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不動産仲介(ふどうさんちゅうかい)とは、土地や建物などの不動産における売買(または賃貸)で売主と買主の間に入って契約を成立させることになりますが、不動産仲介会社に依頼することで取引額に応じた不動産仲介手数料が発生します。

場合によっては高額になる不動産手数料がネックになり、『不動産会社に依頼する意味はあるのか?』と疑問に思う人もいるかもしれませんが、不動産仲介会社を通さない売買や賃貸の取引にはデメリットが大きく、確実に契約を結ぶためには不動産仲介は必要になってくるでしょう。

今回は不動産仲介を利用するメリットを説明した上で、不動産仲介会社を探す方法と契約の種類について取り上げていきたいと思います。

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この記事に記載の情報は2023年10月03日時点のものです

この記事の目次

不動産仲介の役割|仲介業者を通さない売買も可能?

土地や建物などの不動産を売りたい時、一般的には不動産仲介会社に依頼をして買い手を探してもらうようにしますが、不動産仲介会社を利用しなくても不動産を売ることは一応認められています。

不動産仲介業務とは|売主と買主をつなげる役割

不動産会社が行う不動産仲介業務は言わば、売主と買主をつなげることであり、

  • 売主側の要望:希望する価格で不動産を買ってもらえる買主を見つける
  • 買主側の要望:希望する条件で売ってもらえる不動産物件を見つける

といったそれぞれの要望に応えるための仲介役になります。お互いの条件が適合して売買条件が成立する段階で契約時の重要事項の説明や不動産売買契約書の作成などを行い、売主と買主が実際に契約する場に立ち会って不動産仲介手数料を請求することになります。

仲介業者を通さない売買も可能ではあるがトラブルの対処が難しい

不動産売却において不動産仲介業者を通すことは法律上で規定されている訳ではないため、売主が自力で買い手を探して、売値を交渉して売買契約を結ぶことも許されています。

しかし、不動産仲介会社を通さない売買契約の交渉では不動産売買契約書を自分で作成したり、契約後にトラブルが発生したりした場合の対処が大きな負担になります。売主と買主の双方で揉める可能性を考えると、不動産仲介会社に依頼する方が無難であると思われます。

「買取」とはどう違う?

仲介以外の売買方法として「買取(かいとり)」という言葉を聞いたことがある人もいると思います。買取とは、不動産会社が買主を探してくるのではなく、直接物件を買い取ることを言います。

一般的に、買取は仲介と比べ、スピーディーに売買が成立するといわれていますが、売却価格は仲介時の7割程度にとどまるのが普通です。仲介で買主が見つからなかったときのオプションとして、買取サービスを実施している不動産会社も多いです。

不動産仲介の必要性|不動産仲介会社を利用する3つのメリット

不動産仲介会社に依頼する必要性について、3つのメリットを取り上げて確認していきます。信頼のできる不動産仲介会社へ依頼することで、安心して売買契約を結ぶことができるでしょう。

短期間で条件の合った買主を探してくれる

オークションで売却できるようなモノであれば別ですが、土地や建物など高額な財産を売ることは容易ではなく、自力で売主を探すのは大きな労力を費やすことは想像できますよね。

不動産仲介会社を利用しない不動産売却は現実的ではなく、短期間で買主探し(または売主探し)をするためには、不動産情報を必要な相手に流してくれる不動産仲介会社に頼んだ方が効率的です。

契約者などの書類作成や手続きを対応してくれる

不動産売却の契約で作成する書類は専門的な知識が必要になるため、素人である売主や買主で用意するのは難しいと思われます。

書類に少しでも不備があると契約が成立せず、より手間が増えてしまうため、書類の手続きに慣れている不動産仲介会社に任せた方が良いでしょう。

【関連記事】
▶「土地売買契約書の書式例|売却時にチェックするべき記載事項まとめ
▶「不動産売却の流れと売却をスムーズに行うための5つの秘訣

契約時におけるトラブルの仲裁役になってくれる

また、不動産売買の契約では様々なトラブルが予測され、売主と買主の認識の違いによって以下のような点で争いになる可能性があります。

  • 土地の面積を算出する基準
  • 支払条件と支払期限
  • 売買後における不動産の不具合

契約内容の一部が契約書面に書かれていない場合なども揉め事の要因になり、当事者同士の話し合いでは解決されない恐れもありますが、客観的に正当性を判断できる不動産仲介会社がいることで不毛な争いを回避できます。

