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任意売却とは、住宅ローンの残債がある不動産の売却を可能にし、通常の競売では実現できない価格で不動産を売り渡す売却方法のことを言いますが、3ヶ月~5ヶ月ほど住宅ローンの支払ができなかった時に、任意売却が利用できるようになるとされています。

大きなメリットとしては、

  • 住宅ローンが支払えないけど「家に住み続けられる」
  • 住宅ローンが支払えないけど「家を手放さなくて済む」

などがありますが、必ず上記のことができるとは限らないとうことは覚えておかなくてはいけません。

そこで今回は、任意売却について相談する際に、どの相談先を選べば良いのか、任意売却がどういった手順で進んでいくのかなどを解説していきますので、今後の参考にしていただければと思います。

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この記事に記載の情報は2023年10月03日時点のものです

任意売却の相談者によくある傾向

まず、任意売却について相談される方はどのような悩みをお持ちなのでしょうか。「全日本任意売却支援協会」という組織によれば、住宅ローンの返済が難しくなって、任意売却に踏みきったというケースが多いとされています。

中でも40代の方のご相談が多く、住宅ローンを10年以上返済してきた実績はあれど、予想外の収入減で返済が滞ってしまったケースが多いようです。

また、家族構成としては4人家族が38%、1人〜3人家族が34%と標準的な家庭が多く、子どもの習い事などをやっていて、収入が減っても環境は変えたくないという考えから、複数のカードローンで借入れをしてしまう場合もあるようです。

引用元:ご相談者様の統計グラフ | 一般社団法人全日本任意売却支援協会

ケース別で選ぶ任意売却の相談先5つ

早速、任意売却について相談できる相談先をいくつかご紹介していこうと思います。

任意売却119番

任意売却119番は、一般社団法人任意売却支援機構が運営する相談室のことで、パートナーとして協力している全国の弁護士・司法書士・不動産コンサルタントが相談に乗ってくれます。強みとしてあげているのは、住宅ローン・不動産担保ローンの返済に関する問題です。

引用元:任意売却119番

費用は成功報酬で、相談料や途中で何か費用が発生することは無いようです。

「初期費用は無料でも、後から高い成功報酬を要求されるのでは?」というご質問をよくいただきます。でも、ご安心ください。私たちの報酬(仲介手数料)は、債権者(お借入先の金融機関等)に了解を得て、任意売却で得られた代金の中から配分していただく仕組みになっています。よって、最初の電話相談から任意売却が成立して解決するまで、相談者さまから持ち出しで費用をご負担いただくことは一切ありません。

引用元:人売却119番|費用(自己負担)は0円です

全国任意売却専門相談室

大きな特徴として、親子間売買に注力している相談窓口です。住宅ローンの返済が滞った場合、こどもや親族間の関係性もギクシャクしがちです。こういった親子間や親族間の難しい住宅ローン対応に対するノウハウを持っているのが強みになっています。

引用元:全国任意売却専門相談室

任意売却エージェント.com

任意売却エージェント.comは関東地方(東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県・茨城県)を中心に、全国に対応できるよう東京都の上野に事務所があります。見える・寄り添う・新しくを第一に掲げてサイボウズLive(無料のSNS)を活用し、皆様の住宅ローン支払いの無料相談を実施しております。

引用元:任意売却エージェント.com

RER グループという、任意売却や不動産仲介業を行う企業が運営母体としており、税理士や弁護士、行政書士などの専門家と連携したサポート体制を整えています。

特定の不動産会社

任意売却を進める際、必ず不動産会社と媒介契約を結ぶことになりますので、最初から不動産会社に相談しておくのもありです。

参考:不動産売買の仲介ってどんなもの?仲介を依頼したい人のための全知識

その他の専門家

任意売却を検討している方は住宅ローンなどの返済に困っている場合が多いと思いますので、下記のような専門家に相談してみるのも良いでしょう。

弁護士 法的な観点で債務整理、自己破産などの方面から解決できる可能性もあります。
司法書士 抵当権抹消、所有権移転、不動産登記の手続きなど
不動産コンサルタント 家族構成、ライフスタイル、状況に応じて最適な売却方法を考えてくれる。

任意売却の相談をする際に知っておくべき相談先の選び方

いくつか任意売却の相談先をご紹介してきましたが、実際にどこに(誰に)相談するのがよいのでしょうか?

