「少しでもマンションを高く売却し儲けたい」と、多くの人が考えているのではないでしょうか。マンション売却で儲けるには、実際に儲けた人の特徴を理解するといいでしょう。
儲けた人には10つの特徴があり、儲けるためのコツもあります。どのような特徴があるのか、コツを理解しているのかによって儲けられるかどうかが変わってくるため注意しなければなりません。
本記事では、儲けている人の特徴やコツを解説します。記事の後半では、マンション売却で儲けるための注意点まで紹介しますので、最後までご覧ください。
この記事の目次
マンション売却で儲かった人の特徴10選
マンションを売却して儲かった人には、次のような10つの特徴があります。
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購入時にアクセスの良さを重視していた
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相場を調査していた
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売却スケジュールに余裕をもっていた
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販売戦略をきちんと立ててもらっていた
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小刻みな値下げをおこなった
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内覧に気を遣っていた
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売却時期を考えていた
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物件の価値を高めた
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築10年以内に売却した
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複数の不動産会社から査定を受けていた
どのような特徴をもった人が儲かるのか理解し、マンション売却するときに参考にしていきましょう。
1.購入時にアクセスの良さを重視していた
アクセスのいいマンションは資産価値が高い傾向にあり、立地のよさを重視すれば売却時に儲かる可能性があります。
マンションは駅から近く、買い物利便施設が整った場所に建築されやすい傾向にあります。その中でも駅に直結している、ターミナル駅から徒歩3分以内にあるなどアクセスのいいマンションの資産価値は高いといえるでしょう。
とくにアクセスの良さが希少性があるようなマンションは、資産価値の向上が見込めます。まわりに競合するマンションがない、マンションを建築する敷地が少ないなどです。
マンションの資産価値はアクセスの良さに大きな影響を受けるため、購入時にアクセスを重視するのは大切なポイントです。
2.相場を調査していた
マンションを購入する前に相場を調査していた人は、高値で買う可能性を抑えられて儲かる可能性が高くなります。
マンションには相場があるものの、販売価格を相場にあわせるかどうかは売主が決めます。そのため、売り出されているものの中には、相場からかけ離れたマンションの存在も珍しくありません。
相場よりも低いマンションを購入すれば、購入金額と売却金額の差が小さくなります。たとえば、相場5,000万円のマンションを4,000万円で購入できたなら、すぐに再販売すれば1,000万円の儲けです。かりに数年住んで500万ほど価値が下落しても、4,500万円で売却できるかもしれません。
3.売却スケジュールに余裕をもっていた
スケジュールに余裕をもって売却する人は、売り急がなくなって相場よりも安く売却するリスクが減ります。
マンションを売却中に焦ってしまうと、買い手を逃したくないという気持ちが強くなってしまいます。そのため、買い手からの大幅な値段交渉を受けてしまってたときに、断れなくなってしまう人もいるでしょう。交渉の主導権を握られてしまうと、どうしても相場よりも低い金額で売却せざるを得なくなってしまいます。
気持ちに余裕があれば大幅な値段交渉を断る判断ができ、相場で購入してくれる買い手が見つかるまで販売活動を続けられます。
4.販売戦略をきちんと立ててもらっていた
販売戦略をきちんと立てられる不動産会社に売却の依頼をした人は、いい値段でマンションを売れる可能性が高まります。
良い条件で購入してくれる買い手を探すには、売却するマンションにあった販売戦略が必要です。不動産会社は自社のノウハウを活かして販売戦略を立て、Webへの掲載や新聞折込広告を実施していきます。売るマンションと販売戦略の相性がよければ、多くの買い手が見つかって条件の良い人を選択できるようになります。
たとえば、ファミリータイプのマンションを売却する際には、ワンルームやオフィスが多くある繁華街に新聞折込広告を実施しても効果は高くありません。郊外のファミリータイプの賃貸物件が多い地域に対して、新聞折込広告をしたほうが効果的でしょう。