以上の通り、不動産会社における仲介業務の必要性についてお分かりいただけたかと思いますが、売主にとって次に気になるのは仲介業者を探す方法になるでしょう。信頼できる仲介業者を見つける効率的な方法があるので、次項で説明していきます。

不動産仲介会社の探し方|一括査定サイトを利用

あなたの不動産を得意とする不動産会社に出会うことが売却の成功のカギ

不動産を売却する際は、不動産会社に仲介を依頼するのが一般的です。しかし、不動産会社ならどこでもいいわけではありません。あなたの不動産を得意とする会社に依頼することが大切です。

得意な不動産会社と苦手な不動産会社

では、そのような不動産会社はどのように見つければいいのでしょうか?そこで役に立つのが「一括査定サイト」です。

一括査定サイトを使ってあなたの不動産が得意な不動産会社を効率よく探す

不動産の一括査定サイトは、ネット上で自分の物件情報・個人情報を入力するだけで、一度に複数の不動産会社に無料で査定依頼ができるというものです。物件情報をもとに査定可能な不動産会社が自動表示されるので、好みの会社を選んで依頼する、という仕組みです。

一括査定イメージ

不動産会社によって出す査定額はバラバラです。そのため、査定額が出たら金額はもちろん、その根拠も各社に尋ねて比較しましょう。上の図だと、細かい部分まできちんと評価して高額を出してくれているA社に依頼したくなりますね。

ただし、買い手が付かないような過剰に高い金額になっていないか、注意も必要です。高額査定はうれしいものですが、それに加えて納得のいく根拠を示してくれる不動産会社を見分けることが重要です。

このように、一括査定サイトを使うことで、個別に不動産会社に連絡するよりも格段に効率よく依頼できるうえ、各社の比較を通じて、自分に合った不動産会社が見つけやすくなるのです。

よくある疑問

Q.まだ売却時期が決まっていないが、査定してもらえる?
A.査定してもらえます。査定結果を見てから、売却時期の検討を始めても問題ありません。

Q.住宅ローン完済前だが、売却できる?
A.売却できます。ただし、売却の完了時に住宅ローンの残額を一括返済することが条件になります。そのため、まずは査定を受けて住宅ローンの完済が可能かどうかを確かめましょう。

おすすめの一括査定サイトはこの6つ|組み合わせ例も紹介

一括査定サイトは、比較的よく知られているものだけでも30以上。どれを使えばいいのか迷ってしまいますよね。

いえぽーと編集部では、運営歴の長さや利用者数の多さから、信頼できる11サイトをセレクトし、利用をおすすめしています。

そのなかでも、特におすすめなのは以下の6サイトです。


☑所有不動産の種別・所在地の査定が得意な不動産会社を無料紹介
☑不動産の価格相場がわかるので、正しい価値判断が可能
☑査定後、適正価格での不動産売却も可能
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サイト名 長所/弱点 提携不動産会社 対応エリア 利用者数
運営開始年
【おすすめ度】
★★★★★

HOME4U

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【長所】
・業界で最も運営歴が長く信頼感アリ
・NTTグループの運営で情報保護も含めて安心

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
約1,500社 全国 約1,000万人
/2001年
 
【おすすめ度】
★★★★★

すまいValue

公式サイトへ
【長所】
・超大手6社のみの参加で安心感抜群
・最大手3社に一括査定が依頼できる唯一のサイト

【弱点】
・人口が少ない地域は未対応の可能性あり
6社
・三井不動産リアルティ
・住友不動産販売
・東急リバブル
・野村不動産ソリューションズ
・三菱地所ハウスネット
・小田急不動産
全国
※一部未対応
年間成約件数11万件以上
/2016年
 
【おすすめ度】
★★★★★

SUUMO

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【長所】
・業界トップクラスの知名度を誇るSUUMOに物件情報を掲載できる
・電話番号を入力しなくても査定依頼が可能

【弱点】
・競争相手となる物件もSUUMOには多く掲載されている
約2,000社 全国 非公開
/2009年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

イエウール

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【長所】
・利用者数1,000万人以上は業界No.1
・参加不動産会社数は約1,600社でこちらも業界屈指

【弱点】
・運営歴が浅く、サポートはやや少なめ
約1,600社 全国 1,000万人以上
/2014年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

