「1LDKはなかなか売れないって本当なの?」「1LDKマンションを購入してくれる人は少ないの?」と、心配している人も多いのではないでしょうか。

1LDKはほかの間取りに比べて売りにくい要素があるものの、どのような人が購入するのか理解して販売計画を立てれば早期売却も可能です。

本記事では、1LDKがなかなか売れない理由、購入する人の特徴について解説します。記事の後半では1LDKを高く売るコツも紹介しますので、購入後に再販売できるか心配な人はぜひ参考にしてください。

1LDKのマンションがなかなか売れない2つの理由

1LDKのマンションがなかなか売れないのは、次の2つが主な理由です。

  1. ターゲット層の数が少ない

  2. お金に余裕がある人をターゲットにしにくい

ここからは、なぜ1LDKがなかなか売れないのか解説します。

1.ターゲット層の数が少ない

1LDKは購入のターゲットとなる層が少なく、なかなか売却できません。

単身者はワンルームや1Kのような安いマンションを好み、ファミリーは2LDK以上の広い間取りを重視します。1LDKは単身者にもファミリーにも向いている間取りとはいえず、ターゲット層となる人が少ない傾向にあります。

不動産は需要が高いものほど早く高く売れる傾向にあり、1LDKは需要の低さから売却に苦戦するケースが多い間取りです。

2.お金に余裕がある人をターゲットにしにくい

1LDKは、お金に余裕がある人をターゲットにしにくい間取りです。

お金のある投資家はワンルームや1Kなど賃貸需要の高い間取りを購入する傾向があり、自宅を購入する人は専有面積の広い間取りを選択するケースが増えます。

資金的に余裕がある人の需要が低いと取引価格が低下してしまい、売れたとしてもいい値段がつきにくくなります。

1LDKのマンションは誰が買うのか

1LDKのマンションの主な購入者は、次のような人です。

  • 30代の単身者

  • 新婚の夫婦2人暮らし

  • 高齢の夫婦2人暮らし

  • 投資家

どのような人が1LDKを購入するのか理解し、適切な販売計画を立てましょう。

30代の単身者

30代の単身者は20代や家族がいる人よりも経済的な余裕があることが多く、ワンルームや1Kよりも広い1LDKを選択するケースがあります。

総務省の統計によると単身者世帯の数は増加傾向にあり、2020年には約800万世帯、2030年には約850万円世帯になると予測されています。このまま単身者世帯が増え晩婚化も進めば、30代の単身者が1LDKのメインターゲットとなる可能性が高いといえるでしょう。

新婚の夫婦2人暮らし

新婚でまだ子どものいない夫婦2人暮らしの人なら、1LDKの購入ターゲット層になりえます。

夫婦2人暮らしだと1DK以下では狭いですし、3LDK以上だと広すぎます。また、資金的な面でも3LDK以上の間取りよりも、1LDKなら比較的価格を抑えて購入できるはずです。

厚生労働省の資料によると子どものいない世帯数は増加傾向にあり、2001年には約1万世帯だったものの、2020年には約1万3,000世帯まで増えています。子どものいない世帯数は右肩上がりとなっており、今後も増加すると考えられています。

このようなデータから、新婚の夫婦2人暮らし世帯の人も1LDKのターゲット層と考えていいでしょう。

高齢の夫婦2人暮らし

高齢の夫婦2人暮らし世帯の場合、都心部のような便利な立地にある1LDKのターゲットになります。

不便な立地だと日用品を購入できる施設が遠い、大きな病院が近くにないなどの問題が発生するため、高齢者を中心に都心回帰の動きが強まっています。1LDKは夫婦2人にちょうどいい広さであり、便利な立地にあるマンションなら高齢の夫婦2人暮らし世帯もターゲットになるといえるでしょう。

投資家

投資家は利回りを考慮して物件を購入するため、利益が得られやすいなら1LDKも購入の対象となります。

利回りとは、投資金額を何年で回収できるか表したもので、次のように計算します。

利回り = 年間の賃料 ÷ 物件の購入代金 × 100

計算式をみればわかるように、賃料が高くなるほど利回りが上昇します。都心部のような賃貸需要が高い地域であれば、高い賃料が見込めるため1LDKも投資の対象となる確率が高くなります。