任意売却専門の業者を選ぶ

一般的な不動産会社や弁護士・司法書士などにも相談することはできますが、一番良いのは任意売却を専門に扱っている業者を選ぶことです。一般的な不動産業者の場合、住宅ローンが高額で売ったとしても残債が残るケースでは、この残債の扱いをどうするかまでは専門的なアドバイスをもらえない可能性があります。

宅地建物取引士に対応してもらえる業者

宅地建物取引士は不動産取引の中でもっとも秀でたプロではありますが、実際に担当するのは一般的な営業マンであることがほとんどですので、こういったプロが在籍していて、対応してくれる業者を選びたいものです。

不動産コンサルタントに相談するのもあり

不動産コンサルタントは、売却はもちろん今後起こりうる相続関係についても相談することができる専門家のことを言います。宅地建物取引士のことを不動産コンサルタントと呼ぶケースもあります。

一応認定試験があり、宅地建物取引士資格登録者、不動産鑑定士登録者、一級建築士登録者が対象としており、難関試験を突破したスペシャリスト達と覚えておくと良いかもしれません。

参考:不動産流通推進センター

任意売却でよくある相談内容

給与カットで住宅ローンの返済が困難

勤めている会社の業績が悪化し、給与がカット、ボーナスも出なくなってしまった。月々の住宅ローンの返済もギリギリになってしまったため、ボーナス払いの時は貯金を切り崩して返済している。今のままだと給料が上がる気配もないし、このまま貯金を取り崩して返済していくのは現実的じゃない。さらに来年は子供の大学入学も控えている。このままでは遅かれ早かれ自宅を売却するしかない。

引用元:任意売却支援協会

大きな病気にかかってしまい入院している、会社は休職扱いにしてくれているが無給の状態だ。それでも変わらず住宅ローンの引き落としはされている。復帰すれば給料が入るがいつ戻れるか、同じ給料をもらえるかは分からない。高額な医療費も重なり貯金が底を突きそう。せめて住宅ローンの返済さえなければ、何とかやっていけると思うのだが…。

引用元:任意売却支援協会

倒産・リストラで住宅ローンが支払えない

20年間勤めていた会社が急に倒産してしまった。最後の給与は支払われず、もちろん退職金も出なかった。やっとの思いで見つけた仕事は給料が以前の半分。とてもじゃないけど住宅ローンを最後まで払えない。

引用元:任意売却支援協会

勤めてきた会社の業績が悪化。50代の中間管理職だった私は真っ先にリストラ対象に…。転職活動をしてみたが50代の自分に条件の良い求人は見当たらない。失業保険で今は何とかなっているが、それが切れたら生活できない。住宅ローンの支払いも滞ってしまうだろう。どうしたら良いか分からない。

引用元:任意売却支援協会

離婚したので売却を検討|住宅ローンの残債が残ることが発覚した

元夫から慰謝料と養育費として住宅ローンの返済を続けてもらう約束をしてもらい離婚。その後3年間は滞納もなく払ってくれていたが、転職をして収入が減り、新しい彼女が出来たこともあり、今後は支払わないと宣言されてしまった。自分で買い取ることも検討したがパートで給料も安いため買取れない。

引用元:任意売却支援協会

以前から離婚を考えているが住宅ローンの連帯保証人となっているため迷っている。自宅を任意売却しても住宅ローンが500万円以上残ってしまうため、任意売却後に旦那に自己破産されると困ってしまう。

引用元:任意売却支援協会

一般的な相談の流れ

任意売却の専門家に相談
不動産会社を選ぶ
不動産会社と媒介契約を結ぶ
債権者から売却の許可を得る
不動産売却の開始
購入者と売買契約を結ぶ
引き渡し
引っ越し

任意売却に詳しい業者に相談する

任意売却は債権者との交渉や専門的な知識が必要になります。任意売却の実績を持つ不動産会社に頼むといいでしょう。

不動産会社と媒介契約を結ぶ

任意売却では専属専任媒介契約もしくは専任媒介契約で媒介契約します。媒介契約について詳しくは「不動産売買の仲介ってどんなもの?仲介を依頼したい人のための全知識」をごらんください。

債権者から任意売却の許可を得る

もし債権者が認めない場合は任意売却ができませんが、そこまで心配しなくても良いと思います。依頼した不動産会社などの業者が売り出し価格を債権者に交渉し、許可が出れば売却開始です。

不動産の売却活動開始

依頼した不動産会社などの業者が売り出し価格を債権者に交渉し、許可が出ればいよいよ売却開始です。

購入者と売買契約の締結

購入希望者を集い、売買のための条件を交渉します。購入者が決まれば買付証明を発行し、返済配当計画書を作成し債権者と交渉がはじまります。無事、債権者から返済配当が認められれば、売買契約を締結します。

引渡・引っ越し

決済は売買契約が締結されてから一ヶ月前後でおこないます。その際、抵当権抹消登記や所有権移転登記などをおこないますので、この辺の作業も面倒かと思いますので、任せられるのであれば業者に任せてしまうのが良いでしょう。

まとめ

任意売却に関する相談窓口や相談事例などは以上になります。住宅ローンの支払いができず、せっかく手にしたマイホームを手放すのかなかなか辛い選択かと思います。

ただ、任意売却は家を手放さなくても良い方法を考える手段でもありますので、「任意売却後の残債(住宅ローン)を無理せず返す為に知っておくべき知識」も参考にしながら、最適な手段を模索していただければと思います。

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