「マンションの売り時がわからない」「売り時を間違えて損したくない」このように悩んでいないでしょうか。

マンションにはそれぞれ売り時があり、気付かずに所有し続けてると数百万円損する可能性があります。

適正なタイミングで売却するためにも、マンションの売り時を知っておかなければなりません。

そこで本記事では、2024年はマンションの売り時なのか、また売り時を考えるうえで大切なポイントを紹介します。

適切なタイミングでマンションを売却したい方は、記事を参考にしてみてください。

2024年はマンションの売り時!依然として値上がり中

引用元:レインズ|築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2023年)

2024年はマンションの売り時です。

レインズの情報によると、2023年における成約物件の1㎡あたり単価は71.9万円で、11年連続の上昇となっています。

1㎡あたりの単価と同様に、価格も11年連続で上昇しています。

2023年は4,375万円と、2013年の2,689万円と比較して約1.77倍の価格上昇です。

しかし日銀がマイナス金利政策を解除したことを受けて、固定金利が上昇してきています。

今後固定金利・変動金利ともに上昇する可能性があり、これまでよりも住宅ローンを組みにくくなるでしょう。

このような背景を考えると、2024年はマンションを売却するいいタイミングです。

査定に出していない方は、不動産一括査定サイトなどで査定に出してみてください。

参照元:レインズ|築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2023年)