1LDKのマンションを購入するメリット

1LDKのマンションを購入するメリットは、次のとおりです。

  • 退去した後に貸しやすい

  • 利便性の高い立地に存在する場合が多い

  • 老後に利用するのに合っている

1LDKを買おうか迷っている人はメリットを理解し、購入するか判断しましょう。

退去した後に貸しやすい

1LDKは、自分が退去した後に貸せます。

1LDKを購入した後、売却できるか心配に思う人もいますが、不動産は退去後に必ず売る必要はなく、貸すという選択肢もあります。賃貸収入を得られれば、余裕ある生活も夢ではありません。

ただし、賃貸経営するには、賃貸管理や会計、税金など多くの知識が必要な点には注意しましょう。賃貸需要が高く、常に満室になるマンションならいいのですが、空室の期間が長くなる立地にある場合はかなりのノウハウが必要となります。

利便性の高い立地に存在する場合が多い

1LDKは単身者をターゲットとして建築されているケースが多く、利便性の高い立地に存在します。

利便性の高い立地に存在していると、売買の需要が高くなって資産価値が下落しにくくなります。とくに鉄道駅から徒歩圏内のマンションは人気があり、資産として購入する人もいるくらいです。

また、利便性の高さは賃貸の需要にも影響し、貸しやすくなる、投資家に売りやすくなるというメリットも得られます。1LDKの特徴を活かすためにも、とくに立地には気を付けて購入する物件を検討するといいでしょう。

老後に利用するのに合っている

利便性の高い立地は、老後に居住する地域としてピッタリです。

老後は遠出しにくくなるため、住まいから徒歩圏内にある範囲で生活できる立地があっています。1LDKは市街地に立地しているケースが多く、徒歩圏内の多くの施設が集積しています。

老後のために1LDKを購入するのであれば、徒歩圏内に次の施設があるか確認しましょう。

  • スーパーマーケット

  • ドラッグストア

  • 病院・クリニック

  • 駅・バス停

  • 市区町村の役場

すべての設備が整っている立地は少ないため、自分にとって必要な施設が多くあるかどうかで判断することが大切です。

1LDKのマンションを購入するデメリット

1LDKのマンションには、次のようなデメリットがあります。

  • 貸すなら住宅ローンの完済が必要になる

  • 繁華街にあると騒音や治安の悪さが気になる

  • ライフスタイルの変化に弱い

どのようなデメリットがあるのか確認し、1LDKが自分にあっているか判断しましょう。

貸すなら住宅ローンの完済が必要になる

1LDKは貸しやすい間取りであるものの、貸すには住宅ローンの完済が必要です。

住宅ローンは自宅を購入するための融資であり、残高が残っているときに貸すと契約違反となります。金融機関によっては、住宅ローン残高があるときに貸すと、一括返済を求めてくるケースがあるため注意しましょう。

住宅ローン残高があるときに転勤の辞令が出たなど、どうしても貸したい場合は金融機関に事前相談しておくことが大切です。金融機関によっては残高があっても、賃貸を許可してくれるケースもあります。

繁華街にあると騒音や治安の悪さが気になる

1LDKは利便性の高い立地にあり、マンションによっては騒音や治安の悪さが気になるケースもあります。

繁華街は多くの人が夜遅くまで行きかい、騒音や犯罪が発生しやすくなります。反面、非常に便利な立地にあるため、マイナス面とプラス面のどちらが強くなるかは物件次第です。

資産価値が不安定になるともいえるため、繁華街に立地している1LDKは資産保有を目的とした購入に適していないかもしれません。

ライフスタイルの変化に弱い

1LDKはライフスタイルの変化に弱く、入居者の人数によっては使いにくくなってしまいます。

新婚夫婦に子どもが生まれると居住人数が3人となり、子どもが成長するほど手狭になるなどです。ライフスタイルの変化が起きるときには、お金がかかるケースも多く住み替えが難しくなります。

