「売るつもりでマンションを買うのってアリ?」
「将来的に高く売れるマンションの特徴を知りたい!」
マンションの購入や売却は一般的に難しいといわれており、買ったときよりも安い価格で売却して損してしまう人も少なくありません。
そこでこの記事では、マンション売買が初めての方でも失敗しないためのマンション選びのコツや注意点などを解説します。
この記事を読めば、売るつもりでマンションを買うメリットから売却する際の注意点まですべてわかります。マンションの購入や売却でお悩みの方はぜひ最後までご覧ください。
この記事の目次
マンションを売るつもりで買うメリット
マンションを売るつもりで買うメリットを3つ解説します。売るつもりで買おうか悩んでいる方は参考にしてみてください。
-
資産価値の高いマンションを所有できる
-
転勤や子どもの成長に合わせて住み替えできる
-
「いざとなれば引っ越せる」と気持ちに余裕ができる
資産価値の高いマンションを所有できる
マンションを売るつもりで買うことは、買い手に需要のある資産価値の高いマンションを所有することになります。資産価値の高いマンションには主に以下の特徴があります。
-
駅から徒歩5分圏内
-
生活の利便性がよい
-
設備や共用部分が充実している
-
人気ブランドのマンション
このようなマンションは買い手からの需要があり、売却しやすい特徴があります。購入費用は高くなりやすいですが、その分高額売却できる可能性が高いのが、売るつもりで買うメリットといえます。
転勤や子どもの成長に合わせて住み替えできる
マンションを売るつもりで買うことで、転勤や子どもの成長に合わせて住み替えしやすくなります。
マンションを購入しても、生涯住み続けるとは限りません。急な転勤や病気、怪我などの可能性があり、住み替えを余儀なくされるケースも考えられます。また、子どもが成長するにつれて部屋も狭くなるでしょう。
このようなアクシデントやライフプランの変更があっても、元々売るつもりで買っていればスムーズに住み替えをおこなえます。また、資産価値の高いマンションを購入していれば、購入時よりも高く売却できる可能性があるため、売却資金を住み替え費用に充てることもできるでしょう。
このように、急な転勤や子どもの成長に合わせて住み替えられるのも、売るつもりで買うメリットといえます。
「いざとなれば引っ越せる」と気持ちに余裕ができる
「いざとなればいつでも引っ越せる」と気持ちに余裕を持てるのも、マンションを売るつもりで買うメリットです。
将来的に売ることを前提に購入しているので、思わぬトラブルやアクシデントに巻き込まれても落ち着いて行動できます。例えば、近隣住民からの嫌がらせや騒音問題などは、自分で解決しにくく引っ越しを余儀なくされることが考えられます。また、住む前の段階でわからないケースが多いため、住み始めてから発覚する場合が多いです。
それでも、元々売るつもりで購入しているので、このようなトラブルに巻き込まれてもすぐに引っ越しを決断しやすくなります。「万が一トラブルがあっても引っ越せばいい」と気持ちに余裕を持って過ごせるのも、マンションを売るつもりで買うメリットといえるでしょう。
売るつもりで買う際に選ぶべきマンションの優先度
マンションを売るつもりで買う際は、いくつかのポイントがあります。ここでは、選ぶべきマンションの特徴を優先度順で解説します。どのマンションを購入しようか悩んでいる方は参考にしてみてください。
-
立地環境がよい
-
駅から近い
-
築年数が5年未満
-
将来性のあるエリアにある
-
耐用年数が47年
-
マンション管理が適切にできている
-
人気ブランド
①:立地環境がよい
最も優先度の高いポイントは「立地環境のよさ」です。立地環境のよさは買主が求める条件のひとつで、非常に需要があります。国土交通省住宅局の発表によれば、中古マンションを購入した理由で「価格が適正だったから」に次いで多かったのが「立地環境のよさ」でした。
購入した理由 |
割合(%)※複数回答可 |
価格が適正だったから |
63.1 |
立地環境がよかったから |
52.2 |
交通の利便性がよかったから |
35.2 |
昔から住んでいる地域だったから |
20.3 |
親・子どもなどが近くに住んでいたから |
