですから、対策としては入居審査を厳しくすることが挙げられます。傾向としては若い単身者が滞納しがちであるということができます。
空室リスク
賃貸住宅経営においては、どのようにして入居率を高めるかということがポイントとなります。
近年では人口が減少していることにより需要よりも供給が上回っている地域が多いため、賃貸住宅経営においては供給過剰気味である傾向にあります。
新築物件の場合であれば人気も高いことから、空室リスクが回避されることが予想されますが、年数を経て周囲に他の新たな物件が建設された場合にはそちらに入居者が集まってしまう危険性もあります。
騒音リスク
もし賃貸住宅が木造などであれば、左右や上下の部屋で騒音問題が発生する可能性があります。
深夜にテレビを大音量で流していたり、友人と集まって大きな声で騒ぎ立てているなど、明らかに住人が問題となる行為を行っている場合は、本人に自覚があることが多いため騒音問題の解決は難しくないかもしれません。
しかし洗濯機や掃除機を利用するなど、普通に生活を行っているだけで住居者にとっては不快になり騒音問題に発展するリスクがあります。
そのため、普通に生活しているだけでも、場合により騒音を理由にして住民間でのトラブルに発展したり、騒音を理由に比較的早い入居期間で退去され家賃収入が減少してしまう可能性もあります。
金利変動リスク
賃貸住宅を始める際には初期費用が多額になることもあり多くの方が銀行などから借り入れを行っていますが、初期費用が多額であるということは返済の期間も長期に渡るということです。
20年先や30年先まで考えた際に、金利が変動したことにより返済額増加によって収益が減少してしまう可能性が挙げられるでしょう。
近年日本では超低金利が続いていますが、将来的にどのようになるかは分かりません。
そのため将来的に金利上昇が予測される場合には固定金利にしておく選択肢もあります。
災害リスク
日本では毎年夏になれば台風が来ますし、他の国に比べて自身の発生も多く、今後30年間に震度6以上の揺れに見舞われる可能性が東京含む日本の太平洋側で非常に高い水準となっています。
また日本では冬が乾燥するために、1月~12月での火災の発生が多く、令和元年度の建物火災の発生件数は37,683件に上っています。
参考:総務省|令和元年(1月~12月)における火災の状況
火災や壊滅的な被害をもたらす地震などが発生してしまった場合には所有する賃貸住宅の資産が0円になってしまう可能性もあります。
流動性のリスク
流動性とは、所有する資産が他の資産に以下に変更が簡単であるかということを意味しています。
賃貸住宅のように土地の上に建物を建てるような場合には、取り壊しなどに時間がかかる他、借地借家法により立ち退きを望む場合には契約解除の6ヵ月前に通告する必要があり、立ち退きを求める場合には正当事由を住人に伝える必要があります。
そのため、納税の際に必要な資金を確保できないなど現金が必要な時に困ってしまう可能性があります。
地価変動リスク
近年の傾向として、東京や大阪などの都市部では地価が上昇し、地方では地価が下落している傾向にあります。
将来的に土地を含め売却を考えているような場合には、土地の値段が下がることで売却時に損(キャピタルゲイン)が発生してしまう可能性があります。
もし家賃収入が安定せず赤字が続いて売却しようと考えた際に土地価格が下がっていた場合、ローンの残債をすべてカバーできるだけの売却額にならない危険性があります。
老朽化リスク
賃貸住宅は必ず経年劣化を起こします。そして老朽化を起こした賃貸住宅はそれだけで人気が落ちますので家賃を下げざるを得ません。
そのため老朽化が進むと空室率が高くなる可能性や家賃収入が減る可能性が高まります。
また老朽化の際には、屋根材や壁材の修繕を行わなければなりません。その他故障等によりエアコンや給湯器の補修も行う必要があります。
そして修繕費は住宅の経営者であるあなた自身です。
老朽化が進んだことで、自身の経営状態を圧迫する可能性が高まります。
建て替えリスク
建物の老朽化が進み建て替えを考慮した際にもすぐに建て替えを行うことはできません。
前述の通り、借地借家法により住人を一方的な都合で立ち退かせることはできないのです。
建て替えの際には、住人に対して契約期間満了の1年前から6ヵ月までに契約を更新しないことを通知しさらに「正当事由」が備わっていなければなりせん。
正当事由が認められるかは以下のような事情が考慮されます。
- 賃貸借に関する事前の経緯
- 建物の利用状況
- 建物の現況
- 賃借人による財産上の給付の申し出(立退料)
そのため場合により長期間入居率が少ない状態で賃貸住宅経営を行わなければならない状況が続き経営状態が悪くなってしまう可能性があります。
賃貸住宅経営を行う際にリスクを避けるための方法
では、上記のようなリスクを避けるにはどのようにすれば良いのでしょうか。ここではリスクを避ける方法について見ていきましょう。
