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不動産売却では、不動産会社が物件の価値を査定したうえで、売却の手続きが進んでいきますが、査定・売却それぞれの手続きにおいて所定の書類を揃えなければなりません。
必要書類を事前に用意することで手続きをスムーズに進めることができますが、査定価格を高くするうえでも、買主との価格交渉を有利に進めるためにも、次の書類を揃えておきましょう。
- 身分証明書・実印・住民票・印鑑証明書
- 登記済権利書または登記識別情報
- 固定資産税納税通知書と固定資産税評価額
- 土地測量図・境界確認書
- マンションの管理規約・使用規則
- マンション維持費の書類
- ローン残高証明書
- 建築確認証・検査済証・建築設計図書・工事記録
- 建築設計図書・工事記録
- 地盤調査報告書・住宅性能評価書・既存住宅性能評価書
- 耐震診断書・アスベスト使用調査報告書
- 購入時の契約書・重要事項
- パンフレットおよび広告資料
この記事では、手続上必ず用意しなければならない書類から、買主に安心感を与え、早く高く売却するために用意しておくべき書類について、どうして必要になるのか、また紛失していた場合どこで手に入れられるのかについて解説します。
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不動産の売却に必要な書類一覧
不動産売却では多額のお金が動きますので、買い手に対して、「物件」「権利」「売り手」の情報を正確に伝えなければなりません。
これらの情報を伝えるために「必要書類」が不動産売却では必須です。戸建て、マンション、土地によって書類は少しずつ変わりますが、ほとんど共通しています。
早速、どういった書類が必要になるのか確認してみましょう。
身分証明書・実印・住民票・印鑑証明書
必要な不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
売主があなたであることを証明するために、以下の書類が必要になります。
- 身分証明書(免許証など)
- 実印
- 印鑑証明書:発行から3ヶ月以内
- 住民票:発行から3ヶ月以内(現住所と登記上の住所が異なる場合のみ)
もし、相続物件などで共有名義の物件を売却する場合は、共有者全員分の書類を集めなければなりません。
印鑑証明書や住民票は、役場にて300円で発行してもらえます。
登記済権利書または登記識別情報
必要な不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
不動産の情報を確認したり、登記をしたりするときに必要となる書類です。
登記済権利書とは、不動産の持ち主(登記名義人)の所有権を証明するための書類です。一方、登記識別情報とは、登記が完了際に登記所から発行される12桁の英数字のことで、1枚の紙に記載されている登記済権利書の代わりになる書類です。
2005年までは登記済権利書が、以降は登記識別情報が発行されています。
これらの書類は、不動産の取得時に法務局から発行されたものになりますが、再発行はできないのでなくさないように気をつけてください。
もしなくしてしまった場合には、司法書士に「本人確認書類」の作成を依頼(報酬として5万円程度必要)するか、「事前通知」という制度を利用できますので、仲介を依頼している不動産会社に相談してください。
固定資産税納税通知書と固定資産税評価額
必要な不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
買い手が支払うべき税額の確認と、移転登記で支払う登録免許税を算出する際に必要です。
移転登記を行う際に、買主は登録免許税(移転登記に伴う税金)を納めなければなりませんが、登録免許税を算出するために、固定資産税評価証明書と固定資産税納付通知書が必要になります。固定資産税評価証明書とは、固定資産評価基準に基づき不動産の評価価格を公的に証明するための書類です。移転登記の際に必要な書類になりますが、価格交渉をするうえでも評価価格を参考にします。
固定資産評価証明書を取得するためには、その物件を管轄する役所または、駅などにある証明書発行コーナーにて証明書を発行してください。固定資産税納付通知書とは、この評価書を元に算出される固定資産税の納付するための書類であり、毎月送られてくる書類ですので一番新しい通知書を用意しましょう。
土地測量図・境界確認書
必要な不動産 〇戸建て ✕マンション 〇土地 |
戸建ての家や土地を売却する場合には、境界を明らかにする必要がありますので、「地積測量図」「確定測量図」「筆界確認書」などを用意します。
地積測量図は法務局で入手可能(454円・オンラインの場合は364円)ですので手に入れておきましょう。もしない場合には確定測量図を作成しましょう。実費で60万円程度必要です。
筆界確認書とは、土地の隣接者との間で境界を確認していることを明らかにした書類です。必須ではありませんが、あると望ましいでしょう。
マンションの管理規約・使用規則・維持費の書類
必要な不動産 ✕戸建て 〇マンション ✕土地 |
買い手が購入後の生活をイメージしやすくするために必要となる書類です。
しっかりと管理されているか、維持費やペット飼育の許可などはどうなっているかは、買い手からすると重要な情報なので、売買契約前には提示しておきたい書類です。
ローン残高証明書
必要な不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
ローンが返済途中であった場合には、価格を決めるときの目安とするために不動産会社から提示を求められることが一般的です。
毎年10月ごろに銀行より送付されているはずですが、紛失してしまった場合には身分証明書と印鑑があれば再発行してもらえます。
銀行口座の書類・通帳
必要な不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