17.3 |
参考:国土交通省 住宅局「令和4年度 住宅市場動向調査報告書 」
立地環境とは、スーパーやコンビニ、役所や病院などが近くにあることで、生活利便性に大きく関わるポイントです。
このように、買主は立地環境の良し悪しでマンションを選んでいる傾向にあるため、将来的に売る目的でマンションを買う際は立地環境のよいマンションを選ぶのがよいでしょう。
②:駅から近い
先に紹介した生活利便性とは別に、駅からの距離が近いことも将来的に売れやすいマンションの特徴です。前述した「買主がマンションを購入した理由」の3位は「交通の利便性がよかったから」です。駅からの距離が近ければ通勤や通学の際に便利であり、買主の需要も常にあります。
また、駅から近い物件は築年数が経過しても交通の便自体は変わらないため、建物が古くなっても高額売却できる可能性が高いです。駅チカ物件は価格が高い傾向にありますが、将来的に売るつもりであれば購入する価値は十分にあるでしょう。
③:築年数が5年未満
築年数が5年未満のマンションも選ぶべき特徴のひとつです。築年数は成約価格に大きく影響する要素であり、築年数が経過するほど価格も下落していく傾向があります
築年数 |
成約価格(万円) |
築0~5年 |
6,638 |
築6~10年 |
6,193 |
築11~15年 |
5,543 |
築16~20年 |
5,250 |
築21~25年 |
4,290 |
築26~30年 |
2,832 |
築31年~ |
2,193 |
引用:REINS TOPIC「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2022年)」
特に、築21年や26年になると大幅に下落します。築31年を超えた場合、築0年と比べると約4,500万円も下落しています。
このように、築年数はマンション成約価格に大きく影響するため、できれば築5年未満のマンションを買うのがよいでしょう。
④:将来性のあるエリアにある
将来性のあるエリアにあるマンションも売れやすい特徴です。将来性があれば、購入したときよりも高く売れる可能性があります。
近くに新駅や商業施設などができれば交通の利便性や生活利便性が向上します。今はまだ利便性がよくなくても、将来的に人気エリアになりそうであれば買う価値は十分にあるでしょう。また、築年数が経過しても立地の価値は低下しないため、相場よりも高い価格で売れる可能性もあります。
⑤:耐用年数が47年
耐用年数が47年のマンションを購入するのがおすすめです。耐用年数とは、建物の価値を表す年数であり、建物の構造によって以下のように異なります。
建物 |
耐用年数 |
木造(居住用) |
22年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(居住用) |
47年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(工場・倉庫用) |
38年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造(店舗用) |
34年 |
このように、建物の構造によって耐用年数は異なり、一般的な居住用マンションであれば耐用年数は47年です。耐用年数は減価償却できる年数であり、耐用年数が47年であれば47年かけて減価償却していきます。つまり、築47年で減価償却できなくなるので資産価値もゼロになります。
しかし、耐用年数が38年や34年のマンションを購入してしまうと建物価値の減少スピードも早いため、将来的に高く売れにくくなってしまいます。売るつもりでマンションを買う際は、耐用年数が47年かどうかを確認しておきましょう。
⑥:マンション管理が適切にできている
マンション管理が適切にできているのも大切なポイントです。マンションは基本的に管理会社によって共用部分などが管理されており、設備の充実度や故障時の対応なども管理会社によって異なります。
また、一般的に分譲マンションは一定の期間で大規模修繕をおこなっており、そのための修繕積立金を各部屋の所有者から毎月徴収しています。この大規模修繕に関しても、管理会社によっては徴収額が曖昧になっていたり修繕計画が具体的になっていなかったりします。
