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認知症になってしまった親の家を売却したいという人は少なくないはずです。

2016年にはいわゆる後期高齢者である75歳以上の総人口に占める割合が13.3%でしたが、2065年には約25%にまで増加すると予想されています(※)。

高齢になれば認知症を発症し、日常生活に介護が必要となることも十分あり得ます。この場合、自宅での介護が難しければ、有料の老人ホームへの入居などを検討せざるを得ませんが、老人ホームの利用料は月額10~30万円ほどかかります。また、自宅介護を選択したとしても、デイサービスなどの利用を考えると毎月10万円程度の費用は発生する可能性があります。したがって、場合によっては介護費用を捻出するために自宅の売却を検討しなければならないというケースもあるでしょう。

しかし、不動産が親名義の場合、子が勝手にこれを処分することは難しい場合があります。特に当該名義人が認知症となり判断能力が低下した場合は、不動産の処分ができずに困ってしまうということは珍しいことではありません。では、どうすればよいのでしょうか?

この記事では、認知症になった親の代わりに子が不動産を売却する方法を解説しますので、参考にしてください。

(※)参考:平成29年版高齢化社会白書|内閣府

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この記事に記載の情報は2023年10月03日時点のものです

認知症の親の不動産を勝手に売却することはできない

不動産が親名義であり、当該名義人が認知症を発症したという場合、不動産の売却が困難となる可能性があることは上記の通りです。これは財産処分行為には、法律上、一定の判断能力(意思能力)が必要であるとされるところ、認知症になり判断能力が著しく低下したような場合、当該能力が否定され、有効な取引を行うことができないと判断される可能性があるからです。

この場合、不動産取引自体が困難ですし、仮に取引ができたとしても登記申請で止まってしまう可能性も否定できません。意思能力がない者は、あらゆる法律行為を有効に行うことができませんので、他人に売却もできませんし、子に贈与することもできませんので、不動産の処分がまったくできなくなってしまう可能性があります。

認知症の親の不動産を売却するには

上記のような袋小路に陥ってしまった場合、「成年後見制度」を利用することで、意思能力が喪失された親名義の財産を処分できる可能性があります。ここでは、どういった制度なのかという基本的な内容から、制度を利用するまでの流れを確認してみましょう。

成年後見制度を利用する

成年後見制度とは、意思能力を喪失した者の後見人を選任し、その後見人が被後見人の財産を管理し、被後見人を保護する制度です。

成年後見制度の利用者数は年々増加しており、2017年の利用者数は21万人にまで上っています(※)。

※参考:成年後見制度の現状|厚生労働省

成年後見制度と不動産売却の関係

後見人は被後見人の財産を管理する権限があり、被後見人の利益となる場合にはその財産を処分することもできます(ただし、大きな財産処分には家庭裁判所の許可を要することもあります)。

そのため、被後見人名義の不動産が存在する場合、これを売却処分することが被後見人の利益に資すると認められる場合には、後見人が被後見人の代理人としてこれを売却しつつ売却代金を老人ホームの費用に充てたり、生活費に充当するということはあり得ます。

なお、後見人が被後見人の居住用不動産を処分する場合には、家庭裁判所から売却の許可をもらわなければなりません。これは、居住用不動産の処分が本人に与える影響が重大だからです。家庭裁判所は申請があった場合に当該財産処分が被後見人の利益に資するかどうかを審査し、利益となると認められれば処分を許可する場合が多いと思われます。

成年後見制度の種類

成年後見制度は大きく分けると「法定後見制度」と「任意後見制度」の2種類があります。法定後見制度は本人の行為能力がすでに喪失されている場合に家庭裁判所に申請して後見人等を選任してもらう制度であり、任意後見制度は本人の行為能力が存在するうちに任意の後見人を選任しておく制度です。

なお、法定後見制度には本人の判断能力の程度によって「後見」「保佐」「補助」の3種類があり、後見人となった人に与えられる権限に違いがありますので注意をしておきましょう(本記事で紹介するのは、このうち対象者の意思能力が喪失した状態である「後見」のケースです)。

  後見 保佐 補助
対象となる人 常に判断能力が欠けている状態の人 判断能力が著しく不十分である人 判断能力が不十分である人
成年後見人等の同意が必要な行為 民法13条1項所定の行為 (注1)(注2)(注3) 申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(民法13条1項所定の行為の一部)
取消が可能な行為 日常生活に関する行為以外の行為 日常生活に関する行為以外の行為 日常生活に関する行為以外の行為
成年後見人等に与えられる代理権の範囲 財産に関するすべての法律行為 申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(注4) 申立ての範囲内で家庭裁判所が審判で定める「特定の法律行為」(注4)
制度を利用した場合の資格などの制限 医師、税理士等の資格や会社役員、公務員等の地位を失うなど 医師、税理士等の資格や会社役員、公務員等の地位を失うなど

