「太陽光パネル付きの家って高く売れるの?」

「高く売る方法が知りたい!」

太陽光パネル付きの家は一般的な家の売却と異なる要素が多いため、売却に手間や時間がかかるケースも少なくありません。また、名義変更などの手続きが遅れてしまい、買主とトラブルに発展する恐れもあります。

そこでこの記事では、太陽光パネル付きの家を売る魅力や売却時の手続きなどを詳しく解説します。この記事を読めば、太陽光パネル付きの家を実際に売る方法や各手続きなどがすべてわかります。

太陽光パネル付きの家の売却でお困りの方はぜひ最後までご覧ください。

太陽光パネル付きの家は査定額が上がる可能性が高い

太陽光パネル付きの家は査定額が上がる可能性が高いです。ここでは、査定額が上がる理由について詳しく解説します。

  • 環境保全に向いているから

  • 長期的に電力コストを削減できるから

  • 設置してから10年未満であれば特に査定額が上がりやすい

環境保全に向いているから

太陽光パネル付きの家は、太陽光を電気エネルギーに変換して室内の電力として利用できるシステムです。発電時にco2などの有害物質を排出しないため、環境に優しい点が魅力です。

また、東京都では2025年4月以降に建てられた2,000㎡未満の住宅に対して太陽光パネルの設置が義務付けられました。義務の背景としては、2030年までに都内の温室効果ガスを軽減するための施策として実施されるからです。

都はエネルギー大消費地の責務として、2030年までに都内の温室効果ガスを50%削減する「カーボンハーフ」の実現に向け、再生可能エネルギーの利用拡大を推進しています。

こうした背景のもと、新築住宅等への太陽光発電設備の設置、断熱・省エネ性能の確保等を義務付ける制度を創設しました。

引用元:東京都「2025年4月から太陽光発電設置義務化に関する新たな制度が始まります」

このように、国全体で太陽光パネルの設置を促していることからも、太陽光パネルがすでに設置されている家は査定額によい影響を与えるといえます。

長期的に電力コストを削減できるから

太陽光パネル付きの家は、太陽光をエネルギーとして自家発電できるため、長期的にみると電力コストを削減できます。また、貯めた電力を電力会社へ売電もできるので、一般的な家に住むよりも電気代を大きく節約できます。

買主にとっても長期的に住む家の電気代が安くなるのは魅力的のため、不動産会社の査定額が高くなりやすいといえます。

設置してから10年未満であれば特に査定額が上がりやすい

太陽光パネルを設置してから10年未満であれば、メーカー保証を受けられるので査定額によい影響をあたえます。

太陽光パネルを設置してから10年間は、パネルが故障したり損傷したりした際にメーカーからの保証を受けられるので無償で修繕してくれます。

買主にとってもメーカー保証付きの家はメリットがあり、買い手が付きやすくなるので査定額にもよい影響を与えるでしょう。

太陽光パネル付きの家を売却する方法3選

太陽光パネル付きの家を売却する方法3選をご紹介します。売却方法でお悩みの方は以下の方法で売却してみましょう。

  • パネルを付けたまま売る

  • パネルを取り外して売る

  • パネルを新居に移設する

パネルを付けたまま売る

最も一般的な方法は、太陽光パネルを付けたまま売る方法です。

前述のとおり、設置してから10年未満であればメーカー保証を受けられるので、そのままの状態でも十分に売却できるでしょう。

また、設置してから10年間は「固定価格買取制度」という制度も受けられ、発電した電力を電力会社へ売電することも可能です。電力ごとの買取価格に関しては、経済産業省「資産エネルギー庁」をご覧ください。

パネルを取り外して売る

パネルを取り外して売ることも可能です。

特に設置してから10年を超えていたりパネルが劣化していたりする場合、買い手が付きにくくなるので取り外した方がよいです。

ただし、取り外し費用や処分代がかかるため、売却にあたって支出が増えてしまいます。それでも太陽光パネル付きの家に魅力を感じる買主もいるため、取り外すかどうかは不動産会社の担当者とよく話し合ってから決めるのがよいでしょう。

パネルを新居に移設してから売る

住み替える場合、太陽光パネルを新居へ移設してから売却しましょう。太陽光パネルに魅力を感じて今後も使っていきたい場合に有効な手段です。

ただし、パネルの取り外し費用以外にも以下の費用がかかります。

  • 屋根の修繕費

  • パネルの運搬費

  • 新居への取り付け費

このようにパネルを移設するだけでさまざまな費用がかかるので、新居の購入費と合わせると高額になる恐れがあります。

また、新居へ移設したとしても、これまでどおりの発電効率が保たれるかどうかはわかりません。立地状況によって太陽光の得られ方などが異なる場合があるので、併せて確認しておく必要があります。

このように、パネルの移設は費用がかかったり電力効率が低下したりする可能性があるため、不動産会社と十分に話し合ってから判断しましょう。

太陽光パネル付きの家を売る際の各手続き

太陽光パネル付きの家を売る際の各手続きを解説します。一般的な家を売るときとは異なる手続きが必要なので確認しておきましょう。

  • 経済産業省に名義変更の手続きをする

  • 電力会社の契約者を変更する

  • 補助金を受けている場合は「財産処分承認申請」をする

経済産業省に名義変更の手続きをする

太陽光パネルを付けた状態で売る場合は、経済産業省にパネルの名義変更を申請します。

太陽光パネルが家に設置されていても名義は単体として登録されているので、家と分けて名義変更する必要があります。名義登録は買主がおこなうものの、名義変更のためには売主の印鑑証明書が必要なため、事前に準備しておきましょう。

