「土地の売却までにどれくらい期間がかかるのだろう」「売れない原因や早く売るためのコツを知りたい」と悩んでいませんか。

土地を売却するには、最低でも3カ月から6カ月程度の猶予が必要です。

しかし立地や時期によってはより時間がかかる可能性があるため、土地の売却を考えている方は売却までのスケジュール感を押さえたうえで活動しなければなりません。

そこで本記事では、土地の売却にかかる期間を独自にアンケートしました。

実際の集計結果をもとに売却までのスケジュール感を解説し、売れない原因や早く売却するためのコツも紹介します。

記事を参考に、必要な時期にお金を用意できるよう手続きを進めてください。

【独自調査】土地売却にかかる平均期間は3カ月から6カ月

土地売却にかかった期間

割合

3カ月未満

2%

3カ月から6カ月

36%

6カ月から9カ月

22%

9カ月から1年

26%

1年以上

14%

参照元:いえぽーとがランサーズで独自収集

いえぽーとが独自に収集したアンケート結果によると、土地売却にかかる平均期間は3カ月から6カ月でした。

土地を早く売りたいと考えている方も、最低3カ月はスケジュールに余裕を持たせなければなりません。

また売り出してから1年の間に86%の方が売却できていることから、1年間の猶予があれば比較的スムーズに取引できるでしょう。

土地の立地にもよるため、あくまでも参考程度に確認してみてください。

土地売却にかかる期間を段階別に解説

土地売却を検討していて、「どの手続きにどれくらいの時間がかかるのか知りたい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

実際にかかる期間の目安を知った状態で売却活動をはじめると、資金計画などのスケジュールを立てやすくなります。

以下で紹介するスケジュール感を参考に、今後の見通しを立ててみてください。

1.書類の準備や権利確認(約2週間)

はじめに、2週間ほどかけて書類の準備や権利確認を行います。

不動産会社へ連絡する前に必要書類や権利を確認しておくと、査定に出すときの手続きをスムーズに行えるでしょう。

具体的には、下記の書類を準備してください。

書類

概要・取得方法

土地・建物の登記事項証明書

土地の権利がわかる書類。法務局でオンライン申請できる

固定資産税納税通知書

固定資産税を納付したことの履歴がわかる通知書。毎年4月から5月に届く

売買契約書

土地や建物の地番や種類、売買代金などがわかる資料。不動産を購入した際に渡される

物件購入時の重要事項説明書

物件の状態や権利状況をまとめた資料。購入時に渡される

測量図

土地の測量結果などがわかる資料。手元にない場合は法務局で請求できる

境界確認書

隣地との境界を確定させた資料のこと。測量会社に依頼して取得するのが一般的

物件の図面証明書

不動産の形状や敷地との位置関係などを示した資料のこと。法務局で取得できる

建築確認済証・検査済証

不動産の設計や建築が正しく行われているか確認する資料のこと。不動産の引き渡し時に施工会社からもらえる

建物の請負契約書

注文住宅・リフォームの場合に施工会社と結ぶ契約書。工事や建築の詳細が書かれている

2.不動産会社への一括査定(約1週間)

次に不動産会社へ一括査定を依頼します。

対応のいい不動産会社を見つけるため、また査定額の高い業者と取引するために、不動産一括査定サイトなどを活用して複数社に依頼しましょう。

査定は大きく2種類に分かれているので、それぞれの違いを理解してください。

査定の種類

概要

机上査定

現地調査をせず、住所・間取り・築年数などの物件情報から売却価格を査定する方法のこと

訪問査定

現地調査を行い、机上査定のデータを踏まえながら正確な価格を算出する方法のこと

一括査定サイトに土地の情報を記載すると、不動産会社が机上査定を行い、その結果が送付されます。

条件のいい会社数社とやりとりを行い、訪問査定を受けて正確な金額を算出してもらいましょう。

3.不動産会社と媒介契約を結ぶ(約1週間)

査定金額の高い会社を見つけたら、1週間ほどかけて不動産会社と媒介契約を結びます。

媒介契約は大きく3種類に分かれるので、それぞれの違いを理解しておきましょう。

 

一般媒介

専任媒介

専属専任媒介

依頼する会社数

複数社(1社も可能)