マンションの売り時を考えるうえで重要なポイント

マンションの売り時を考える場合は、自分の感情だけでなく建物の築年数や相場の状況などを確認する必要があります。

以下で紹介するポイントを参考に、自分のマンションは売り時なのか確かめてみてください。

建物の築年数

マンションの売り時を考えるうえで、築年数は重要なポイントになります。

築年数が経過するほど、資産価値は低下する傾向にあるからです。

築年数が浅ければ、新築に近く修繕費もかかりにくいことから、買い手が現れる可能性があります。

一方築年数が経過した中古マンションだと、修繕費が必要になり購入価格以上のお金が必要になることも考えられるでしょう。

しかし、大規模修繕などのマンションの改修工事があれば、綺麗な外観からまた新たに買い手がつく可能性があります。

基本的に築年数は浅いうちに売り出し、老朽化したマンションなら大規模修繕のタイミングで売却できないか確かめてください。

金利など相場の状況

マンションを売却するうえで、金利などの相場状況を踏まえて売却を考えるのも重要なポイントです。

基本的にマンションを購入するときは住宅ローンを利用するため、金利動向はチェックしなければなりません。

2016年に日銀が金融緩和政策を実施したことで、低金利で住宅ローンを利用できるようになりました。

しかしNHKの報道によると、2024年のマイナス金利政策の解除によって、固定型の長期金利はすでに引き上げの動きが見られています。

変動型は大きな変動はが見られないものの、これまでより住宅ローンを組むことを躊躇する可能性があると理解しておきましょう。

参照元:NHK|【詳しく】日銀 マイナス金利政策を解除 異例の金融政策を転換

住宅ローンの支払い状況

マンションの売り時は、住宅ローンの支払い状況によっても変わります。

譲渡益でローンを完済しないと抵当権を抹消できないため、そもそも売却できません。

抵当権とは、ローンを返済できないときに金融機関がマンションを競売にかけられる権利のことです。

マンションの立地や現在の返済状況的に譲渡益で完済できないようなら、売却できない可能性があります。

金融機関のWebサイトや残高証明書を確認し、譲渡益で返済できる見込みがあるか確かめてみてください。

売却の時期

マンションを売却するうえで、売り出しの時期は重要な要素です。

引っ越しの需要が低いときに売りに出しても、買い手がつかずに値下げして販売することになるでしょう。

一般的に引っ越しの需要が高まるのは、2月から3月だといわれています。

8月や11月のような時期は閑散期になるので、引っ越しのハイシーズンを狙って売りに出してください。

開発など周辺の状況

マンションの売り時を考える際は、開発など周辺の状況確認も大切です。

周辺の再開発やマンションの大規模修繕があると「この地域に住みたい」「このマンションを買いたい」と思ってくれる可能性があります。

たとえば近く大規模商業施設が建設される場合は、利便性が高くなって住みたいと感じる人が増えるでしょう。

またマンションの大規模修繕で外観や内装が綺麗になったら「築年数の割に綺麗な家」「この見た目でこの値段なら割安」と思ってもらえるかもしれません。

ニュースやマンション内の情報で、再開発や大規模修繕の情報はないか確かめてみてください。

ライフイベントなど個人的な事情

子どもの独立・離婚・転勤など、ライフイベントを売り時のタイミングとするのもひとつの手です。

損得を考えずに売却できるため、スケジュールさえ確保していればスムーズに取引できます。

ライフイベントを軸に売却を考えたい方は、早めから計画を立てなければなりません。

自分が売りたいときに買い手が現れるとは限らないからです。

たとえば1年前から不動産会社を見つけておくと、計画的に売却できる可能性があります。

ライフステージを軸にマンションを売却したい方は、スケジュールに余裕を持って活動をはじめてください。

首都圏の中古マンション平均売却価格や所感を築年数別に紹介

築年数

平均価格

件数

㎡単価

〜築5年

7,616万円

775件

122.4万円

〜築10年

6,988万円

1,374件

105.6万円

〜築15年

6,487万円

1,120件

97.0万円

〜築20年

5,934万円

1,351件

83.8万円

〜築25年

5,119万円

1,154件

71.2万円

〜築30年

3,808万円

911件

57.9万円

築30年以上

2,408万円

2,999件

42.3万円

参照元:レインズ|首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2024年01~03月】

マンションの売り時を考えている方は、これまでの統計をもとに今売るべきか考える必要があります。

以下ではレインズの情報を参考に、首都圏の中古マンションの平均売却価格や所感を紹介します。

築年数別にまとめているので、自分が所有しているマンション年数の情報を確認してみてください。

築0〜5年は最も高値で取引できる時期

築0年から5年でのマンション売却は、最も高値で取引できる時期です。

レインズの情報によると、首都圏における築5年までの中古マンションは、平均7,616万円で売却できていました。

しかし新築から中古になると、2割程度価値が落ちるといわれています。

譲渡益で住宅ローンを完済できず、そもそも売却できないかもしれません。

売却を考えている方は不動産会社へ査定に出し、住宅ローンを完済できるか確かめてみましょう。

築6〜10年は成約件数が多い時期

築6年から10年は、最も中古マンションの成約件数が多い時期です。

実際にこの時期に取引されている件数は1,374件と、統計データの中で最も多い件数でした。

大きな損傷もなくていねいに取り扱っていた方は、新築よりも安く綺麗な家を購入できるとアピールできるでしょう。

レインズのデータによると、築6年から10年の時期は対新規登録成約率も高く、2021年は40%を超えていました。

築6年から10年程度のマンションを保有している方は、絶好の売り時と捉えてください。

参照元:レインズ|首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2024年01~03月】

築11〜25年は価格が急激に下がる前の最後のタイミング

築年数

平均価格

〜築5年

7,616万円

〜築10年

6,988万円

〜築15年

6,487万円

〜築20年

5,934万円

〜築25年

5,119万円

〜築30年

3,808万円

築30年以上

2,408万円

参照元:レインズ|首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 【2024年01~03月】

築11年から25年は、価格が急激に下がる前の最後のタイミングです。

築25年を過ぎるとマンションの価値が急激に下がってしまうため、売却を考えているならいち早く不動産会社と取引をはじめましょう。

たとえば築21年から25年と、築26年から30年の平均価格を比較すると、約1,300万円の差があります。

つまりタイミングを逃すと高級車1台分のお金を損する可能性があるので、売却を考えているなら早めに手続きを始めなければなりません。

またこの時期は、ローンの残高が譲渡益を上回りやすいタイミングでもあります。

今すぐに売却しない場合も、一度不動産会社に査定を依頼してみましょう。

参照元:レインズ|築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2023年)