適切な管理会社であれば大規模修繕の計画が綿密になっており、長期間にわたって安心して暮らせる環境になっているので買主がマンションを選ぶ際の基準にもなるでしょう。
このように、管理会社がしっかりと管理できているかどうかも、非常に重要なポイントです。マンション選びの際は確認しておきましょう。
⑦:人気ブランド
人気ブランドのマンションは常に売れやすいのでおすすめです。マンションのなかには大手デベロッパーが管理しているブランドマンションがあります。
-
ブリリア
-
プラウド
-
ライオンズマンション
-
シティハウス
-
ブランズ
このようにブランドマンションはいくつもあり、それぞれでデベロッパーやマンションの特徴などが異なります。また、それぞれのブランドのファンも存在しており、「このブランドだから買う」という人もいます。
このようなブランドマンションはブランドに対して価値を感じている買主もいるため、築年数が経過した古いマンションであっても高額で買ってくれる可能性もあるでしょう。
一般的なマンションよりも高額ですが、将来的に売るつもりで買うのであれば買う価値は十分にあるといえます。
売るつもりで買う際に選んではいけないマンションの特徴5選
マンションを売るつもりで買う際に、選んではいけないマンションもあります。以下の特徴に当てはまるマンションは避けましょう。
-
旧耐震基準が適用されている
-
利便性の悪いエリアにある
-
周辺の治安が悪い
-
定期借地権が設定されている
-
メゾネットタイプ
旧耐震基準が適用されている
旧耐震基準が適用されているマンションは避けましょう。旧耐震基準とは、昭和56年5月31日までの耐震基準であり、震度5強までの地震に耐えられる構造です。しかし、現在は新耐震基準が適用されており、震度7までの地震に耐えられる構造となっています。
旧耐震基準の建物は耐震性が低く、大地震が起きれば倒壊する恐れがあります。最近では震度6や7などの震災も多発しており、旧耐震基準のマンションでは耐えきれないでしょう。
このような理由から、旧耐震基準のマンションは新耐震基準にするように進められており、古いマンションでも新耐震基準が適用されていることがほとんどです。それでも、未だに旧耐震基準のマンションも存在するため、購入する際は新耐震基準に適用しているかどうかを必ずチェックしておきましょう。
利便性の悪いエリアにある
利便性の悪いエリアにあるマンションもおすすめできません。前述のとおり、買主は生活の利便性や交通の利便性などを重視しているため、利便性が悪ければ買主が見つからない可能性があります。
また、見つかったとしても相場よりも安い価格での売却になる恐れもあり、結果として損する可能性が高いです。このような理由から、利便性の悪いエリアにあるマンションは購入しない方がよいでしょう。
周辺の治安が悪い
周辺の治安の悪いマンションも避けた方がよいです。買主は、治安のよい場所に住みたいと考えるのが一般的であり、建物自体に魅力を感じなくても治安がよければ購入してくれる可能性があります。
なお、治安がよいと思っても夜になったら悪くなるケースもあるため、日中と夜の治安をそれぞれ自分の目で確かめておくのがよいでしょう。
定期借地権が設定されている
定期借地権が設定されているマンションは買主が見つかりにくいので避けましょう。定期借地権とは、契約期間を迎えたら、その土地を貸主へ返還しなければならない権利です。一般的な借地権と違って更新できないため、強制的に返還することになります。
第22条(一般定期借地権)
存続期間を50年以上として借地権を設定する場合においては、第9条及び第16条の規定にかかわらず、契約の更新(更新の請求及び土地の使用の継続によるものを含む。次条第1項において同じ。)及び建物の築造による存続期間の延長がなく、並びに第13条の規定による買取りの請求をしないこととする旨を定めることができる。
また、土地を更地にして返還するのが一般的のため、建てられているマンションを解体することになります。解体となれば住めなくなるだけでなく売却もできなくなるので、所有者からすればメリットがほとんどない権利といえます。
定期借地権が設定されているマンションは多くないですが万が一に備えて、契約する際は定期借地権が設定されているかどうかを確認しておくのがよいでしょう。
