マンション1階は本当に売れない？上手に売却する4つのポイント

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マンションの1階は「売れない」「売りにくい」と言われることがあります。それは間違いというわけではありませんが、正しいわけでもありません。

確かにマンションの1階の部屋は「売りやすい」とはいえませんが、「売りにくい」わけでもありません。それは、マンションの1階を求める人がいるからです。

高層階からの眺望を得ることこそマンションに住むメリットと考える人は、「なぜ好んで1階を買うのか」と思うかもしれません。

しかし、マンションの1階の部屋にも住むメリットがあり、そのメリットは高層階にはないものなのです。この記事では、それを詳しく紹介していきます。マンションの1階のオーナーは、売却を諦める必要はありません。

マンション1階のメリット・デメリット

マンションの1階にはメリットもデメリットもあります。それは、どの階であってもいえることですし、一戸建て住宅を含めて、すべての家にいえることです。マンションのすべての階のなかで、確かに1階は特別な存在かもしれませんが、良いところと悪いところがあるのは当たり前です。

メリット

まずは、マンションの1階のメリットを紹介します。少なくとも次の5つがあります。

生活音について下の階に気を配らなくてよい

すべてのマンションの部屋には、唯一の例外を除いて「生活音を抑制する義務」と「周囲に気配りをしなければならない」というデメリットがあります。マンションは集団生活を強いられるので、当然です。

そしてこのデメリットを免れ得る唯一の例外が、1階の部屋です。1階の住人はドタドタ歩いても、苦情が来る心配はほかの階に比べれば小さなものです。子供がいる家庭にとっては特に大きなメリットでしょう。

専用庭があるところも

1階のオーナーにだけ専用の庭がついているマンションも多いです。マンションなのにガーデニングや家庭菜園ができるのは魅力的でしょう。

エレベーターを待たなくてよい

1階の住人は、これも唯一、エレベーターを使う必要がありません。小さな子供のいる家庭やシニアにとって助かるだけでなく、荷物の出し入れが楽なのは多くの人にとってメリットになる点でしょう。停電したときも、高層階の住人は非常階段を上り下りしなければなりませんが、1階の住人はその心配がありません。

災害時に素早く非難できる

災害が発生したとき、マンションのなかで最も早く避難できるのは1階の住人です。玄関まで行かずとも、庭側の窓から、飛び降りることなく逃げることができます。

価格が安い

最大のメリットは、価格が安いことかもしれません。売却を予定しているマンション1階のオーナーとしては「うれしくない」と感じるかもしれませんが、かつて購入したときは安くてありがたいと感じたのではないでしょうか。これは次のオーナーにとっても同じはずです。つまり、マンション1階には価格競争力があるということです。

デメリット

マンション1階のデメリットは次の5項目です。

防犯面

もし空き巣が「あのマンションを狙おう」と思ったら、1階が狙われやすいのは事実でしょう。そういった意味で、マンション1階は防犯面で不利です。

ただ、最近のマンションの多くは、警備会社と契約しています。警備の費用はマンションの全住人が負担していますが、警備サービスの恩恵を最も大きく受けるのは1階の住人といえます。

蚊などの虫の被害

虫に悩まされやすいのも、1階のデメリットです。庭に緑が多いような場合は特にその傾向が顕著でしょう。

ただし5階程度までは、多少の差はあっても、どの階でも虫の被害は受ける可能性があるともいえます。

眺望が得られない

崖上などの立地であれば1階でも眺望が良いマンションもありますが、基本的には1階の見晴らしが良くないのは宿命です。見晴らしよりも庭の美しさなどを楽しむことになります。

湿気が多い

梅雨など湿度が高くなる季節は、1階の部屋は湿気やすいというデメリットがあります。

冬は冷え込みやすい

地面に近い1階は、一般的に冬は底冷えしやすいです。角部屋などは窓を通じて外気に触れやすくなるので、より寒さを感じやすいかもしれません。ただし、暖気は上昇しやすいものなので、夏は比較的涼しいといわれています。

マンションの1階に価値を見出す人

マンションの1階のメリットに価値を見出し、デメリットを不利益に感じない人たちもいます。代表的なのは次のような方々です。

高齢者

高齢者はマンションの1階に住みたがる傾向にあります。高齢者世帯がマンションを選ぶのは、多くの人がいるので安心できるからです。一戸建て住宅では、近隣に家が建っていても一軒一軒は孤立しています。一方、マンションであれば常に誰かが建物内にいます。管理も基本的に管理会社がしてくれるので、負担を減らしたい高齢者のニーズに合っています。