効果的な販売戦略を実行すれば、高く早く売却できるチャンスが多くなります。
5.小刻みな値下げをおこなった
小刻みな値下げをおこなった人は、早く売却できて売れ残り感が出る前にマンションを手放せます。
マンションを高く売りたい人は多く、相場よりも高い販売価格で売り出すケースが多くあります。通常、相場よりも高い販売価格をつけてしまうと、なかなかマンションは売れません。しかし、小刻みな値下げをおこなって販売活動を続けていると、相場まで価格を落とす前に売れるときがあります。
マンションが売れないときに販売価格を一気に相場まで下げてしまうと、少しでも高く売れるチャンスを逃してしまいます。
6.内覧に気を遣っていた
内覧に気を遣えば買い手にいい印象を与えられ、マンションが高く売れるようになります。
買い手の中には、マンションの雰囲気を購入するときの判断材料にする人もいます。内覧が入るたびに室内を清掃したり、生活用品を整理整頓したりすれば雰囲気がよくなって買い手の購入意欲が高まることでしょう。
また、買い手がマンションの室内を確認する際には、必要以上に話しかけないのも大切なポイントです。内覧するとき、買い手は室内に問題はないかくまなく見て回りたいと思っています。しかし、必要以上に話しかけてしまうと室内の確認を邪魔してしまい、買い手に悪い影響を与えかねません。
内覧は買い手がマンションの購入判断をするにあたって大切な事柄であるため、いかに気分よく室内を見てもらえるのか考えて対応しましょう。
7.売却時期を考えていた
不動産売却に適した時期に売り出した人は、マンション売却で儲けられる可能性があります。
新年度が始まる4月前後は、新居で生活を始める人が増えて不動産の需要が高まります。3月~4月にマンションが引き渡せるとアピールできれば、相場より少し高めでも売却できるかもしれません。
ただし、3月~4月に引渡しするには、前年の10月~11月にはマンションを売りに出しておく必要があります。東日本不動産流通機構の「首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)」によると、首都圏の中古マンションの売却に必要な日数はおおよそ「3ヵ月」とされています。余裕をもった売却スケジュールを組むのであれば、10月には売り出せるように準備しておくべきでしょう。
8.物件の価値を高めた
物件の価値を高めておくと、購入した価格よりも高く売れるケースがあります。
価値を高められる方法として考えられるのは、大規模リフォームやリノベーションの実施です。どちらも実施すれば室内がキレイになり、設備も修復・取り換えできます。新築と同様な状態になるため、マンションの資産価値が向上します。
ただし、こだわりの強すぎるリノベーションを実施すると、価値が下がってしまうケースもあるため注意しなければなりません。たとえば、100㎡の4LDKをリノベーションしてワンルームに変更する、室内のほぼすべてがリモートワークスペースになっているなどです。特殊性の高い間取りにすると買い手が少なくなり、資産価値が落ちてしまいます。
9.築10年以内に売却した
築10年以内のマンションは買い手の需要が高く、古いマンションよりも高く売れる可能性があります。
売却するマンションが築10年程度の場合、設備はまだ最新のものに近く、建物自体も大規模修繕をまだする必要のない状態です。状態はいいにもかかわらず、新築マンションよりは価値が下がっているため、買い手にとっていい条件が揃っている築年数といえます。
築10年くらいのマンションは買い手の需要が高く、いい条件で売却できる可能性を秘めています。1回目の大規模修繕が必要となる築15年くらいになると、故障する設備も増えてくるため、売却するのであれば早めのほうがいいでしょう。
10.複数の不動産会社から査定を受けていた
複数社の査定を受けて査定金額を比較した人は相場が把握でき、マンションを適正な価格で売却できます。
マンションの相場は自身で調査できるものの、正確な相場金額を知るのは困難です。しかし、複数の不動産会社を確かめれば、自身で調査した相場が正しいかどうかがわかります。正しい相場を把握し、販売価格を決めればスムーズな不動産売却につながります。
なお、販売価格を決めるときには、相場より少しだけ高くしておくのがポイントです。相場からかけ離れた販売価格だと売却できなくなるおそれもありますが、少し高いだけであれば売れる可能性があります。どの程度の金額をつければいいのかは、不動産会社に相談しながら決めていきましょう。
マンション売却で儲けるための3つのコツ
マンション売却で儲けるには、次の3つのコツを実践していきましょう。
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マンション売却が得意な不動産会社を探す
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売り急がないよう計画を立てる
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所有しているマンションの強みを考える