不動産の引き渡し時に、手付金額を引いた売却代金を振り込んでもらうために必要です。どの口座に振り込んでもらうべきか考えて用意しておきましょう。
不動産売却でできるだけ提示したい書類一覧
ここからは必須ではないものの、あれば買い手に安心感を持ってもらえ、ひいては購入決定の材料になるかもしれない書類を紹介します。
「ないよりはあったほうがよい」という書類であっても、買い手側から催促しないと出てこないような状態だと、良くない印象を持たれかねません。
できるだけ売却前に集めておき、売り手側から積極的に提出できるようにしておきましょう。
建築設計図書・工事記録
該当する不動産 〇戸建て 〇マンション ✕土地 |
建築設計図書・工事記録書は、どのような設計・工事が行われたのかを示す書類です。査定をするうえではより精度の高い金額を出すのに役立ちますし、買主としては購入後の維持管理のためにあったほうがうれしい書類です。
マンションの売却を考えている方は、管理組合、または管理会社が保管しているので直接、取り寄せてみましょう。一戸建ての方は自分で用意しなければなりませんが、手元にない場合は施工会社または購入時の不動産会社へ問い合わせてください。
建築確認証・検査済証
該当する不動産 〇戸建て ✕マンション ✕土地 |
建築基準法に基づいて建築されたことを証明する書類です。
建築時に建築した施工会社から渡される書類ですが、発行は役場ですので、紛失した場合は問い合わせてみましょう。コピーを取ってくれたり、再発行してくれたりします。
住宅性能評価書
該当する不動産 〇戸建て 〇マンション ✕土地 |
建築的な視点で、専門が住宅の性能を評価するための書類です。住環境が整っていることを証明できます。
住宅性能評価書は専門機関に依頼して取得します。
地盤調査報告書・耐震診断書・アスベスト使用調査報告書
該当する不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
地震への耐久性がどれくらいあるのかを確かめるために必要な書類です。
耐震診断報告書に関しては、実際に物件を建築した施工会社へ依頼しますが、新耐震基準が適合されている昭和56年以降の物件に関しては必要ありません。アスベスト使用調査報告書や地盤調査報告書は、専門の業者・機関に依頼することで取得することができます。
マンションを売却する方に関しては書類を取得するうえで、管理組合に問い合わせてみてください。
購入時の契約書・重要事項
該当する不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
あれば提示したい書類です。購入時の物件情報や付帯する設備の特約、告知事項などを確認しておきたい買い手も少なくありません。
パンフレットおよび広告資料
該当する不動産 〇戸建て 〇マンション 〇土地 |
こちらもあれば提示したいところです。構造や建築時期、設備や間取りの詳細が記載されていますから、買主にとっては有益な情報になるでしょう。
不動産別の必要書類チェックリスト
必要書類のチェックリストを記載しておきます。以下にはリンクも用意していますので、必要に応じてダウンロードし利用してください。
〇=必須
△=あれば提示
✕必要なし
必要書類 | チェック欄 | 不動産の種類 | ||
戸建て | マンション | 土地 | ||
身分証明書・実印・住民票・印鑑証明書 | □ | 〇 | 〇 | 〇 |
登記済権利書または登記識別情報 | □ | 〇 | 〇 | 〇 |
固定資産税納税通知書と固定資産税評価額 | □ | 〇 | 〇 | 〇 |
土地測量図・境界確認書 | □ | 〇 | ✕ | 〇 |
マンションの管理規約・使用規則 | □ | ✕ | 〇 | ✕ |
マンション維持費の書類 | □ | ✕ | 〇 | ✕ |
ローン残高証明書 | □ | 〇 | 〇 | 〇 |
銀行口座の書類・通帳 | □ | 〇 | 〇 | 〇 |
建築設計図書・工事記録 | □ | △ | △ | ✕ |
建築確認証・検査済証 | □ | △ | ✕ | ✕ |
住宅性能評価書 | □ | △ | △ | ✕ |
地盤調査報告書・耐震診断書・アスベスト使用調査報告書 | □ | △ | △ | △ |
購入時の契約書・重要事項 | □ | △ | △ | △ |
パンフレットおよび広告資料 | □ | △ | △ | △ |
確定申告で必要となる書類
不動産売却のときには関係ありませんが、売却して不動産譲渡所得が発生した場合には確定申告をしなければなりません。その際に必要となる書類を一覧で紹介しますので確認しておいてください。詳しい内容は関連記事や国税庁HPを参考にしてください。
必要書類 | 入手場所 | 金額 |
確定申告書B様式 確定申告書第三表(分離課税用) 譲渡所得の内訳書 |
税務署 | 税理士に依頼した場合、数万円~40万円程度 (売却価格や適用される特例により異なる) |
除票住民票 | 市町村窓口 | 1通300円 |
譲渡資産の登記事項証明書 | 法務局 | 1通600円 |
住宅借入金の残高証明書 | 金融機関 | - |
【関連記事】
▶ 不動産売却時に発生する税金を確定申告する方法と節税の秘訣
▶ 不動産売却で確定申告が必要な人の対象条件と申告の方法と手順
まとめ
不動産売却に必要な書類について解説しました。
必須でない書類は必ず集める必要はありませんが、買い手に物件に興味を持ってもらうという意味では、必要な書類だといえます。売り手側から提示することで、「売却に真剣に取り組んでいるんだな」「買い手側のことを考えてくれているな」と感じてもらえれば、心証もよくなるはずです。
不動産売却をスムーズに済ませるためにも、なるべく高い金額で不動産を売却するためにも、必要書類は早い段階で揃えておきましょう。
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ポイント | ポイント |
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