管理面での対策
まずは、管理面での対策を見てみましょう。
家賃滞納や、空室のリスク、騒音問題について対策を行うにはサブリース契約を行っておくことをおすすめします。
サブリース契約とは不動産業者が一括して集合住宅を借り上げてくれるシステムです。不動産会社は入居者募集の宣伝や入居者の管理を行い毎月一定の賃料を支払ってくれます。
また災害のリスクに関しては保険に入っておくことをおすすめします。ただし保険に関しては、一般の火災保険の場合地震への補償がありませんので別途地震保険に加入しておくようにしましょう。
サブリース契約における注意点
サブリースにおいては契約期間が設けられている場合が多く、契約期間終了とともにご自身で全ての管理を行うか、管理会社を新たに探す必要がある場合があります。
また万が一空室が続いた場合に不動産業者から賃料の提案を受ける場合があります。そのようなケースを避けるために契約時には
- 家賃増減額請求権のない定期借家契約により借り上げ契約を行う
- 家賃増減額請求権を定める際にも上下○%以内にするという契約を行っておく
ことが挙げられます。
金銭面での対策
金銭面における対策としては如何に安定して家賃収入を稼ぐことができるかを考える必要があります。
賃貸住宅において安定して家賃収入を上げる対策は、マンションを建てる際に周囲のニーズや将来の人口の変動を読み取る必要があります。
しかし賃貸住宅におけるニーズを個人で読み取ることは非常に難しいと思われますので一度専門家に相談することをおすすめします。賃貸住宅に関して相談できる専門家は以下のような人が挙げられます。
- NPO法人 賃貸経営110番などのNPO法人
- 相続や不動産のコンサルティング会社
また、将来的に補修費用が掛かることや家賃収入が減ることを考えて、賃貸住宅を建設する際の自己資本と借り入れの比率を考えておく必要があります。
一般的には投資額に対して借入割合を4割以内に抑えておくとよいと言われています。4割以内であれば、金利が倍に上がったとしても家賃収入だけでローンを返済することが可能となります。
リスクよりも安全策を取るなら土地の売却がおすすめ
土地を売却すると長期的な収入は得られなくなりますが、一度に現金化されてあなたの手元に入ってきます。さまざまなリスクを抱えることもありません。より安全な方法を取りたい方は、売却のほうが向いているといえるでしょう。
以下では、売却の流れについてご説明していきます。
あなたの土地を得意とする不動産会社に出会うことが土地売却の成功のカギ
土地を売却する際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。しかし、不動産会社ならどこでもいいわけではありません。あなたの土地を得意とする会社に依頼することが大切です。
では、そのような不動産会社はどのように見つければいいのでしょうか?そこで役に立つのが「一括査定サイト」です。
一括査定サイトを使ってあなたの土地が得意な不動産会社を効率よく探す
不動産の一括査定サイトは、ネット上で自分の土地情報・個人情報を入力するだけで、一度に複数の不動産会社に無料で査定依頼ができるというものです。土地情報をもとに査定可能な不動産会社が自動表示されるので、好みの会社を選んで依頼する、という仕組みです。
不動産会社によって出す査定額はバラバラです。そのため、査定額が出たら金額はもちろん、その根拠も各社に尋ねて比較しましょう。上の図だと、細かい部分まできちんと評価して高額を出してくれているA社に依頼したくなりますね。
ただし、買い手が付かないような過剰に高い金額になっていないか、注意も必要です。高額査定はうれしいものですが、それに加えて納得のいく根拠を示してくれる不動産会社を見分けることが重要です。
このように、一括査定サイトを使うことで、個別に不動産会社に連絡するよりも格段に効率よく依頼できるうえ、各社の比較を通じて、自分に合った不動産会社が見つけやすくなるのです。
なお、まだ売却時期が決まっていなくても査定はしてもらえます。査定結果を見てから、売却時期の検討を始めても問題ありません。
おすすめの一括査定サイトはこの6つ|組み合わせ例も紹介
一括査定サイトは、比較的よく知られているものだけでも30以上。どれを使えばいいのか迷ってしまいますよね。
いえぽーと編集部では、運営歴の長さや利用者数の多さから、信頼できる11サイトをセレクトし、利用をおすすめしています。
そのなかでも、特におすすめなのは以下の6サイトです。
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サイト名 | 長所/弱点 | 提携不動産会社 | 対応エリア |
利用者数 /運営開始年 |
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【長所】 ・業界で最も運営歴が長く信頼感アリ ・NTTグループの運営で情報保護も含めて安心 【弱点】 ・大手で参加していない会社がある |