1LDKの購入を検討する際には、ライフスタイルの変化を予測しつつ判断する必要があります。

1LDKマンションの資産価値を下げず高く売るためのコツ

1LDKマンションの資産価値を下げず、高く売るためのコツは次のとおりです。

  • ターゲット層を絞る

  • ハウスクリーニングする

  • マンションに強い不動産会社に依頼する

高く売るためのコツを実践し、満足いく売却を実現しましょう。

ターゲット層を絞る

1LDKを高く売るには、ターゲット層を絞った販売計画が必要です。

たとえば、投資家をターゲットにするのか、新婚の夫婦をターゲットにするのかによって売却を依頼すべき不動産会社が変わります。不動産会社には得意分野があり、投資物件に強い会社や居住者用不動産に強い会社が存在するからです。

ターゲット層を明確にすれば、どの不動産会社に売却を依頼すればいいのか判断しやすくなります。1lDKの特徴にあった不動産会社を選択すれば、マンションを高く売ってくれる確率が高くなります。

ハウスクリーニングする

マンションの室内が汚れている場合は、ハウスクリーニングしてから販売すると高く売れるケースがあります。

買い手は室内のキレイさも購入判断の基準にするため、掃除が行き届いているほど高く売れる確率が上がります。しかし、自身で清掃をおこなったとしても、すべての汚れを取るのは困難です。なかなか汚れが取れない油汚れやカビなどは清掃の専門家に任せたほうがいいでしょう。

ハウスクリーニングするには費用がかかるため、複数の清掃業者から見積もりを取得して費用を抑えたうえで実施するのがコツです。

マンションに強い不動産会社に依頼する

1LDKを売却する際には、必ずマンションに強い不動産会社に依頼しましょう。

1LDKは決して売りやすい間取りとはいえず、マンションに弱い不動産会社に売却の依頼をしてしまうとなかなか売れません。

マンションに強いかどうかは、査定時に販売計画や今までの実績を担当者に聞くといいでしょう。とくに明確に販売計画まで話してくれる担当者であれば、信頼して売却を任せられます。

1LDKのマンションが売れないときの対処法

1LDKのマンションが売れないときには、次の対処法を実践しましょう。

  • 空き家にしてから売却する

  • 販売価格を相場にあわせる

  • 不動産買取を検討する

対処法を理解して販売活動に入れば、スムーズに売却できるでしょう。

空き家にしてから売却する

1LDKは家具があると狭くみえがちであるため、空き家にしてから売却するといいでしょう。

圧迫感のある状態だと、買い手は物件に対していい印象を抱いてくれません。もし空き家にするのが難しいのであれば、日用品を整理整頓して室内が広くみえるよう工夫しましょう。

売却するにあたり、断捨離に挑戦するのもいいかもしれません。

販売価格を相場にあわせる

マンションを早く売るには、販売価格を相場にあわせましょう。

買い手は少しでも購入費用を抑えようと考え、相場を調べてから物件を探し出します。そのため、相場からかけ離れた販売金額を設定すると、買い手から敬遠されてしまいなかなか売れません。

相場からかけ離れた販売価格にしないよう、複数の不動産会社から査定を受けましょう。査定を多く受ければ、正確な相場がわかります。

不動産買取を検討する

さまざまな対策を講じても売れない場合、不動産買取を検討してみましょう。

不動産買取を利用すれば買取業者が購入してくれるため、買い手を探す必要はありません。買取価格は相場の7割〜8割程度になるものの、いつ売れるのかわからないと心配せずに済みます。

なお、買取価格は買取業者によって異なり、高い金額の会社もあれば低いところもあります。格安な価格で売却しないよう、複数の買取業者から買取金額の見積もりを取得するのがコツです。

まとめ

1LDKはほかの間取りに比べ、ターゲット層の数が少なく売りにくいといわれています。

しかし、30代の単身者や新婚の2人暮らし世帯のように、ターゲットとする層もあり、しっかりと販売計画を立てることが大切です。販売計画で決めるのは、主にターゲット層の選定です。

販売活動するのは不動産会社であるため、ターゲット層を得意としたところに売却を依頼します。投資家をターゲットにするなら、投資物件に強い不動産会社を選択します。

所有している1LDKの特徴にあった不動産会社を選択すれば、早く高く売れる可能性が高まるはずです。