メゾネットタイプ
メゾネットタイプとは、複層住戸といって室内が2階以上で構成されている間取りをいいます。マンションでありながら戸建てのような生活を送れるのが魅力です。
しかし、メゾネットタイプは室内に階段が設けられていたりバリアフリーに向いていなかったりするデメリットがあります。そもそも2階以上の間取りであれば戸建てを購入すればよく、わざわざメゾネットタイプのマンションを買う必要はあまりありません。
さらに、一般的なマンションの間取りと比べると特殊であるため、売却したくなっても買い手が現れない可能性が高いです。このような理由から、メゾネットタイプのマンションは避けた方がよいといえるでしょう。
売るつもりで買ったマンションを高く売る5つのコツ
売るつもりで買ったマンションを高く売りたいなら、以下5つのコツを押さえましょう。
-
自分で売却相場を把握する
-
複数の不動産会社の査定額を比較する
-
マンション売却実績が豊富な不動産会社へ依頼する
-
2~3月に成約できるようにスケジュールを立てる
-
内覧対応を充実させる
自分で売却相場を把握する
まずは自分で売却相場を把握しましょう。売却相場を把握することで、「どれくらいの価格なら売れるのか」をイメージできるようになります。
売却相場はマンションの所在地や築年数などによって異なり、以下のサービスを活用することで把握できます。
-
不動産ポータルサイト
-
不動産会社の査定
-
レインズへ・マーケット・インフォメーション
SUUMOやホームズなどの不動産ポータルサイトには、実際に売り出されているマンションの価格や物件条件などが記載されています。また、エリアを絞れば自分のエリアのマンション情報が把握できるので非常に参考になります。
不動産会社の査定は、自分のマンションの築年数や間取りなどを考慮したうえで具体的な価格を算出してくれます。より具体的な売却相場を知りたいときにおすすめです。
レインズ・マーケット・インフォメーションは、不動産会社専用の物件情報サイト「レインズ」の一般向け用のサイトであり、実際に取引された物件情報が掲載されています。
このように、売却相場を調べる方法はいくつもあるため、さまざまな方法を試しながら相場を把握してみましょう。
複数の不動産会社の査定額を比較する
不動産会社へ査定依頼する際は、複数の不動産会社へ依頼して査定額を比較するのがおすすめです。不動産会社によって査定額は異なり、1社のみの査定額で判断してしまうと、その査定額が適正かどうかの判断がしにくいです。
また、不動産会社によっては査定の精度が低い場合もあり、必ずしも査定された価格で売れるとは限りません。できれば3~4社の査定額を比較して、「大体これくらいの価格で売れそうだな」と把握するのがよいでしょう。
なお、複数の不動産会社へ査定依頼するのが面倒な方は、不動産一括査定がおすすめです。一括査定なら一度に複数の不動産会社へ査定依頼できるので、手間なく簡単に売却活動を進められます。ぜひお試しください。
マンション売却実績が豊富な不動産会社へ依頼する
マンション売却実績が豊富な不動産会社へ依頼しましょう。不動産会社によって、注力している事業や得意分野などが異なり、実績もバラバラです。
例えば、不動産売買事業を主におこなっている企業があれば、買取り事業を展開している企業もあります。また、戸建てに注力していたり土地活用に力を入れていたりなど得意分野も異なります。
このように不動産会社によって特徴はバラバラのため、マンションを高く売りたいならマンション売却実績が豊富な不動産会社へ依頼するのが最適です。
各不動産会社のホームページにアクセスして、売却実績がどれくらいなのかをチェックしてみましょう。
2~3月に成約できるようにスケジュールを立てる
マンションを売る際は2~3月に成約できるようにスケジュールを立てるのがおすすめです。マンションは1年中売れるわけではなく、売れやすい時期と売れにくい時期で分かれます。不動産流通機構のデータによると、マンション成約数は月によって以下のように異なります。
月 |
成約件数 |
1月 |
2,581 |
2月 |
3,240 |
3月 |
3,442 |
4月 |
2,954 |
