マンション売却を検討し始めた人の中には「どこに相談すれば良いのかわからない」「自分に合った相談先はどこなのか」という悩みを持った人は少なくありません。マンション売却のアドバイスをくれる専門家は多くいるため、自分の状況にあった相談先を選ぶことでスムーズな売却につながるでしょう。

この記事では、マンション売却を検討している人の悩みに応じた相談先を紹介します。マンション売却の相談先がわからないという人は、本記事を参考に適切な専門家を見つけましょう。

マンション売却の相談先7選

マンション売却を検討する際に相談する先は、次の7つの選択肢が考えられます。

  • 不動産会社

  • 不動産鑑定士

  • ファイナンシャル・プランナー

  • 司法書士

  • 税理士

  • 金融機関

  • 弁護士

ここでは、各相談先ごとの特徴を解説します。

売却の総合的な相談は不動産会社

マンション売却でまず頭に思い浮かぶのは、不動産会社だという人が多いでしょう。マンションの売り出し価格や売却方法の提案、販売活動を行ってくれるのが不動産会社の最大の特徴です。

不動産会社への相談や不動産査定は無料です。また、売却を依頼すると販売活動から引き渡しまでサポートしてくれるため、マンション売却を考え始めた場合は、まず不動産会社へ相談に行くのが良いでしょう。

「目安としてマンション価格が知りたい」「できるだけ高く売りたい」と考えている人は、不動産会社への相談がおすすめです。

マンションの価値を正確に知りたいなら不動産鑑定士

相続や離婚のためにマンションの価値を正確に知りたい人は、不動産鑑定士への相談が最適です。不動産鑑定士は、第三者の立場でマンションを公平に評価し「不動産鑑定評価書」という公的で証明力の高い書類を作成することができます。

「不動産鑑定評価書」は公的な証明書として扱われるため、裁判の証拠品や財産分与の証明として利用されます。また、不動産鑑定費用は20〜30万円程度が目安で、鑑定にかかる期間は2週間から1ヶ月ほどかかることが一般的です。

財産分与や遺産分割のために公的な不動産価値を証明したい場合は、不動産鑑定士へ相談しましょう。

売却を含めた資産運用についての相談はファイナンシャル・プランナー

「住宅ローンの返済が大きな負担になっている」などの金銭的な理由で、マンション売却を考えている人はファイナンシャル・プランナーへ相談するのがおすすめです。お金のプロであるファイナンシャル・プランナーであれば、収入と支出のバランスを総合的に判断し、他の資産を考慮しながら資金計画を立ててくれるでしょう。

たとえば、ファイナンシャル・プランナーへ相談すると住宅ローンの繰上返済や資産運用、家計管理などのアドバイスがもらえます。相談費用は、1時間5,000〜20,000円程度が相場です。

ファイナンシャル・プランナーを探す際は、日本FP協会の「CFP®認定者検索システム」が便利です。エリアや得意分野、相談料金で相談先を絞り込めるので、マンション売却を含めた相談をしたい場合は不動産分野に強いファイナンシャル・プランナーを選びましょう。

マンションの相続や登記の相談は司法書士

マンションの名義変更などの登記手続きや相続に関する相談は、司法書士に行うことをおすすめします。また、司法書士は住宅ローンを完済した後の抵当権抹消に関する手続きも代行してくれます。合わせて、以下の悩みも司法書士に相談してみましょう。

  • 自宅の権利証を失くしてしまった

  • マンションの名義を変更したい

  • マンションの相続で困っている

司法書士への相談料は30分5,000円からというところが一般的です。司法書士を探す場合は、日本司法書士会連合会の司法書士検索サービスや、各都道府県の司法書士会に相談するのがおすすめです。司法書士の中でも不動産を得意分野にしている人がいるため、自分の相談内容に合った司法書士を探すと良いでしょう。

