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マンションを売却した場合には、火災保険を売り手自身で解約しなければなりません。自動的に解約されるわけではありませんので、保険会社に連絡し、解約の旨を伝える必要があります。
マンションの売却にはたくさんの手続きがありますので、火災保険のことまで気が回らないというケースもあるかもしれません。
解約しなければ無駄に保険料を払い続けることになりますし、解約のタイミングを間違えば大きな損失を被ってしまう可能性があります。
この記事では、
- 火災保険を解約するタイミング
- 解約手続きの流れ
- 解約返戻金の金額
などについて解説します。マンション売却前に、しっかりと火災保険の解約手続きについて確認しておきましょう。
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この記事の目次
マンションを売却したら火災保険を解約する
早速、マンション売却時の火災保険解約手続きについて確認してみましょう。
解約するタイミング
火災保険を解約するタイミングは、「マンションの引き渡しが終わったとき」です。
売買契約時に解約をしたくなるかもしれませんが、引き渡しまでの期間が1ヶ月程度あることが通常です。そしてこの「売買契約から引き渡しまで」の期間内に、火災や地震、台風などによってマンションが被災した場合、買い手から契約解除をされてしまいかねません ( 民法536条 ) 。
たった1ヶ月程度の空白期間でも、マンション売却においては何があるかわかりません。保障が何もない期間があると、大きな損失が発生してしまう可能性があります。
マンションの引き渡しが終わるまでは、火災保険を解約しないようにしておきましょう。
解約手続きの流れ
火災保険を解約するには、まず保険会社(多くのケースでは加入した代理店)に電話で解約したい旨を伝えてください。そうすると解約に関する書類が送られてきますので、必要事項を記入後、返送してください。以上で解約手続きは終了します。
ただし、火災保険に質権設定がされている場合には、先に金融機関に連絡する必要があるので注意してください。質権設定とは、火災保険で支払われた保険金の受取人が、住宅ローンの借入先の金融機関に指定されている状態のことです。
質権設定がされている場合には、まず金融機関へ解約したい旨を伝えてください。そうすると「質権消滅承認請求書」が送られてきます。必要事項を記入後に返送すると、今度は「質権抹消書類」が送られてきますので、その後に保険会社に連絡してください。
火災保険の解約日は指定可能
火災保険には契約期間がありますので、「途中で解約はできないのでは?」と疑問に思う人もいるかもしれません。
結論から言えば、契約期間が残っている場合でも途中解約は可能ですし、あとで詳しく説明する通り、保険料も未経過期間に応じて返金してもらえます。ただ、申請した時点から遡っての解約はできないので注意しておきましょう。売買契約が成立した時点で解約の連絡をしておくことをおすすめします。
なお、解約日は保険会社から送られてくる解約書類で指定します。引き渡し日に合わせて指定するとよいでしょう。
火災保険は権利譲渡も可能
火災保険の権利は、買い手に譲渡することも可能です。ただし、あまりおすすめはしません。買い手とのやりとりが多くなって手続きが煩雑になりますし、解約返戻金も受け取れないからです。
買い手が親族などの場合で、金銭的な負担を減らしてあげたいのであれば権利譲渡を選択してもよいでしょう。ただし、引き渡し後には火災保険の効力が無くなってしまうので、所有権移転登記をする前に保険会社に連絡してください。
また、保険会社によっては権利譲渡を認めていないケースもあるので注意が必要です。安易に売買契約で権利譲渡について取り決めをしてしまうと、あとになって名義変更ができないといった事態になりかねません。事前に保険会社に確認しておきましょう。
火災保険の解約返戻金
火災保険を解約したタイミングで未経過期間があると、期間に応じて払い過ぎた保険料を「解約返戻金」として保険会社から支払ってもらえます。
ここでは、解約返戻金に関する内容を詳しく確認してみましょう。
返戻金がある火災保険とない火災保険の違い
火災保険の解約返戻金とは、未経過期間についての保険料が返金されることです。つまり、解約返戻金があるのは、年払い、もしくは長期一括払いをしているケースのみです。
一方、保険料を「月払い」にしているケースや、保険の残存期間が1ヶ月未満といった場合には返戻金がありません。
ただ、火災保険は長期契約をしている場合には保険料が安くなることから、年払いや長期一括払いをしているケースがほとんどのはずですので、多くのケースでは解約返戻金を受け取れるでしょう。
1年ごとに払っている場合
火災保険料を1年ごとに支払う「年払い」をしている場合の解約返戻金は、次の計算式で求めます。
解約返戻金=年間の保険料×(1-経過期間係数) |
経過期間係数は保険会社によって異なりますが、代表的な数字は次の通りです。
経過期間 | 経過期間係数 |
1ヶ月 | 0.08 |
2ヶ月 | 0.17 |
3ヶ月 | 0.25 |
4ヶ月 | 0.33 |
5ヶ月 | 0.42 |
