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転勤や引っ越し、相続などで一戸建てを売却することになったとき、今後の生活のためにも1円でも高く売却したいものですね。

けれど不動産の売却は、人生で一度あるかないかという一大イベントです。

そのため、どのような不動産会社を選べばよいのかわからず、悪徳業者に引っ掛かってしまったり、相場がよくわからず安価な金額で建物を売却したりする結果になってしまうことも少なくありません。

そこで本記事では、一戸建てを売却することになった初心者の人にもわかりやすいよう、なるべく専門用語を噛み砕いて説明しています。

また、1円でも高く一戸建てを売却できるよう具体的な例も挙げながら、相場を知る方法や能力の高い不動産会社を見つける近道について詳しく解説しています。

これから一戸建ての売却を考えている人は、ぜひ最後まで目を通してみてください。

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この記事に記載の情報は2023年10月03日時点のものです

一戸建ての査定価格とは

不動産会社は、「この金額であれば3ヶ月で売れるだろう」と考えている価格を査定額として算出していることが多いです。

ただし、この「3ヶ月後」とは、販売告知などを行う3ヶ月程度を含めていないため、実際には「半年程度で売却できる可能性のある査定額をつけている」というイメージです。

相場より高値の査定額は魅力的ですが、いくら不動産会社が高値の査定額をつけてくれたとしても、それが適切な価格でなければうまく売却することができません。

そのため、すべてを不動産会社任せにするのではなく、自分自身でも相場などを知っておく必要があるのです。

一戸建ての査定額の決まり方

一戸建ての査定額は、国交省によって、不動産流通センターが作成している『 価格査定マニュアル 』を参考に算出することが推奨されています。

また、不動産査定では、下記の3つの計算方法を使って計算します。

  • 取引事例比較法
  • 収益還元法
  • 原価法

どの計算方法を使うのかは不動産の種類によって違い、例えば、家屋と土地では用いる計算方法が違うのです。

一戸建ての査定は土地と建物を別々に考える

一戸建ての土地部分は「取引事例比較法」で計算し、家屋は「原価法」で計算し、それぞれに算出された金額を合わせたものが、「積算価格」といって土地と家屋の合計金額になります。

では、それぞれの計算方法について見ていきましょう。

家屋部分

現在の建物を取り壊し、同じ建物を再度建てたとき(再調達)にかかる費用を計算し、その金額から、現在の家屋に設けている設備の耐久年数分を引いて算出する「原価法」を用いて計算します。

土地部分

土地の部分を査定するときには、「取引事例比較法」を用いて計算することが一般的です。

査定額を算出するときの考え方

「◯◯万円で成約した土地の事例は、評価や判定したところ、評点は●●点となったため、これから査定を行う土地と比較した場合、査定する土地の評点は△△点となり、査定価格は××万円となる」

これが取引事例比較法の考え方です。

実際の入力方法

過去に売買された土地の成約事例と査定地(査定する土地)を選び、それぞれの判定や評価を行い、結果を評価得点として算出し、2つの土地の評点を比較して査定地の査定価格を算出します。