1社

1社

契約期間

3カ月以内

3カ月以内

3カ月以内

自分も買い手を探せるか

×

レインズへの登録

可能

契約締結日から7日以内

契約締結日から5日以内

参照元:レインズ|媒介契約制度

たとえば都心など人気エリアの土地を売却する場合は、一般媒介契約を結んで不動産会社同士を競争させるといいでしょう。

一方郊外の土地を売却するなら、ていねいに売却活動をしてもらいやすい専任媒介契約・専属専任媒介契約を検討してみてください。

4.土地の測量(約3カ月)

フェンスや塀など土地の境界線がない場合は、土地の測量が必要になるケースがあります。

測量とは土地の大きさや形を測り、隣人との境界線を明確にすることです。

まずは法務局に測量図を請求し、過去に測量を行った履歴があるか確認してください。

もし測量を行った履歴がない場合は、土地家屋調査士や測量士に測量を依頼しなければなりません。

不動産会社に専門家のコネクションはないか確認し、土地家屋調査士や測量士へ土地の測量を依頼してください。

5.売却活動(約1〜3カ月)

売却するための準備が整ったら、売却活動をはじめましょう。

一般的に1カ月から3カ月程度かかるため、定期的に不動産会社と協議を重ねながら購入希望者を見つけてください。

なお、売却時期によっては3カ月を超える可能性があります。

たとえば引っ越しハイシーズンといわれる2月や3月から外れた時期だと、3カ月以上かかることも考えられるでしょう。

売り出す時期や土地の所在地によって売却までの期間は変わるため、あくまでも参考として確認してください。

6.売買契約(約1カ月)

購入希望者が見つかったら、売買価格や購入日などの条件を調整します。

基本的に不動産会社を介して交渉が行われて、約1カ月の時間がかかると理解しておきましょう。

購入条件がまとまったら、売買契約を締結します。

双方の資料が揃っていれば、売買契約自体は1日で完了します。

契約書や重要事項説明の読み合わせを行い、手付金を受領して売買契約は終了です。

7.決済・引き渡し(約1カ月)