ライフル・ホームズ

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【長所】
・地元密着型の不動産会社が幅広く参加
・不動産ポータルサイトならではの情報の充実度

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
約1,700社 全国 約470万人
/2009年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

イエイ

公式サイトへ
【長所】
・「イエローカード制」で悪徳業者を徹底排除
・「お断り代行サービス」など各種サポート体制が充実

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
約1,000社 全国 400万人以上
/2007年
 

さらに、ご自身の住まいに合わせて、一括査定サイトを組み合わせて利用するのが上手な使い方です。

1つの一括査定サイトで依頼できる不動産会社の数は限られているので、あなたにとって最適な会社がそこだけで見つかるとは限りません。複数の一括査定サイトを組み合わせて使えば、より多くの不動産会社を比較できるようになるので、自分に合った会社が見つかる可能性が高まるでしょう。

以下でおすすめの組み合わせ例をご紹介していますので、参考にしてください。

3大都市圏などの大都市部 それ以外の地域
HOME4U
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すまいValue
公式サイトへ

SUUMO
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イエウール
公式サイトへ

ライフル・ホームズ
公式サイトへ

イエイ
公式サイトへ
ポイント ポイント
万能型の「HOME4U」でまずは有力な不動産会社をキープ。大手特化の「すまいValue」と地場企業に強い「SUUMO」でさらに比較対象を増やすのがおすすめ。 1つのサイトで候補に挙がる社数が少ない可能性があるため、提携社数の多い3サイトを組み合わせて選択肢を広げるのがポイント。

ちなみに、首都圏や関西の物件査定であれば、SRE不動産の利用もおすすめです。SRE不動産はソニーグループの不動産会社で、売主のみを担当する「売却エージェント制」を敷いており、100%売主の味方になってくれることから、非常に高い顧客満足度を誇っています。一括査定ではありませんので、上記の一括査定サイトで査定依頼することになった不動産会社にプラス1社、といった使い方もしやすいのが魅力です。

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【対応エリア】東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良

一括査定サイトについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

不動産一括査定サイトを利用するデメリット

不動産一括査定サイトを利用する際は、以下のようなデメリットがあることも考慮に入れておきましょう。

  • 査定依頼後に不動産会社からの営業電話が多く入ることがある
  • 悪質な不動産会社もあるため注意が必要
  • 査定額と実際の売却額が違うケースもある

最終的に不動産仲介を依頼する会社を決めるのは売主自身であるため、実際に訪問する会社を2社~4社ほどに絞ってから、担当者と会ってみて信頼できるかどうかを判断するのが重要です。査定額と売却額が大きく異なっていたり、担当者の対応が親切でなかったりした場合は契約を見送った方が良いでしょう。

不動産仲介における媒介契約の種類と特徴

仲介を依頼する不動産会社を見つかった段階で、媒介契約の方式を検討することになります。媒介契約とは売主(または買主)と不動産会社の間で結ぶ契約のことであり、一般的には3種類の契約方式より選択します。

3種類の媒介契約

3種類に分かれる媒介契約の詳細を以下表でまとめました。それぞれの違いについては、仲介を依頼できる不動産会社の数と、依頼主である売主が買主を見つけることが許されているかどうかになります。

専属専任媒介契約 特定(1社)の不動産会社との仲介契約であり、依頼主自身で買主を探すことができなくなります。
専任媒介契約 特定(1社)の不動産会社との仲介契約になりますが、依頼主自身で買主を探す自己発見取引が可能になります。
一般媒介契約 2社以上の不動産会社に仲介を依頼できる契約形式です。依頼主自身による自己発見取引も認められています。
各媒介契約内容の比較 専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他業者(不動産会社)への依頼 不可 不可
自己発見取引 不可
契約有効期間 3ヵ月 3ヵ月 期間制限なし
依頼主(売主)への報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 報告義務なし

参考:「土地売却の流れガイド|査定・媒介契約・売買契約の手順とポイント

基本的には専任媒介契約(または専属専任媒介契約)がオススメ

一般媒介契約では複数社の不動産仲介会社と契約を結べるメリットはありますが、依頼主への報告義務はなく、不動産仲介会社にとっては契約が取れない可能性が高いため、あまり本気になって動いてくれない可能性もあります。