査定価格の計算式

査定で見られるポイント

ここでは、査定でチェックされるポイントを見ていきましょう。

掃除ができる部分は磨くなどしてできるだけ美しく見えるようにしておきましょう。

境界線

隣接している家々との境界線がはっきりしていない場合は、査定額が低くなります。

隣地境界線だけでは十分ではないため、境界標を打ってもらうなどの処置をし、境界標を打ってもらってからの測量図を準備しておきましょう。

建物の条件

道路に面している部分の日当たりや建物の風通しがよい場合は評価ポイントが上がりますし、高台にある場合には、眺望がよいことも評価を上げるポイントとなります。

また、高台にはなくても、「富士山がお風呂場からきれいに見える」などは評価が上がるポイントです。

外観の状況

朽ち果てたウッドデッキや奇抜な色の外壁の場合は、評価が下がる可能性が高いです。

庭・堀・門扉の状況

庭木が倒れている、草がボウボウなど、手入れにお金がかかるような状態の場合は評価が下がってしまうため、庭木や草の手入れをしておきましょう。

内装

奇抜な色や柄の室内壁の場合は、塗り替える必要があるケースも出てくるので、評価が下がる場合もあります。

そのほか、汚れている部分や剥がれている部分など、劣化状況を確認します。

設備

水道の蛇口から出る水やトイレを流したときの水圧が弱い場合は、評価が下がる要因になります。

調整や簡単な修理で直る場合には、事前に手を打っておきましょう。

維持管理の状態

リフォームの有無やリフォーム箇所のチェックをします。

適切なタイミングでリフォームなどを行い、維持管理をきちんとしていれば、評価も高くなります。

付加価値

エコジョーズ、白アリ検査合格なども付加価値として記載できる可能性が高いです。

周辺環境

近隣の家々や付近にある工場などから、騒音や振動、異臭がする場合は、マイナス評価につながる可能性が非常に高いといえます。

ただ、防音性の高い家屋の場合は、騒音や振動を遮断する効果があるため、窓を開閉するなどして防音効果をアピールすることが可能です。

市場の動向

簡単に説明すると、ここで言う動向とは、買い手(需要)と売り手(売主)の動きのことです。

買いたいという人がたくさんいる場合には、一戸建ての価格が上がり、買いたいという人が少ない場合は売りやすくするために、一戸建ての価格を下げるということになります。

査定額=成約価格とは限らない

下記は、マンションのデータではありますが、売り出し価格と成約価格には乖離があります。

つまりこのデータは、一戸建てでも、「売り出し価格と成約価格は乖離している」ことを示しているのです。

査定額と成約価格の乖離

引用:東京カンテイ

一戸建ての査定を受けるときのポイント

一戸建ての査定を受けるときのポイント

一戸建の査定には、物件の基本データをもとに算出してもらう「机上査定」と、不動産会社の担当者に直接訪問してもらう「訪問査定」があります。

まずは、たくさんの不動産会社にまとめて査定額を算出してもらえる「一括査定サイト」を使って、机上査定を依頼するのがおすすめです。

複数の不動産会社の査定額を比較することで相場がわかりますし、あまりにも相場からかけ離れた「怪しい」不動産会社を除外することができます。

最終的には、ふるいにかけたいくつかの不動産会社に訪問査定を依頼し、改めて査定をしてもらうことがポイントです。

このような手順を踏むことで、より精度が高く、買い手のつきやすい価格にたどり着きやすくなります。

複数の不動産会社に査定を依頼する

複数社に個別に査定をお願いするとなると手間がかかって大変です。そこで便利なのが、「一括査定サイト」です。

一括査定サイトは、ネット上で自分の物件情報・個人情報を入力するだけで、一度に複数の不動産会社に無料で査定依頼ができるというものです。物件情報をもとに査定可能な不動産会社が自動表示されるので、好みの会社を選んで依頼する、という仕組みです。

一括査定の仕組み

上の図のように、個別に不動産会社に連絡するよりも格段に効率よく依頼できるのが特徴です。まずは机上査定を依頼して査定結果を見たうえで、良さそうな会社には訪問査定も依頼しましょう。

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査定の根拠を確認する

訪問査定ではより精度の高い査定額が出るとされていますが、それに安心せず、査定の根拠を営業担当者にしっかり尋ねるようにしてください。

建物の状態や周辺環境について、細かな点まで加味して査定額を出してくれているようであればOKです。一方、相場ばかりを根拠にした話しか出てこないようであれば、その不動産会社は避けたほうがいいかもしれません。

査定額は低すぎると損をしますし、高すぎると買い手がつかないので、適切な範囲でできるだけ高く売ろうとしてくれる不動産会社を見分けるのがポイントになります。

流通性比率を聞くのがわかりやすい

流通性比率とは、「その物件がどれくらい売りやすいか」を表したもので、100%を基準にして-15%から+10%の間で推移します。物件が売れにくいか売れやすいかを価格に反映させるための調整機能だと理解してください。

流通性比率は市場の動向などを考慮して、査定する人が独自に判断を下します。100%以上になっていた場合には、査定額を高めるために意図的に正しくない数値を選んでいる場合があるので注意が必要です。

そのため、100%以上になっていた場合にはその根拠を尋ねてみましょう。正しく回答できない場合には、その不動産会社への依頼は避けた方が賢明です。

営業担当者の質を確認する

不動産会社自体の評価や口コミが良くても、担当してくれる人が頼りなくては意味がありません。

下記3点の質問をして、あなた自身が納得する答えが返ってこない場合は、担当者を変えてもらうか、別の不動産会社に相談してみましょう。

近隣で高く売れた事例とそのときの販売戦略

近隣で高く売れた事例があれば、そのときに「どこをアピールしたのか」「どういった層をターゲットにしたのか」など、販売戦略について尋ねてみるのがおすすめです。

具体的かつ納得のいく説明がない場合は、依頼する担当者や不動産会社を変更しましょう。

あなたの家の販売戦略

あなたの家をどのように売っていこうと考えているのか、下記の5点について尋ねることで、担当者がどのような販売戦略を立てているのかが見えてきます。

  • 建物のどういった点をアピールするのか
  • どういった客層をターゲットにするのか
  • どういった宣伝や広報を行うのか(告知する掲載媒体の確認)
  • 掲載時期はいつ頃なのか
  • どれぐらいの期間で売却しようとしているのか

宅地建物取引士の資格を持っているか、持っていないなら取る予定はあるか

宅地建物取引士とは、不動産売買に関する専門知識があることを証明する国家資格です。売買契約時の重要事項説明などは、この宅地建物取引士でなければ行うことができません。

近頃は、若い営業担当者でも宅地建物取引士の資格を取得する人が増えてきているようです。この資格を持っているということは、不動産売買についてしっかりとした知見があるのだと見ることができますし、長く不動産業界で働く意欲がうかがえます。担当者にこの意欲があるのかによって、売り方が変わってくることは言うまでもありません。