電力会社の契約者を変更する

太陽光パネルで蓄積した電力を電力会社へ売電している場合は電力会社の契約者を変更します。契約者を変更しないと、買主が売電した際の収入が売主の銀行口座へ振り込まれてしまうからです。

契約者変更のタイミングは買主と話し合って決める必要があり、口座変更手続きにも時間がかかるケースがあるので余裕を持って進めることが大切です。

補助金を受けている場合は「財産処分承認申請」をする

住宅用太陽光発電導入支援対策費補助金」を使って太陽光パネルを設置して、17年間経過していない状態で売却する際は「財産処分承認申請」をしなければなりません。

太陽光パネルの耐用年数は17年であり、17年間は所有者が保守・管理する義務があるからです。この承認をすることで補助金の一部返還を求められるケースがありますが、逆に承認しないと補助金の全額返還を求められる可能性があります。

申請しないと大きな支出となるので、忘れずに手続きしましょう。

太陽光パネル付きの家を高く売却するコツ

太陽光パネル付きの家を高く売却するコツをご紹介します。少しでも高く売りたい方は参考にしてみてください。

  • 蓄電池が導入済みである

  • 太陽光パネルによる年間収支を把握しておく

  • 不動産会社へ相談する

  • 複数の不動産会社へ相談して対応や売却価格を比較する

蓄電池が導入済みである

蓄電池が導入されていると、蓄積した電力を夜間に利用したり非常時に利用したりできます。

特に日本は震災が多いため、非常時に活用できる蓄電池は非常に魅力的なポイントであり、一般的な太陽光パネルよりも蓄電池が導入されている方が高く売却できるといえます。

太陽光パネルによる年間収支を把握しておく

太陽光パネルによる年間収支を把握しておくことで、買主に「どれだけお得になっているのか」をアピールできます。

太陽光パネルを設置した際は以下のような収支があります。

収入

支出

売電収入

修繕費・メンテナンス費

年間の発電量

保険料・固定資産税

このなかで収入が上回っていれば買主へアピールできるので、高額売却にも期待できます。また、各収支の具体的な金額を説明できれば、「どこでどれくらい儲けて支払いが発生しているのか」を明確にできるので、より買主にアピールできるでしょう。

不動産会社へ相談する

不動産会社へ相談するのも一つの方法です。

不動産会社の担当者は不動産売却のプロであり、さまざまな不動産を売却してきた実績があります。そのため、高値で売却する方法や売り出す時期などを知っている場合があり、より高値で売却するためのアドバイスをもらえる場合があります。

特に、運営歴の長い会社や売却実績豊富な会社であれば、より効果的なアドバイスをもらえる可能性があるので、不動産会社選びは慎重におこないましょう。

複数の不動産会社へ相談して対応や売却価格を比較する

複数の不動産会社へ相談して、対応の質や担当者の質、売却価格を比較しましょう。

前述のとおり、不動産会社によって実績が異なるので不動産会社選びは慎重におこなう必要があります。また、担当者の質も人によって異なるため、実際に話してみて「話し方」「言葉遣い」「知識の豊富さ」などを見極めることが大切です。

売却依頼するのは不動産会社ですが、実際に売却に向けて動いてくれるのは担当者です。担当者の質が低ければ高額売却の可能性も低くなるので、不動産会社へ売却依頼する際は担当者の質をチェックしておきましょう。

太陽光パネル付きの家の売却に関連するよくある質問

太陽光パネル付きの家の売却に関連するよくある質問をご紹介します。売却で抱きやすい疑問や不安を参考にしてみましょう。

  • どこの不動産会社へ売却依頼すればいい?

  • 名義変更しないとどうなるの?

  • 名義変更は自分でもできる?

どこの不動産会社へ売却依頼すればいい?

売却実績が豊富な不動産会社へ依頼しましょう。

不動産会社によって実際の売却実績が異なり、売却のためのノウハウが多かったり買い手探しが早かったりします。

特に大手不動産会社は幅広い不動産に対応しているので、太陽光パネル付きの家でも柔軟に対応してくれます。依頼する際は3~5社へ相談して、実績や担当者の対応などを比較するのがよいでしょう。

名義変更しないとどうなるの?

売却時に太陽光パネルの名義を変更しないと、買主による売電収入が売主の口座に振り込まれてしまいます。

本来買主が受け取るはずの収入が売主へ振り込まれてしまうので、買主とトラブルになる可能性があります。

特に、太陽光パネル付きの家を初めて購入する買主の場合、売電システムや名義変更が必要なことを理解していない場合もあるので、買主とよく話し合ってトラブルを未然に防ぎましょう。

名義変更は自分でもできる?

名義変更は自分でもできます。

ただし、必要書類を準備したり手続きをしたりするので、時間や手間がかかります。そのため、行政書士などの代行業者へ依頼するのが一般的であり、費用は追加でかかるものの手間や時間を省けるのでおすすめです。「自分で手続きするのが面倒くさい」と感じる方は、行政書士へ依頼してみましょう。

まとめ

太陽光パネル付きの家の売却について解説しました。

太陽光パネル付きの家は、一般的な家と比べて環境保全に向いていたり電力コストを削減できたりするので査定額によい影響を与えます。そのため、一般的な家よりも高い価格で売却できる可能性が高いといえます。

売却する際は、そのままの状態でも取り外してもよいため、状況や目的に応じて売却方法を決めましょう。ただし、売却時は太陽光パネルの名義変更が必要であり、名義変更しないと買主とトラブルになる恐れがあります。

このように、太陽光パネル付きの家を売ることはメリットとデメリットの両方があるので、しっかりと特性を理解することが大切です。太陽光パネル付きの家を売るかどうか悩んでいる方は、ぜひ記事を参考に進めてみましょう。