売買契約を結んだあと1カ月ほどの時間をかけながら、決済や引き渡しの手続きをします。

購入希望者がローンを利用する場合は、このタイミングで審査を行うのが一般的です。

ローンの審査が完了したら、決済と引き渡しを同時に行います。

その後不動産会社への仲介手数料や司法書士への報酬を支払い、確定申告をして終了です。

所有している土地が売れない原因

所有している土地が売却できないときは、何かしらの原因が隠れています。

以下に該当する原因が当てはまっていないか、今の現状と照らし合わせてみてください。

売り出し価格が相場よりも高すぎる

所有している土地が売れないときは、売り出し価格が相場よりも高すぎる可能性があります。

購入検討者は競合の土地と比較しているため、売り出し価格が相場よりも高いと売りにくくなるでしょう。

土地の相場を確認する際は、下記の方法を試してみてください。

  • 不動産情報ライブラリを参照する

  • レインズマーケットインフォメーションを活用する

  • 不動産会社のポータルサイトを参照する

不動産会社と連携しながら、相場に見合った価格で売り出しましょう。

人口の少ない地域にある

所有している土地が売れない原因のひとつは、人口の少ない地域にある点です。

その地域に移住するケースが少ない場合、単純に購入希望者が現れにくくなります。

地方の土地を売却する際は、1年以上の長期戦になることを見越して、余裕のあるスケジュールで売却活動をはじめてください。

閑散期に売却活動を行っている

土地が売れない原因は、閑散期に売却活動を行っていることが考えられます。

引っ越しのハイシーズンは2月から3月だといわれているため、この時期から離れていると購入希望者の絶対数は減ってしまうでしょう。

購入希望者が少ないときに売り出している以上、売却活動の長期化は避けられません。

1年程度かかることを見越したうえで、スケジュールを立ててください。

境界が曖昧なまま売り出している

フェンスや塀など境界がわからない土地だと、売却期間が長引くことがあります。

境界がわからない土地は、購入後に隣人とトラブルになる可能性があるためです。

土地の境界がわからないまま売却活動をはじめている場合、土地家屋調査士や測量士に測量を依頼しましょう。

隣人の立ち合いのもとで行う「確定測量」を依頼し、購入者がトラブルにならないようにしてください。

立地が悪い

「最寄駅まで車がないと辿り着けない」「スーパーまでの距離が長い」など、立地の悪さも売れない原因となります。

購入希望者が生活するイメージを抱けず、競合に負けてしまうことも考えられるでしょう。

ひとくちに立地といっても、良し悪しを判断するにはさまざまな要素をチェックしなければなりません。

立地の良し悪しを測る要素を下記にまとめるので、参考にしてみてください。

  • 最寄駅からの距離

  • バスやカーシェアリングなど交通の利便性

  • スーパーやコンビニエンスストアまでの距離

  • 今後再開発が行われる予定の有無

  • 学校までの距離

  • 周辺の治安

  • 自然災害の被害状況

  • ハザードマップでの危険度

これらの要素を確認すると、立地の良し悪しを判断できます。

ひとつの要素だけをみて立地が悪いと判断しないように、複数の要素をチェックしてください。

土地を早く売るためのコツ

売却希望者には「直近でお金を使う予定があるから1日でも早く売却したい」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

そこで以下では、土地を早く売却するためのコツを3つ紹介します。

複数の不動産会社を比較する

土地を早く売却するために、複数の不動産会社を比較しましょう。

複数社の不動産会社を比較すると、対応の早さをチェックしながら取引する会社を選べます。

不動産会社に関するコネクションがない方は、不動産一括査定サイトの活用がおすすめです。

土地に関する情報を一度入力するだけで複数社に査定を依頼できるため、時間をかけずにいい不動産会社を見つけられます。

地域の相場を確認する

土地を早く売却したい方は、地域の相場を確認したうえで売り出し価格を決めましょう。

購入希望者は複数の土地を比較しながら検討するため、相場とかけ離れた価格を提示していると購入されません。

地域の相場を確認する際は、下記のいずれかを活用してみましょう。

  • 不動産情報ライブラリを参照する

  • レインズマーケットインフォメーションを活用する

  • 不動産会社のポータルサイトを参照する

たとえば不動産情報ライブラリを参照すると、その地域の地価を確認できます。

相場とかけ離れた売り出し価格で売却の機会を逃さないよう、地域の相場を確認したうえで値付けをしてください。

2月から3月の引っ越しハイシーズンで売却する

どうしても売りたいタイミングがそれまでしばらくの猶予がある、というケースでは、2月から3月の引っ越しハイシーズンを待って売却活動を行いましょう。

引っ越しや土地の購入を希望している方が最も多い時期なので、購入希望者が現れる可能性が高くなります。

すでに閑散期で売り出している方は、ハイシーズンまで売却できないことも考えられるでしょう。

近い将来土地の売却を考えている方は1月までに書類を用意し、ハイシーズンには売り出せるように手続きを進めてください。

土地売却の期間に関するよくある質問

土地売却の期間に関するよくある質問をまとめました。

以下を参考に、疑問点を解消したうえで手続きを進めてください。

土地を売却するのに何カ月くらいかかりますか?

土地を売却するまでにかかる期間は、3カ月から6カ月程度が平均的です。

いえぽーとが実施した独自調査によると、全体の約4割が3カ月から6カ月で売却していることがわかりました。

土地がある場所や売り出す時期によっても異なるため、あくまでも参考として認識してください。

土地が売れないとどうなる?

土地が売れないまま所有していると、固定資産税などの税金を支払いながら生活しなければなりません。

使っていなくてもコストがかかってしまうため、必要ない土地なら値下げをしてでも手放すべきでしょう。

土地を売るといつお金が入るのか?

土地を売却してお金が入るタイミングは、売買契約を結んで手付金を受け取るときと、決済が完了して残りのお金を受領したときです。

基本的には2回お金が入るタイミングがあるので、売却活動を行う前に理解しておきましょう。

まとめ

本記事では土地売却にかかる期間を独自に調査しました。

アンケートの結果、土地売却にかかる期間は3カ月から6カ月程度が多いことがわかりました。

売り出してから1年の間に86%の方が売却できていることを考えると、1年間の猶予があればスムーズに取引できるでしょう。

しかし、売却活動をはじめる時期や土地の立地などの条件によっては、長期戦になる可能性も考えられます。

これから土地を売り出す方は、12月から1月までに準備をはじめて、2月から3月には売却活動をスタートできるように手続きを進めてください。