売却にかかる税金の相談は税理士

マンション売却にかかる税金について相談したい場合は、税理士への相談がおすすめです。マンション売却には以下の税金がかかります。

  • 印紙税

  • 各手数料の消費税

  • 登録免許税

  • 譲渡所得税

とくに、マンション売却では高額な譲渡所得税がかかるケースがあるため、心配な人は税理士へ相談しましょう。

税理士への相談は30分あたり5,000円程度が相場とされています。税理士を探す際は、日本税理士会連合会の税理士情報検索サイトを利用すると良いでしょう。エリアを絞り込めるため、近くに事務所を構えている税理士を手軽に探せます。

住宅ローンの相談も同時に行う場合は金融機関

住宅ローンが残っているマンションのローンに関する相談は、金融機関へ依頼しましょう。金融機関への相談内容として以下が挙げられます。

  • 住宅ローン残高を知りたい

  • 毎月の住宅ローン返済に困っている

  • マンションを売却しても住宅ローンが完済できない

とくに、マンションを売却しても住宅ローンが完済出来ない場合は、金融機関の同意を得て任意売却という手続きを取るケースが考えられます。金融機関への相談は無料のため、住宅ローン返済に困った場合は、滞納する前にできるだけ早く相談に行くようにしましょう。

法的なトラブルの相談は弁護士

マンション売却時に取引先や不動産会社とトラブルが起きた場合は、弁護士への相談をおすすめします。法的なトラブルに発展した場合は、弁護士に代理人として話し合いを代行してもらいましょう。弁護士に相談する不動産トラブルとして、主に以下が考えられます。

  • 契約を巡る買い手とのトラブル

  • 離婚時の財産分与のトラブル

  • 他の相続人との遺産分割によるトラブル

  • 不動産会社との契約によるトラブル

弁護士への相談料は、30分あたり5,000円程度が一般的です。国が設立した法テラスであれば、収入が一定以下の人を対象に無料で法律相談を行っているので、費用を気にせずに相談できます。その他にも、各都道府県の弁護士会のサイトから相談先を探すことができます。

弁護士への相談は敷居が高く感じられますが、マンション売却における法的なトラブルで困っている人は、気負わずに相談してみましょう。

マンション売却を相談する不動産会社を選ぶ4つの方法

マンション売却を相談する不動産会社を選ぶコツは、次の4つが挙げられます。

  • 店舗の口コミを確認する

  • 不動産一括査定で複数社を比較する

  • 申し込みや契約を急かしてこない会社を選ぶ

  • 対応が早い担当者を選ぶ

ここでは、それぞれを詳しく解説します。

店舗の口コミを確認する

不動産会社を選ぶ1つ目のコツは、店舗の口コミをチェックすることです。投稿されている口コミを見れば、実際に不動産会社を利用している人のリアルな感想を知ることができるでしょう。

不動産会社の口コミは、店舗のホームページや地図情報、口コミサイトで確認することができます。口コミを確認する上での注意点は、投稿されている口コミを鵜呑みにしないことです。人によって感じ方が違ったり相性が違ったりするため、信じ切ってしまうと良くありません。

あくまで口コミは、不動産会社の特徴を知り、自分と相性が良い不動産会社を探すためのツールとして利用しましょう。

不動産一括査定で複数社を比較する

不動産一括査定を利用して、複数社の不動産会社を比較することも検討しましょう。不動産一括査定とは、複数の不動産会社に同時に査定依頼を申し込めるサービスで、時間と手間をかけることなく多くの不動産会社とコンタクトが取れます。

不動産一括査定を申し込むと、複数の不動産会社から連絡が来ます。その際に、担当者の対応の良さやスピートを比較し、各不動産会社の得意分野を聞いておくことで、自分に合った会社が見つかるでしょう。

なお一括査定注意点は、しつこいマンション売却の営業をかけられる可能性が高いことです。

不動産一括査定で不動産会社を比較すれば、それぞれの良い面と悪い面が見えてきます。総合的なバランスで不動産会社を選ぶことが重要です。

申し込みや契約を急かしてこない会社を選ぶ

不動産会社を選ぶ3つ目のコツは、商談時に申し込みや契約を急かしてこない会社を選ぶことです。中には、自分の営業成績のために媒介契約を締結したいと考える担当者がいるため、不動産会社選びは慎重に行うことをおすすめします。