5月 |
2,737 |
6月 |
3,1111 |
7月 |
3,236 |
8月 |
2,367 |
9月 |
3,197 |
10月 |
3,287 |
11月 |
2,900 |
12月 |
2,941 |
参考:公益財団法人 東日本不動産流通機構「月例速報 Market Watch サマリーレポート 2023 年 12 月度」
売れやすい時期は2〜3月、10月です。特に2~3月は新年度に向けて住み替えや引っ越しをする人が増える時期であり、マンションの成約件数が増えやすい特徴があります。
一方で売れにくい時期は1月と8月です。1月は年始と重なるのでマンション購入に動きにくい時期であり、8月はお盆と重なるので同様に動きにくい時期といえます。
このように、月によって売れやすさが異なるため、2~3月に成約できるようにスケジュールを立てるのがよいでしょう。
内覧対応を充実させる
内覧対応を充実させるのも高く売るための重要ポイントです。内覧は、マンションの購入希望者が実際に訪れてマンションの外観や室内状況、設備状況などを見て回ります。実際に住んだ際のイメージをするため、購入意欲につながりやすい特徴があります。
そのため、部屋が散らかっていたり汚れていたりすれば内覧者の購入意欲は低下し、成約出来なくなる可能性が高くなるでしょう。
内覧者へ好印象を与えるためにも以下のポイントを押さえることが大切です。
-
不要な物を処分しておく
-
部屋を綺麗にしておく
-
家具や家電の位置を調整して広く見せる
-
押し入れやタンスの中も整理しておく
-
水回りを掃除しておく
特に水回りは内覧者が気にする箇所のため、できるだけ綺麗にしておくのがおすすめです。もし、どうしても落ちない汚れがあったり面倒だったりする場合はハウスクリーニング業者へ依頼してもよいでしょう。費用はかかりますが、成約することを考えれば依頼する価値は十分にあります。
売るつもりで買ったマンションを売る際に押さえるべき3つの注意点
売るつもりで買ったマンションを売る際は以下の点に気を付けましょう。
-
住宅ローンを完済しないと売却できない
-
所有期間が5年以下だと税金が高くなる
-
不動産会社の囲い込みに注意する
住宅ローンを完済しないと売却できない
住宅ローンを組んで購入している場合、住宅ローンを完済しないと売却できません。住宅ローンを完済しないとマンションに設定されている抵当権を抹消できないからです。
抵当権とは、債権者である金融機関が債務者である買主に対して不動産を担保として設定する権利です。わかりやすくいえば、「住宅ローンが払えなくなったら代わりに家を売りますよ」という権利です。そして、抵当権を抹消する条件として住宅ローンの完済が定められています。
抵当権は設定されたまま売り出せますが、抵当権付きマンションを欲しがる人は基本的にいないので、抵当権を抹消してから売り出すのが一般的です。
このように、住宅ローンを完済しなければマンションは売れないため、住宅ローン残債が残っている場合は気を付けましょう。
所有期間が5年以下だと税金が高くなる
マンションの所有期間が5年以下の場合は売却益を得た際の税金が高くなるので気を付けましょう。マンションが買ったときの価格よりも高く売れた場合は譲渡所得とみなされ、譲渡所得税として住民税や所得税が課されます。そして課せられる税率は売却したマンションの所有期間によって以下のように異なります。
所有期間 |
所得税率 |
住民税率 |
合計 |
5年以下 |
30% |
9% |
39% |
5年超 |
15% |
5% |
20% |
参考:国税庁「長期譲渡所得の税額の計算」|「短期譲渡所得の税額の計算」
所有期間が5年を超えているかどうかで約2倍もの差が生じます。
このように、所有期間によって売却後の税金は大きく異なるため、できれば5年を超える期間所有してから売却するのがよいでしょう。
不動産会社の囲い込みに注意する
不動産会社の囲い込みにも気を付けましょう。囲い込みとは、売主から依頼された物件を意図的にほかの不動産会社へ紹介しない行為をいいます。
不動産会社からすれば、ほかの不動産会社へ紹介しないので自社で買主を見つけられるようになり、成約できれば売主と買主の双方から仲介手数料を受け取れるようになります。