(注1)借金、訴訟行為、相続の承認・放棄、新築・改築・増築などの行為
(注2)家庭裁判所の審判によって、民法13条1項以外の行為についても、同意見・取り消し権の範囲とすることが可能
(注3)日用品の購入など、日常生活に関する行為は除かれる
(注4)本人以外の人の申立てによって保佐人に代理権を与える審判をする場合、本人の同意が必要。補助開始の審判や補助人に同意権・代理権を与える審判をする場合も同じ。

参考:法定後見制度の概要:厚生労働省

後見人に選任される者

成年後見人を選任する場合、後見人となることを希望する場合はその旨申述することができます。そのため、被後見人の親族等が成年後見人となることもありますが、多くの場合は弁護士や司法書士などの中立的立場にある第三者が後見人に選任されています。

例えば、2017年のデータでは親族が成年後見人等に選任されたケースは約26%に留まっています。多くは弁護士や司法書士、社会福祉士などの専門家が選ばれているようです。

引用:成年後見制度の現状|厚生労働省

成年後見制度利用の流れ

ここからは、売却のために成年後見制度を利用する流れを確認してみましょう。

必要書類の準備

成年後見制度を利用するためには、家庭裁判所に申し立てる必要がありますので、まずはその必要書類を準備しましょう。どういったものが必要になるかは裁判所によって異なります。

以下に代表的なケースを紹介しますが、具体的なものは、管轄する裁判所(認知症になった本人の住所地を管轄する裁判所)のホームページを確認してください。

種類 必要書類
申立て申請書類関係 後見・保佐・補助 開始申立書 ・申立事情説明書 ・親族関係図
本人関係書類 本人の財産目録及びその資料 ・本人の収支状況報告書及びその資料 ・診断書 ・診断書付票 ・本人情報シート ・本人の戸籍個人事項証明書 ・本人の住民票又は戸籍の附票 ・本人が登記されていないことの証明書 ・愛の手帳のコピー
親族関係等書類 親族関係図 ・親族の同意書 ・後見人等候補者事情説明書 ・後見人等候補者の住民票又は戸籍の附票

参考: 東京家庭裁判所

成年後見制度の審判を申し立てる

必要書類が準備できたら、成年後見制度の審判を申し立てます。申立てができるのは、本人、配偶者、4親等内の親族などに限られていますので注意してください。

申立て先の裁判所は、本人の住所地を管轄している「家庭裁判所」です。管轄裁判所が不明の場合は、こちらで調べてみてください。

法定後見人を選任してもらう

親族への意向照会や本人の判断能力の鑑定、本人や後見人の調査が終了したあと、家庭裁判所は選任の必要があると認めれば、後見等の開始について審判をし、加えて後見人の選任を行います。

なお、後見等開始の審判が確定した場合、本人について成年被後見人である旨の登記がされます。

不動産会社と契約する

後見人は被後見人に代わってその財産処分を行うことができますので、被後見人名義の不動産を処分する場合、後見人が代理人として不動産会社とやり取りすることになります(実際には、被後見人の親族等が不動産会社とやり取りし、最終的に後見人の承諾を得るという流れになることもあるかもしれません)。

なお、不動産を売却する場合の査定は個別に受けても問題ありませんが、複数の不動産会社に一括で査定が依頼できる一括査定サービスを利用するとよいでしょう。

次の関連記事では、おすすめの一括査定サイトや上手に利用するポイントを解説していますので参考にしてください。

【関連記事】【業界のプロが教える】不動産一括査定のメリット|査定で重視する5つのポイント

家庭裁判所に許可を得る

すでに簡単にお伝えしましたが、売却する不動産が本人の居住用財産である場合には、後見人は家庭裁判所に売却の許可を得る必要があります。居住用財産とは、現に本人が居住している不動産か、病院などでの治療後に居住予定の家を指します。

許可の申立て先は、成年後見制度を申し立てたのと同じ家庭裁判所です。仮に裁判所の許可を得ず売却した場合には契約は無効になりますので注意してください。

申立てに必要な書類は次のようなものがあります。

  • 居住用不動産処分許可審判申立書
  • 該当不動産の全部事項証明書
  • 該当不動産の固定資産税評価証明書
  • 売買契約書案
  • 不動産査定書
  • 売却後の使い道・処分の必要性を記載した報告書