どのようなコツがあるのか確認し、マンション売却時に活かしていきましょう。
1.マンション売却が得意な不動産会社を探す
マンションを売って儲けるには、マンション売却が得意な不動産会社への依頼が不可欠です。
不動産は流通性が低い商品であるため、適切なマーケティング戦略を実行してくれないと売却に時間がかかってしまいます。しかし、マンション売却が得意な不動産会社には、早く高く売るノウハウが蓄積されており、適切なマーケティング戦略を実行してくれます。
なお、不動産会社の得意分野を確認する際には、公式ホームページを調査するといいでしょう。マンションが得意な不動産会社であれば、公式ホームページにマンション売却の実績が多く掲載されているはずです。
2.売り急がないよう計画を立てる
マンションを売る際には、売り急がないよう余裕をもったスケジュールの計画を立てましょう。
余裕をもったスケジュールを立てないと、買主からの大幅な値段交渉を受け付けてしまい、相場よりも低い金額で売却してしまうおそれがあります。
マンション売却は、売り出す準備から引渡しまで半年以上かかると考えて売却計画を立てましょう。時間的な余裕をもてば焦る気持ちを抑えられ、相場よりも低い金額でマンションを売ってしまうようなことは起きません。
3.所有しているマンションの強みを考える
マンションを高く売って儲けたいと考えるなら、所有しているマンションの強みを考えてアピールしましょう。
アピールポイントの中には、売主しか知らない情報も多くあります。たとえば、周辺地域の巡回パトロールの情報や、地元のしか知らない有名な店舗の情報などです。このような地域密着の情報は買い手にとって重要なものですが、不動産会社が把握していないケースもあります。
地域に密着した情報を買い手に提供すれば、ほかの競合物件との差別化が図れます。内覧のときに独自の情報が提供できるなら、不動産会社の担当者を通じて買い手に話してもらいましょう。
2024年の不動産市況
2024年、不動産価値の上昇は続くものの、注視しなければならない時期を迎えています。
2023年に国土交通省が発表した「不動産価格指数」によると、不動産価値は次の表のように変化しています。
マンションを中心に不動産価値が右肩上がりになっています。
不動産価格上昇の主な要因は、次の要因が大きく影響しています。
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ゼロ金利政策により低金利が続いたこと
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建築費用が増加し販売価格に転嫁したこと
2023年までは上記の要因が続きましたが、2023年の終わりに日本銀行がゼロ金利政策の見直しを発表してから固定金利が上昇傾向にあります。金利が高くなると住宅ローンを借りられる人が減ってしまい、不動産の需要が減ってしまいます。現状、金利の影響はまだ出ていませんが、今後はどうなるかわからないため、不動産価格を注視しなければならない状態に入ったといえるでしょう。
また、不動産価格は三極化するともいわれています。
不動産における三極化とは、不動産の価値が次のような3つの地域に分かれることを指します。
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引き続き不動産価格が上がる地域
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不動産価格の上昇が止まるものの値下がりしない地域
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不動産価値が下がる地域
三極化は、さまざまな要素が絡み合って引き起こされます。どの地域が値段が上がるのか、上昇がストップするのか判断するのは難しいものの、下がる地域については一定の傾向あります。
たとえば、人口が減っている地域、交通の利便性が低い地域のマンションは不動産価値が下がるおそれが高いため注意しなければなりません。。
マンション売却で儲かったときに課税される譲渡所得税
マンション売却し儲かった場合、譲渡所得税が課税される可能性があります。
譲渡所得税とは、不動産を売却したときに発生した譲渡所得の額に応じて課税される税金です。譲渡所得が発生したかどうかは、次の計算式を利用すればわかります。
収入金額 -( 取得費 + 譲渡費用)- 特別控除額 = 課税譲渡所得金額 |
引用:国税庁「No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)」
なお、取得費とは、売却するマンションを購入したときの代金や諸費用、譲渡費用とはマンション売却のために払った費用です。また、特別控除額とは税制の特例を使ったときに差し引ける金額を指します。
譲渡所得が発生したら、次のような計算式で譲渡所得税を計算します。
課税譲渡所得金額 × 税率 = 譲渡所得税 |
譲渡所得税の税率は、次のとおりです。
長短区分 |
短期譲渡所得 |
長期譲渡所得 |
期間 |
5年以下 |
5年超 |
税率 |
39.63% (所得税30.63% 住民税 9%) |