少なくとも、現在は持っていなくても今後取る予定がある担当者に依頼したいところですね。会話の流れのなかで上手に聞き出してみましょう。

一戸建ての売却におすすめの一括査定サイト

最後に、一戸建てを売却するときにおすすめの一括査定サイトをご紹介します。

おすすめの一括査定サイトはこの6つ|組み合わせ例も紹介

一括査定サイトは、比較的よく知られているものだけでも30以上。どれを使えばいいのか迷ってしまいますよね。

いえぽーと編集部では、運営歴の長さや利用者数の多さから、信頼できる11サイトをセレクトし、利用をおすすめしています。

そのなかでも、特におすすめなのは以下の6サイトです。

サイト名 長所/弱点 提携不動産会社 対応エリア 利用者数
運営開始年
【おすすめ度】
★★★★★

HOME4U

公式サイトへ
【長所】
・業界で最も運営歴が長く信頼感アリ
・NTTグループの運営で情報保護も含めて安心

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
約1,500社 全国 約1,000万人
/2001年
 
【おすすめ度】
★★★★★

すまいValue

公式サイトへ
【長所】
・超大手6社のみの参加で安心感抜群
・最大手3社に一括査定が依頼できる唯一のサイト

【弱点】
・人口が少ない地域は未対応の可能性あり
6社
・三井不動産リアルティ
・住友不動産販売
・東急リバブル
・野村不動産ソリューションズ
・三菱地所ハウスネット
・小田急不動産
全国
※一部未対応
年間成約件数12万件以上
/2016年
 
【おすすめ度】
★★★★★

SUUMO

公式サイトへ
【長所】
・業界トップクラスの知名度を誇るSUUMOに物件情報を掲載できる
・電話番号を入力しなくても査定依頼が可能

【弱点】
・競争相手となる物件もSUUMOには多く掲載されている
約2,000社 全国 非公開
/2009年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

イエウール

公式サイトへ
【長所】
・利用者数1,000万人以上は業界No.1
・参加不動産会社数は約1,600社でこちらも業界屈指

【弱点】
・運営歴が浅く、サポートはやや少なめ
約1,600社 全国 1,000万人以上
/2014年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

ライフル・ホームズ

公式サイトへ
【長所】
・地元密着型の不動産会社が幅広く参加
・不動産ポータルサイトならではの情報の充実度

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
2,700社以上 全国 730万人以上
/2008年
 
【おすすめ度】
★★★★☆

イエイ

公式サイトへ
【長所】
・「イエローカード制」で悪徳業者を徹底排除
・「お断り代行サービス」など各種サポート体制が充実

【弱点】
・大手で参加していない会社がある
1,700社以上 全国 400万人以上
/2007年
 

さらに、ご自身の住まいに合わせて、一括査定サイトを組み合わせて利用するのが上手な使い方です。

1つの一括査定サイトで依頼できる不動産会社の数は限られているので、あなたにとって最適な会社がそこだけで見つかるとは限りません。複数の一括査定サイトを組み合わせて使えば、より多くの不動産会社を比較できるようになるので、自分に合った会社が見つかる可能性が高まるでしょう。

以下でおすすめの組み合わせ例をご紹介していますので、参考にしてください。

3大都市圏などの大都市部 それ以外の地域
HOME4U
公式サイトへ

すまいValue
公式サイトへ

SUUMO
公式サイトへ
イエウール
公式サイトへ

ライフル・ホームズ
公式サイトへ

イエイ
公式サイトへ
ポイント ポイント
万能型の「HOME4U」でまずは有力な不動産会社をキープ。大手特化の「すまいValue」と地場企業に強い「SUUMO」でさらに比較対象を増やすのがおすすめ。 1つのサイトで候補に挙がる社数が少ない可能性があるため、提携社数の多い3サイトを組み合わせて選択肢を広げるのがポイント。

ちなみに、首都圏や関西の物件査定であれば、SRE不動産の利用もおすすめです。SRE不動産はソニーグループの不動産会社で、売主のみを担当する「売却エージェント制」を敷いており、100%売主の味方になってくれることから、非常に高い顧客満足度を誇っています。一括査定ではありませんので、上記の一括査定サイトで査定依頼することになった不動産会社にプラス1社、といった使い方もしやすいのが魅力です。

 公式サイトへ
【対応エリア】東京・神奈川・千葉・埼玉・大阪・兵庫・京都・奈良

一括査定サイトについてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

まとめ

査定は一戸建てを売却するときの非常に重要なステップです。それは、査定が単に「いくらで売れそうか」を知るためのものではなく、「自分の家の売却を託す不動産会社を選ぶ」ためのステップだからです。

良い不動産会社を選ぶためには、不動産会社任せ、不動産会社の言う通り、にするのではなく、自分でも相場を調べるなどの準備をしておくことが大切です。そのうえで、一括査定サイトを使って実際に査定依頼してみてください。

また、訪問査定で不動産会社がチェックするポイントを押さえ、自分で手入れや修理ができる部分については、できるだけ事前に手を打っておきましょう。

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