ただし、申込みや契約を急かしてくる担当者の中には、マンションを売りに出すことを親身になって勧めてくる人もいます。そのため、契約を急かされた場合は「なぜ今売り出すのが良いのか」「どのような販売計画を考えているのか」などを具体的に聞き出すことが重要です。

その答えが納得のいく内容でない場合は「一度検討させてください」と伝え、じっくり検討する時間を作りましょう。

対応が早い担当者を選ぶ

不動産会社を選ぶコツとして、連絡に対するレスポンスや、お願いしたことに対しての行動の早さを重視する点が挙げられます。マンション売却では、担当者の動きのスピードによって結果が変わることがあるのです。

たとえば、買い手から金額交渉が届いたにもかかわらず担当者の連絡が遅い場合、返答が遅れることで買い手の熱が冷めてしまう可能性があります。また、広告を打ち出すタイミングが遅いとライバル物件に買い手を奪われてしまうこともあるでしょう。

このように、連絡への対応や行動が早い担当者に売却を依頼することが、不動産会社を選ぶコツの1つだと言えます。

マンション売却の流れ

マンション売却は、次の流れで手続きが進んでいきます。

  1. 資金計画や書類準備などの事前準備を行う

  2. 査定を依頼する

  3. 不動産会社を選定する

  4. 不動産会社と媒介契約を締結する

  5. 売出価格を決めマンションの販売活動を行う

  6. 買主と売買契約を締結する

  7. マンションを引渡す

  8. 確定申告を行う

この中で重要なポイントは、査定を依頼する際に複数の不動産会社へコンタクトを取り、査定結果を比較検討することです。売り出し価格によって、売却のスピードや手元に残る金額が変わることがあるのです。

そのためにも、不動産一括査定を有効活用して、できるだけ多くの不動産会社から話を聞くことが重要です。

マンション売却にかかる費用と必要書類

マンション売却にはさまざまな費用がかかり、準備する書類も多岐にわたります。ここでは、マンション売却にかかる費用と必要書類を紹介します。

マンション売却にかかる費用

マンション売却には、次のような費用がかかります。

  • 仲介手数料

  • 印紙代

  • 抵当権抹消費用

  • 住宅ローン完済費用

  • 譲渡所得税(売却益が発生した場合)

  • 引っ越し代

  • その他費用

マンション売却にかかる費用は、物件価格の5〜7%程度が一般的だと言われています。

【費用の目安】

  • 物件価格が3,000万円の場合:150〜210万円

  • 物件価格が5,000万円の場合:250〜350万円

  • 物件価格が8,000万円の場合:400〜560万円

マンションの売却価格がそのまま手元に入るわけでないため、あらかじめ余裕を持った資金計画を立ることが重要です。

マンション売却に必要な書類

マンション売却では、主に以下の書類が必要です。

【マンション査定時】

  • 登記済権利書(または登記識別情報)

  • 土地測量図・境界確認書

  • 建物図面、設備の仕様書

  • 固定資産税納税通知書(または固定資産税評価証明書)

【媒介契約から売買契約締結まで】

  • 本人確認書類

  • 建築確認済証、検査済証

  • マンションの管理規約、使用細則、パンフレット

  • マンションの維持費関連書類、長期修繕計画書

  • 耐震診断報告書、アスベスト使用調査報告書

【引渡し時】

  • 本人確認書類

  • 実印・印鑑証明書

  • 住民票

  • 銀行口座書類

  • 抵当権等抹消書類

これらの書類は、役所や法務局、マンションの管理会社などから取得できます。また、購入時の書類として残っているものもあるため、もし手元に書類が見つからない場合は担当者に相談してみると良いでしょう。

まとめ

この記事では、マンション売却を検討した際の相談先や、不動産会社を選ぶコツについて解説しました。悩んでいる内容によって相談先が異なるため、自分に合った先へ相談することを心がけましょう。また、適切な不動産会社を選ぶためには、口コミを見たり、複数の会社を比較したりすることが重要です。

マンション売却に関する悩みは人それぞれですが、売却を検討しだしたら、まずは不動産会社に相談するのがおすすめです。マンション売却の悩みを解決し、スムーズな住み替えにつながるようこの記事を参考にしてみてください。