仲介手数料を多く得るために、ほかの不動産会社から問い合わせがあっても故意に断るため、売主からすればせっかくのチャンスを逃すことになります。また、囲い込みをしている不動産会社が買主を見つけられなければ売れ残ることになり、売却の長期化につながる恐れもあります。さらに、長期化すれば「売れ残り物件」と買い手に認識される恐れがあり、価格を下げざるを得ない状況にもなりかねません。
このように、囲い込みされると売れにくくなるだけでなく、価格を下げる可能性もあるので十分に気を付けましょう。
なお、囲い込みされているかどうか確認する際は、買主を演じて不動産会社へ問い合わせてみましょう。もし、「買い手が見つかっている」などと言われれば囲い込みされている可能性が高いです。本来であれば、売り出し物件に問い合わせがあったり買い手が現れたりしたら、不動産会社は売主に報告する義務があるからです。
報告を受けていないにも関わらず「買い手が見つかっている」と言うことはルールに違反しているため、不動産会社を変更した方がよいでしょう。
マンションを売るつもりで買うのに関連するよくある質問
マンションを売るつもりで買うのに関するよくある質問をご紹介します。マンション購入を検討している方は参考にしてみてください。
-
そもそも売るつもりでマンションを買うのって一般的なの?
-
売るときに買い手は簡単に見つかるの?
-
今買ったマンションの価値は将来的に落ちるのでは?
Q:そもそも売るつもりでマンションを買うのって一般的なの?
A:転勤やライフプランの変更などがあるため、将来的に売ることを前提に購入する人はいます。
マンション購入後は生涯住み続けることをイメージする方も多いですが、近年はマンション価格が高騰していることやライフプランに合わせて住み替えたる需要があることなどから、売るつもりで買う人は一定数います。
人によって買う理由が異なるため、生涯住み続ける目的で購入しても、住み替える目的で購入するのも問題ないとえるでしょう。
Q:売るときに買い手は簡単に見つかるの?
A:売り出し時期や依頼先の不動産会社、担当者の質など、さまざまな要素が絡むので簡単に見つかるとは言い切れません。
マンション売却の際は、不動産会社へ依頼するのが一般的ですが、不動産会社によって売却実績や売却活動の方法が異なります。そのため、依頼先の不動産会社選びを誤れば買い手は現れにくくなるでしょう。
それでも、この記事でご紹介したように、複数の不動産会社と比較したり売り出し時期を調整したりすれば買い手を見つけることは十分に可能といえます。
Q:今買ったマンションの価値は将来的に落ちるのでは?
A:マンションの価値は年々上昇傾向にあります。
マンションの価値はここ数年常に上昇傾向にあります。不動産流通機構のデータによると、首都圏における中古マンションの成約価格は年々上昇傾向にあるのがわかります。
年 |
成約価格(万円) |
2012 |
2,500 |
2013 |
2,589 |
2014 |
2,727 |
2015 |
2,892 |
2016 |
3,049 |
2017 |
3,195 |
2018 |
3,333 |
2019 |
3,442 |
2020 |
3,599 |
2021 |
3,869 |
2022 |
4,276 |
引用元:公益財団法人東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」
成約価格は年々上昇しており、2022年の平均成約価格は4,000万円を超えました。
このように、マンションの価値は上昇し続けているため、今買ったマンションの価値は将来的に維持、もしくはさらに上昇していく可能性が高いといえます。
まとめ
マンション売るつもりで買うメリットやマンション選びのポイントなどを解説しました。将来的に売るつもりでマンションを買う際は、立地環境や利便性、築年数などを吟味して選ぶのが大切です。また、自分で売却相場を調べたり不動産会社を比較したりすることで、より高値で売却できる可能性を高められます。不動産の購入や売却が初めての方は不動産会社へ任せっきりにしてしまいがちですが、マンション売買を成功させるためにも、この記事でご紹介した内容をぜひ参考にして進めてみてください。