6ヶ月 | 0.50 |
7ヶ月 | 0.58 |
8ヶ月 | 0.67 |
9ヶ月 | 0.75 |
10ヶ月 | 0.83 |
11ヶ月 | 0.92 |
12ヶ月 | 1.00 |
経過期間については、1ヶ月未満は1ヶ月として計算します。
例を挙げて計算してみましょう。4月1日からの1年間契約で、10月15日に解約、年間の保険料は3万円だとします。
経過期間は4月~10月までの7ヶ月間(1ヶ月未満は1ヶ月とするため)であり、上の表に照らし合わせれば、経過期間係数は0.58です。
つまり、このときの解約返戻金は次の計算の通り、1万2,600円です。
解約返戻金=3万円×(1-0.58) =1万2,600円 |
長期一括で払っている場合
保険料を長期一括で払っている場合の解約返戻金は、次の計算式で求めます。
解約返戻金=保険料×未経過期間係数 |
未経過期間係数も保険会社によって異なりますが、代表的な例は次の通りです。
経過期間 | 未経過期間係数 | ||||
2年契約 | 3年契約 | 5年契約 | 7年契約 | 10年契約 | |
1年経過 | 43% | 61% | 76% | 89% | 92% |
2年経過 | 0% | 29% | 57% | 69% | 78% |
3年経過 | - | 0% | 38% | 55% | 69% |
5年経過 | - | - | 0% | 27% | 49% |
7年経過 | - | - | - | 0% | 29% |
10年経過 | - | - | - | - | 0% |
例えば、10年契約で、保険料は30万円、5年目で解約したときの解約返戻金を計算してみましょう。
未経過期間係数は、上の表に照らし合わせれば49%なので、解約返戻金は次の計算式の通り14万7,000円です。
解約返戻金=保険料×未経過期間係数 =30万円×0.49 =14万7,000円 |
解約返戻金が戻ってくるタイミング
火災保険の解約返戻金が戻ってくるタイミングは、「保険会社が解約書類を受理してから7営業日前後」となることが通常です。「解約を申し入れてから」ではありませんので注意してください。
また、書類に不備があると保険会社に受理してもらえず、再度書類を書き直さなければなりません。手間も増えますし解約返戻金が振り込まれるタイミングも遅れますので、書類記入には抜け漏れなどがないように気を付けておきましょう。
解約前に火災保険を利用すべきか確認しよう
もしマンション売却の開始前ならば、火災保険が利用できないか確認してみましょう。
火災保険によっては、火災による被害だけでなく、次のように落雷や水漏れ、風災などにも対応しているケースがあるからです。
火災保険の補償範囲 | 内容 |
火災 | 火災の損害の補償 |
落雷 | 落雷の損害の補償 |
爆発など | 爆発・破裂などの損害の補償 |
風災・雹災・雪災 | 風・雹・雪の損害の補償 |
水漏れ・水災 | 漏水や台風などの損害の補償 |
盗難 | 盗難にともなう損傷・汚損の損害の補償 |
暴力行為 | 暴力等による破壊行為の損害の補償 |
物体の落下・飛来 | 飛来した物体による損害の補償 |
もし上記のような被害があるのなら、保険を利用して修繕しておきましょう。
保険を使って修繕をすれば、売却価格が高くなる可能性があります。さらに言えば、瑕疵(かし:隠れた不具合)を売り手が認識していたにも関わらず、買い手に伝えないまま売却してしまった場合には、補修の費用を負担することになる可能性や、契約を解除される可能性もあるからです。
売却価格を上げるためにも、自分の身を守るためにも、事前に火災保険を利用できないか確認しておくのがおすすめです。
火災保険と一緒に加入している地震保険の対応
火災保険のみでは地震が発生したときの損害に対応できないため、一緒に地震保険にも加入している人も多いでしょう。実は、地震保険は自分自身で解約する必要はありません。
マンションの地震保険は火災保険の特約として加入するのが通常です。地震保険は主契約である火災保険にオプションとして契約していますので、火災保険を解約すれば地震保険も自動的に解約されるのです。
ただし、近年では地震保険のみで契約できる保険も販売されており、加入しているケースもまれにあります。その場合にはご自身での解約が必要になりますので、手続きを行ってください。
なお、火災保険と同じように地震保険も解約返戻金があります。長期契約をしていた場合には、未経過分の保険料が払い戻されます。
まとめ
マンションの売却では多くの手続きをこなさなければならず、火災保険の解約まで気が回らないということにもなりかねません。
所有権が移転した時点で火災保険の効力はなくなりますので、解約をしないと効果のないものに保険料を払っていることになりますし、経過期間もいたずらに過ぎてしまい、解約返戻金が少なくなってしまいます。
火災保険の解約は、保険会社や代理店に連絡すれば比較的スムーズに行えます。火災保険が自動で解約されることはありませんので、売買契約の成立を目途に保険会社に解約の連絡を入れておきましょう。
マンションがいくらで
売れるか簡単にわかります。
- 提携社数1,500社以上
- 最大6社に同時依頼
- 全国対応
複数社が無料一括査定。一番条件の良い会社が見つかります。