また、エレベーターを使わないで済むことは、高齢者にとっては何よりありがたいことです。

小さな子供がいる夫婦

小さな子供は、とにかく家の中を走りたがりますし、遊ぶときに大きな音を立てないようにするというような分別もまだありません。マンションの2階以上に住んでいれば、親は下の階からの苦情を気にして気を揉む時間が増えるでしょう。

その点、1階なら多少物音を立てても下の階に響くわけではないので、心労は軽減されるでしょう。

専用の庭に価値を感じる人

「2、3階の低層階に住むなら、1階のほうが断然よい」という人は意外に多く、そのような人は1階住人の特権である専用の庭を重視しています。

子供用のプールを出したり、ガーデニングや家庭菜園を楽しんだり…。庭にキャンプ用のタープを張れば、夕涼みをしながらビールを飲むこともできます。専用庭は趣味のスペースとしてかなり幅広い使い方ができるといえるでしょう。

1階のマンションを売るためにあなたができること

マンションの1階は「売りにくい」わけではありませんが、「売りやすい」といえないことは事実です。したがって売却するには、売主がしなければならないことがあります。

マンション売却に特化した不動産会社に依頼する

まずは、マンション売却が得意な不動産会社を探して仲介を依頼しましょう。不動産会社には、マンションの売却が得意な会社もあれば、一戸建てや土地の売却が得意な会社もあります。マンションを豊富に扱っている不動産会社なら、1階を欲しがっている買い手を多く抱えていますし、「1階の売り方」も心得ています。

ターゲットを明確にする

マンションの1階は、マンション購入希望者の全員が求めているわけではありません。先ほど紹介した1階のメリットを知っている人にしか売ることができません。

したがって売却活動ではターゲットを明確にする必要があります。

内見で購入希望者に良さをアピールする

1階のマンションの売却活動では、内見（内覧会）がとても重要になります。購入希望者が現れたら、1階の住みやすさをアピールしてください。

ネガティブな要素を伝える必要はありません。なぜなら、1階のマンションの内見に参加する人は、1階のデメリットはよく知っているからです。

それでも内見に来るのは、1階が有力な候補に挙がっているからです。彼らが想像している1階の良さが、1階のオーナーによって証明されたら、購入の気持ちは高まるでしょう。

上階よりは低めの価格を提示する

1階のマンションを求めている人のなかには、上階と比べたときの割安感を重視している人も多くいます。上階の相場よりも高くなってしまうと、買い手が内覧に来てくれない可能性が高まりますし、いくら上階を凌ぐ良さがあっても、その説得をするのが大変になってしまいます。上階に比べ、1階の相場が低めなのは事実なので、それに見合った価格設定をしたほうが、売却は実現しやすくなります。購入希望者を惹きつけるには、値下げ交渉の余地を残しておくことも大切です。

どうしても売れない場合は買取という選択肢も

もし、どうしても買い手がつかなかったら、売却仲介を依頼している不動産会社に買取を依頼することも検討してください。

買取とは、不動産会社がマンションのオーナーから直接買うことを意味しています。ただ、買取の場合、売却価格が仲介の場合の7割ほどになってしまう可能性が高いです。

早期に、かつ確実に売りたい、というオーナーにとってはメリットがある選択肢といえます。詳しくは下記の関連記事も参考にしてください。

【関連記事】 マンション買取で失敗しないための必須知識｜安売り回避の方法は？

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まとめ

マンションの1階を売るには、売主自身の工夫と不動産会社の協力が必要になります。売主は、日頃の生活のなかで感じている「1階でよかったと思えたこと」を、内見の参加者たちに伝えてください。

そして1階の売り方を知っている不動産会社と出会いましょう。査定の依頼は、複数の不動産会社に行います。そのとき営業担当者たちに「どのように1階をPRしますか」と尋ねてみます。売主が「その通り、それこそマンション1階のメリットです」と思えた回答をした営業担当者に売却仲介を頼みましょう。

【関連記事】 マンション査定まるわかり！依頼方法から査定サイトの比較、査定額の決まり方まで