約1,500社 | 全国 | 約1,000万人 /2001年 |
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【おすすめ度】 ★★★★★ 公式サイトへ |
【長所】 ・超大手6社のみの参加で安心感抜群 ・最大手3社に一括査定が依頼できる唯一のサイト 【弱点】 ・人口が少ない地域は未対応の可能性あり |
6社 ・三井不動産リアルティ ・住友不動産販売 ・東急リバブル ・野村不動産ソリューションズ ・三菱地所ハウスネット ・小田急不動産 |
全国 ※一部未対応 |
年間成約件数11万件以上 /2016年 |
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【おすすめ度】 ★★★★★ 公式サイトへ |
【長所】 ・業界トップクラスの知名度を誇るSUUMOに物件情報を掲載できる ・電話番号を入力しなくても査定依頼が可能 【弱点】 ・競争相手となる物件もSUUMOには多く掲載されている |
約2,000社 | 全国 | 非公開 /2009年 |
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【おすすめ度】 ★★★★☆ 公式サイトへ |
【長所】 ・利用者数1,000万人以上は業界No.1 ・参加不動産会社数は約1,600社でこちらも業界屈指 【弱点】 ・運営歴が浅く、サポートはやや少なめ |
約1,600社 | 全国 | 1,000万人以上 /2014年 |
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【おすすめ度】 ★★★★☆ 公式サイトへ |
【長所】 ・地元密着型の不動産会社が幅広く参加 ・不動産ポータルサイトならではの情報の充実度 【弱点】 ・大手で参加していない会社がある |
約1,700社 | 全国 | 約470万人 /2009年 |
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【おすすめ度】 ★★★★☆ 公式サイトへ |
【長所】 ・「イエローカード制」で悪徳業者を徹底排除 ・「お断り代行サービス」など各種サポート体制が充実 【弱点】 ・大手で参加していない会社がある |
約1,700社 | 全国 | 400万人以上 /2007年 |
さらに、ご自身の住まいに合わせて、一括査定サイトを組み合わせて利用するのが上手な使い方です。
1つの一括査定サイトで依頼できる不動産会社の数は限られているので、あなたにとって最適な会社がそこだけで見つかるとは限りません。複数の一括査定サイトを組み合わせて使えば、より多くの不動産会社を比較できるようになるので、自分に合った会社が見つかる可能性が高まるでしょう。
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3大都市圏などの大都市部 | それ以外の地域 |
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ポイント | ポイント |
万能型の「HOME4U」でまずは有力な不動産会社をキープ。大手特化の「すまいValue」と地場企業に強い「SUUMO」でさらに比較対象を増やすのがおすすめ。 | 1つのサイトで候補に挙がる社数が少ない可能性があるため、提携社数の多い3サイトを組み合わせて選択肢を広げるのがポイント。 |
ちなみに、首都圏や関西の物件査定であれば、SRE不動産の利用もおすすめです。SRE不動産はソニーグループの不動産会社で、売主のみを担当する「売却エージェント制」を敷いており、100%売主の味方になってくれることから、非常に高い顧客満足度を誇っています。一括査定ではありませんので、上記の一括査定サイトで査定依頼することになった不動産会社にプラス1社、といった使い方もしやすいのが魅力です。
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【対応エリア】東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良
一括査定サイトについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
賃貸住宅営業は大きなリスクがあります。赤字が続いてしまえば初期費用さえ奇襲できない可能性もあります。
しかし、もし成功すれば不労所得を得ることが出来るので大きなメリットがあります。もし賃貸住宅経営をお考えの方はリスクを考えながら行うか行わないかの判断をするようにして下さい。
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