売買契約・引き渡し

家庭裁判所からの許可が出れば、買い手と売買契約を結びます。売買契約では後見人や買い手、両者を仲介する不動産会社の担当者などが集まって契約書に署名捺印をします。

その後、買い手のローン審査等を経て、決済・引き渡しをすれば、晴れて売却は完了します。

成年後見制度を利用する費用

成年後見制度を利用する場合の費用は、申立てに必要な費用と、後見人への報酬の2種類があります。

申立てに必要な費用は、手数料や連絡用の切手、鑑定料(家庭裁判所が必要と判断した場合)などがあり、次の通りです。

内容 費用
申立て手数料 800円
登記手数料 2,600円
連絡用の郵便切手 3,000~4,000円程度(裁判所により異なる)
鑑定料 10万円以下

一方、後見人への報酬は民法862条によって規定されており、後見人及び認知症者本人の資力などに応じて、裁判官が妥当な金額を決めています。裁判官は事案ごとにふさわしい報酬額を決めますが、参考として、東京家庭裁判所は次のような目安を公表しています(※)。

基本報酬 月額2万円(管理する財産が1,000万円以下)
月額3万円(管理する財産が1,000~5,000万円)
月額5~6万円(管理する財産が5,000万円以上)
付加報酬 特別な事情があった場合、基本報酬額の50%の範囲内で相当額の報酬

(※)参考:成年後見人等の報酬額の目安|東京家庭裁判所

親が認知症になる前にできる売却のための対策

親が認知症になった場合に子が親の不動産を売却しようとする場合、法定後見人制度を利用せざるを得ないというケースは珍しくありません。ただ、この場合、家庭裁判所の煩雑な手続きが必要となりますし、実際に後見人が選任されても不動産の処分について後見人や家庭裁判所の許可が出ないということもあるでしょう。

そのため、将来的に親の不動産を売却する可能性があるのであれば、本人が健康なうちに売却のための対策を打っておくほうがベターです。

ここでは、そのためにできる「任意後見人制度」と「家族信託」の2つの方法について確認してみましょう。

任意後見制度を利用する

任意後見制度とは、本人の意思能力に問題がない時点で将来的に判断能力が下がることを見越して、財産管理や法律行為を後見する人を決めておく制度です。

任意後見制度では後見人を誰にするかを被後見人自身が選べますし、任意後見契約のなかでどういった財産管理や法律行為を行うかについても細かく決めることができますので、認知症になったあと、任意後見人を通じてスムーズに不動産売却を実現できるようになります。

任意後見制度についての詳しい内容は、次の関連記事を参考にしてください。

【関連記事】任意後見制度とは|利用目的や手続きのギモンを徹底解説|相続弁護士ナビ

家族信託を利用する

家族信託とは、財産管理の手法の一つで、認知症などで自分の財産を管理できなくなったときのために、子供や親戚などに財産の管理についての権限を与えておくことをいいます。

家庭裁判所による制約がある成年後見制度と違い、家族信託では柔軟な対応が可能で、本人の希望に沿っている形であれば、いつでも不動産の売却が可能になります。加えて、成年後見制度のような「報酬」という費用が発生しません。

比較新しい制度ではありますが、幅広い対応が可能です。詳しい内容は以下の関連記事を参考にしてください。

【関連記事】家族信託とは家族が行う財産管理|手続きや認知症対策などの事例を解説|相続弁護士ナビ

まとめ

親が認知症になり判断能力著しく減退した場合でも、子は親の不動産を自由に売却することはできません。この場合に有効に不動産を処分するため、法定後見制度を利用せざるを得ない場合もあるでしょう。

法定後見制度を利用するには、まず家庭裁判所に申立てをすることから始めましょう。後見人は家族から選ばれることもありますが、実際は3割程度で、多くのケースでは弁護士などの専門職が選ばれている点を覚えておいてください。

後見人の選定後にはいよいよ売却活動がスタートしますが、その入口になるのは査定です。できるだけ高く売却するには複数の不動産会社に査定を依頼するとよいでしょう。また、査定は個別に依頼してもOKですが、一括査定サイトを利用すれば手間が省けて便利です。

親が認知症になる前ならば、任意後見制度や家族信託の利用を検討しておきましょう。より柔軟な財産管理が可能になります。

一括査定ならあなたの
不動産がいくらで
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