土地の測量は、一般の人にはほとんど馴染みのない作業です。ところが「自宅や土地を売る」ことになると、途端に身近な存在になります。

戸建て住宅や土地を売却するとき「確定測量」を専門業者にしてもらわなければなりません。確定測量で土地の面積を確定しないことには、買い手が安心して購入できないからです。

確定測量はそのほかに、相続税を物納するときや土地を分筆するときにも必要です。確定測量の基礎知識を解説します。

確定測量とは

確定測量は測量の一種です。

測量とは、地球上の位置を求める技術で、地図を作るとき必要になります。

確定測量は正式には境界確定測量と言い、土地の売買などのときに使います。隣り合った2筆の土地の境界線を決める目的で行います。「筆」とは土地の単位のことで、例えば「1筆10坪の土地を2筆に分筆した」といったように使います。

確定測量とほかの測量との違い

土地の売買で使う測量には確定測量以外にも、現況測量地籍測量があります。この3つの測量の違いを見てみましょう。

確定測量と現況測量の違い

ある1筆の土地を自分の土地であることを主張するには、その土地に隣接している土地の所有者と話し合って境界線を決める必要があります。例えば下の図では、A、B、C、Dさんと話し合って境界線を決めれば、自分の土地が確定します。これが確定測量です。

境界線はコンクリートや金属で造った境界杭を地面に埋めることで確定できます。

確定測量の具体的な作業は、土地の所有者たちが現地で立ち合ったうえで、土地家屋調査士または測量士が測量して確定測量図を作り、その確定測量図に所有者が署名・捺印して完了します。

一方、現況測量は、現地でわかる範囲で測量する方法です。例えば、ブロック塀や建物などを参考に現況測量図を作成します。このとき、土地の所有者が立ち合う必要はなく、測量士だけが作業を行います。現況測量は簡易版と考えてよいでしょう。

したがって確定測量で確定した土地の面積と、現況測量で測った土地面積が異なることは珍しくありません。

確定測量と地積測量の違い

確定測量と地積測量の違いは、私的な測量である確定測量に対し、地積測量は公的な測量であるところです。法務局が管理する土地登記簿には地積測量図が記載されます。

したがって、地積測量で作成した地積測量図は、誰でも法務局で入手することができますが、確定測量図は関係者しか持っていません。

確定測量が必要なケース

確定測量が必要になるのは、次の5つのケースです。

  • 一戸建て・土地を売却するとき
  • 相続税を物納するとき
  • 土地を分筆するとき
  • 境界杭を復元するとき
  • その他

一つずつ見ていきましょう。

戸建て・土地を売却するとき

土地付きの一戸建てを売却したり土地だけを売却したりするとき、売主は確定測量を行う必要があります。なぜなら買主は、確定測量していない土地を買いたがらないからです。

確定測量が行われてなく、売主が口頭で「ここが境界線」と示しただけでは証拠がありません。そのような土地を買ってしまうと、隣接地の所有者から「境界線がうちの土地のなかに入っている」と主張されかねません。

したがって土地の売主は、買主から確定測量を要求されたら実施せざるを得ないでしょう。

相続税を物納するとき

相続税が高額になり現金で支払えない場合、相続した土地を税務署に納めることができます。これを「物納」と言います。

物納する場合は確定測量図が必要になります。

土地を分筆するとき

1筆の土地を複数に分筆するときも確定測量図が必要になります。分筆はほとんどの場合、売却したり他人名義にしたりするために行うからです。

境界杭を復元するとき

隣接した2筆の土地の境界は境界杭で明示しますが、これはコンクリート製または金属製なので、破損するなどして消失することがあります。

この境界杭復元するとき確定測量が必要になります。

その他

土地を寄付したり、公有地を払い下げたりする場合も確定測量が必要になります。

確定測量の手順

確定測量の手順を紹介します。

法務局で資料を集める

まずは法務局に行き、対象となる土地とその隣接地の地積測量図登記事項証明書(登記簿)といった資料を入手します。

現況測量図を作成する

次に現況測量を行い、現況測量図を作ります。現況測量図をベースにして、確定測量図を作ることになります。

道路との境界を確定する

道路と接している土地については、その道路を管理している行政機関と協議して境界を確定させます。

隣接地の所有者と現地で確認する

対象となる土地の所有者と、その土地の隣接地の所有者、さらに行政機関の職員が現地に集まり、法務局で入手した資料や現況測量図をベースにして、境界線を確定させます。

そのとき境界線の目印となる境界杭を地面に打ち込みます。

境界杭のことを境界標と呼ぶこともあります。

確定測量図(境界画定図)を作成する

境界線が確定すれば、確定測量図を作成できます。これを境界画定図と呼ぶこともあります。

確定測量図に土地所有者全員が署名・捺印すれば完成です。確定測量図は同じものを所有者の人数分作成し、全員が所有します。

確定測量の期間と費用相場

測量の期間と費用はケースバイケースですが、おおよそが目安となります。

  • 確定測量:1~3ヶ月、60~80万円
  • 現況測量:10日~1ヶ月、35~45万円

行政が立ち会う確定測量のほうが、かかる期間は長くなり、費用も大きくなります。さらに、土地が大きかったり、地形が複雑だったりすると、さらに時間がかかったり、費用が増大したりすることもあります。

測量は大きな出費になりますので、家や土地の売却を決めた時点で、あらかじめ測量費用を織り込んで資金計画を立てましょう。

まとめ

土地付き一戸建てや土地の売却を検討している人は、確定測量を済ませておきましょう。多額の費用を必要とするので躊躇してしまうかもしれませんが、せっかく購入希望者が現れても確定測量図がないと購入を見送られてしまうかもしれないからです。

確定測量には時間がかかるので、早めに手配しておくことをおすすめします。