したがって、基本的には売買の手続きを1社に委ねる専任媒介契約(または専属専任媒介契約)にした方が良いと思われます。

媒介契約を解約する際の注意点

特に専属専任媒介契約や専任媒介契約において、依頼した不動産仲介会社の動きが悪かったり長期間経過しても買主が見つからなかったりする場合には媒介契約の解約も必要になるでしょう。

媒介契約の解約では基本的に違約金などの発生はないため、不動産仲介の依頼を解消する理由をしっかりと伝えれば、契約有効期間の途中でも解約することができます。

ただし、一つ注意点として専属専任媒介契約や専任媒介契約を結んでいたにもかかわらず、売主側が他社へ仲介依頼をしていた場合には違反行為に対する損害賠償を請求される恐れがあるので、媒介契約の条件を必ず守るようにしましょう。

不動産仲介手数料の基準と値引きについて

不動産仲介を依頼する際に懸念する点として不動産仲介手数料が挙げられますが、売主の負担になる不動産仲介手数料の算定基準と値引きについて最後に取り上げていきます。

仲介手数料は売買の成立で発生する

不動産仲介手数料は不動産売買の取引が成立した時点で発生するため、最終的な決済や物件の引き渡し時で請求されることが通常です。売買契約が成立しない限りは発生しない費用ということになります。

不動産仲介手数料の基準(限度額)・早見表

不動産仲介手数料は法律で規定されている限度額を超えない限り、各会社の判断によって金額を決めていいことになっていますが、不動産仲介手数料の限度額は以下の通り定められています。

売買価格(消費税を含まない) 仲介手数料限度額(消費税を含む)
200万円以下 売買価格の5.5%以内
200万円超 400万円以下 売買価格の4.4%以内
400万円超 売買価格の3.3%以内

参考:「全日本不動産協会 仲介手数料について

上記の基準を参考に、売買価格(物件の売値)に応じた仲介手数料限度額の早見表を以下表でまとめましたのでご参照ください。

売買金額 仲介手数料(税込み) 売買金額 仲介手数料(税込み)
100万円 55,000円 1,600万円 594,000円
200万円 110,000円 1,700万円 627,000円
300万円 154,000円 1,800万円 660,000円
400万円 198,000円 1,900万円 693,000円
500万円 231,000円 2,000万円 726,000円
600万円 264,000円 2,100万円 759,000円
700万円 297,000円 2,200万円 792,000円
800万円 330,000円 2,300万円 825,000円
900万円 363,000円 2,400万円 858,000円
1,000万円 396,000円 2,500万円 891,000円
1,100万円 429,000円 2,600万円 924,000円
1,200万円 462,000円 2,700万円 957,000円
1,300万円 495,000円 2,800万円 990,000円
1,400万円 528,000円 2,900万円 1,023,000円
1,500万円 561,000円 3,000万円 1,056,000円

『両手物件』であると仲介手数料の値引きがしやすくなる?

不動産仲介手数料を値引きするポイントとして、両手物件である場合には不動産仲介会社は値引きに応じやすい状況であることを覚えておくべきです。

両手物件とは、売主側と買主側の両方から不動産仲介手数料を請求することであり、不動産仲介会社にとっては大きな利益を得やすい取引です。したがって、売主側と買主側で契約を結ぶ不動産仲介会社が違う片手物件よりも大事にしたい案件であるため、多少の仲介手数料の値引きであれば了承しやすいということになります。

単純な手数料の値引きだけでなく物件価格の調整も検討する

ただし、売主側にとって重要なのは仲介手数料の値引きだけでなく、高い売値で取引を成立させることでしょう。

仲介手数料の値引きにこだわってしまうと不動産仲介会社が非協力的になってしまう恐れもあるので、物件価格を上乗せすることも検討するべきです。買主側が希望する条件に見合わなくなるデメリットも考えられますが、売却できるギリギリの価格を見極めて取引成立させるために、不動産仲介会社と売却価格を見直すことが大事です。

まとめ

不動産仲介の必要性と媒介契約の基礎知識について一通り解説しましたが、不動産仲介会社への依頼は慎重に決めるようにしましょう。一度結んだ媒介契約を解約することはできますが、時間と労力を無駄にしてしまうため、不動産一括査定サイトで複数の不動産仲介会社を比較して、実際に訪問した上で仲介を依頼するかどうか決めるべきです。

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