築25年以降は買取を検討するタイミング

築25年を経過している場合は、買取も視野に入れて売却活動をはじめましょう。

築年数が古く、買い手がつかない可能性があります。

しかし大規模修繕があったり、周辺の土地の再開発があったりした場合は、築古のマンションでも売却できるケースも考えられるでしょう。

まずは売却前提で不動産会社に相談し「売却は難しい」といわれた場合は買取も検討してみてください。

マンションを売らないほうがいいパターン

マンションの売却を検討している方は、売らないほうがいいパターンを知っておくと損せずに済みます。

以下で紹介する事例を参考に、今が売り時なのか確かめてみてください。

相場価格が上昇傾向にあるとき

相場価格が上昇傾向にあるときは、マンションを売らないほうがいい可能性があります。

今後も上昇する見込みがあり、より高値で取引できる機会を逃してしまうかもしれないからです。

たとえばオリンピックなど大規模イベントの開催や周辺の再開発などが起こると、相場価格は上昇する傾向にあります。

自分の所有しているマンション周辺で大きな変化が起こる可能性はないか、地元の新聞やニュースをチェックしてみましょう。

ただし、今後相場が上がるかどうかの判断はかんたんではありません。

不動産会社と相談しながら、売却の時期を見極めてください。

大規模修繕を予定している

所有しているマンションで大規模修繕を予定している場合は、まだ売らないほうがいい可能性があります。

修繕完了後に外装や設備がよくなれば、より高値で売却できるかもしれないからです。

たとえば築25年で改修歴なしのマンションよりも、築27年で外装やセキュリティ周りの修繕をした物件のほうが買いたいと感じる方もいらっしゃるでしょう。

このように大規模修繕がマンションの価値を高める可能性があるので、マンションの改修が行われるか確認してみてください。

マンション売却時の注意点

マンション売却は大きな金額が動くため「損したくない」「失敗したらどうしよう」と不安になっている方もいるでしょう。

そこで以下では、マンション売却時の注意点をまとめていきます。

築年数が浅いうちに売却する

マンション売却を考えている方は、できる限り築年数が浅いうちに売却活動をはじめましょう。

築年数が経過してからの売却だと、成約率も価格も下がってしまうからです。

たとえば築21年から25年の中古マンションと築26年から30年の中古マンションでは、1,500万円以上平均価格が落ちています。

「マンションを売ろうかな」と考えているうちに時期を逃す可能性もあるので、築年数が浅いうちに不動産会社へ相談してください。

参照元:レインズ|築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2023年)

複数の不動産会社から査定を取る

マンション売却で損したくない方は、複数の不動産会社から査定を取りましょう。

それぞれのマンションにつける売却価格は不動産会社によって異なるため、高値で取引してくれる会社を逃す可能性があるからです。

たとえばA社は2,000万円で、B社は2,500万円の査定を出すというケースも考えられるでしょう。

「広告でよくみていたから」「地元の不動産屋だから」などの理由で決めてしまうと、譲渡益を減らしてしまう可能性があります。

不動産一括査定サイトなどを活用し、できるだけ負担をかけずに複数社から査定をもらってください。

金利上昇に注意する

マンション売却を考えている方は、金利上昇に注意しましょう。

金利が上昇するとローンを組みにくくなり、マンションの購入に対して消極的になるからです。

NHKによると、住宅ローンの固定金利は徐々に上昇していて、現在は1.8%程度となっています。

またauじぶん銀行が2024年7月から変動金利の最優遇金利を引き上げるなど、変動金利にも動きが見られはじめました。

このように売却のタイミングを伺っていると、ローン金利が上昇して買い手が見つからない可能性があります。

マンションの売却を考えている方は、早めに不動産会社へ相談してください。

参照元:NHK|どうなる住宅ローン「変動金利」 “金利のある時代”へ備えも

参照元:日本経済新聞|auじぶん銀社長、日銀利上げなら「住宅金利の維持不可能」

スケジュールに余裕を持つ

マンション売却を失敗したくない方は、スケジュールに余裕を持って活動しましょう。

「すぐにお金が必要だから」などの理由で売却を焦ってしまうと、不動産会社に買い叩かれる可能性があります。

一般的にマンションの売却にかかる期間は、3カ月から6カ月程度だといわれています。

少なくともお金が必要な半年前には売却活動をはじめて、買い叩かれないようにしてください。

マンションの売り時でよくある質問

マンションの売却でよくある質問をまとめました。

下記を参考に、マンションを所有している方が抱きがちな疑問点を解消してください。

マンションを売ったら税金はどうなる?

 

所得税

住民税

復興特別所得税

所有期間が5年以上

15%

5%

基準所得税額×2.1%

所有期間が5年未満

30%

9%

基準所得税額×2.1%

参照元:国税庁|土地や建物を売ったとき

マンションを売却して利益が出た場合は、譲渡所得税がかかります。

所有期間が5年以上なら、所得税が15%、住民税が5%、加えて復興特別所得税を支払います。

中古マンションが下がる時期はいつですか?

中古マンションの価格が大きく下がるときは、築25年を経過したタイミングです。

築20年から25年とそれ以降の中古マンションでは、1,500万円以上の価格差が生まれることも珍しくありません。

売却を考えている方は、早めに不動産会社へ相談してください。

まとめ

本記事では、マンションの売り時はいつなのか解説しました。

マンションの売り時は、築年数や住宅ローンの返済状況が大きく関係しています。

とくに築年数が浅いほど販売価格は高くなる傾向にあるため、売却を考えている方は早めに不動産会社に相談しましょう。

築25年以上経過すると、数百万円から数千万円売却価格が下がる可能性があります。

マンションの売り時を逃さないよう、売りたいと感じたタイミングで不動産会社に査定を依頼してみてください。