20.315% (所得税15.315% 住民税 5%) |
※上記税率は復興特別所得税も含む
譲渡所得税を計算するには専門的な知識が必要になるため、正確な税額を知りたい人は税理士に確認しましょう。
譲渡所得税を減らす方法
譲渡所得税の課税額を減らしたいのであれば、次の制度を利用できないか検討しましょう。
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居住用3,000万円特別控除
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10年超所有の軽減税率
マンション売却に課税される税金は多額になるケースもあり、節税する方法を知っているかどうかで手元に残る金額が大きく変わります。譲渡所得税の節税制度を理解し、手元に残す金額を増やすようにしていきましょう。
なお、譲渡所得税の特例を受けるには、多くの条件を満たさなければなりません。適用されると勝手に判断するのは危険なので、不動産会社や税理士に特例が適用されるか確認しましょう。
居住用3,000万円特別控除
居住用3,000万円特別控除とは、一定条件を満たして自宅を売却すると譲渡所得から3,000万円を控除できる税制です。
自宅を売却したときに利用できる税制であり、「マイホームを売ったときの特例」とも呼びます。
居住用3,000万円特別控除の主な利用条件は、次のとおりです。
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自宅を売却すること
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自宅から転居した場合、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
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売り手と買い手が親族や同族会社など特別な関係にないこと など
あくまで自宅の売却に認められる制度であり、別荘のような自宅として使用しない不動産には適用されません。また、居住用3,000万円特別控除を受けるためだけに、売却する不動産に仮住まいしたとしても制度の利用はできません。
10年超所有の軽減税率
10年超所有の軽減税率とは、一定条件を満たして所有期間が10年を超えた自宅を売却する場合、譲渡所得税の税率が下がる特例です。
なお、10年を超えたかどうかは、不動産を売却した年の1月1日を基準とします。たとえば、4月1日に所有期間10年になる不動産を5月1日に売却した場合、1月1日時点では所有期間9年になって10年超所有の軽減税率は利用できません。
10年超所有の軽減税率の適用を受けられると、次のように譲渡所得税の税率が下がります。
長期譲渡所得 |
10年超所有軽減税率 |
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期間 |
5年超 |
10年超え(そのほか条件あり) |
税率 |
20.315% (所得税15.315% 住民税 5%) |
課税譲渡所得6,000万円以下の部分14.21% (所得税10.21%・住民税4%) 課税譲渡所得6,000万円超の部分20.315% (所得税15.315%・住民税5%) |
※上記税率は復興特別所得税も含む
上記のように、課税譲渡所得6,000万円までの部分の税率が下がります。6,000万円を超えた部分は、長期譲渡所得と同じ税率になることには注意しましょう。
なお、10年超所有の軽減税率は、居住用3,000万円特別控除との併用が可能です。もし居住用3,000万円特別控除で譲渡所得を控除しきれなかった場合、10年所有の軽減税率の活用まで検討しましょう。
マンション売却で儲けたい人の注意点
マンション売却で儲けたいと考えている場合、次の点に注意しなければなりません。
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同マンションで売出中の部屋が多いときの売却は避ける
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相場が上がっている地域のマンションは売る時期を見定める
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買い手からの根拠のない交渉は受け付けない
少しでもマンションを高く売りたいのであれば注意点に気をつけ、売却を進めていくようにしょましょう。
同マンションで売出中の部屋が多いときの売却は避ける
同じマンションで多数の売り物件がある場合、売却はしばらく見送ったほうがいいでしょう。
競合する物件が多くなれば多くなるほど、購入できる不動産の選択肢が多くなります。選択肢が増えてしまうと、買い手はよりよい条件の不動産を優先して購入してしまいます。同じマンションの同じような間取りの物件が3,000万円、2,500万円、2,300万円で売りに出てたとしたら、まず2,300万円から検討してしまうわけです。このような状態の中、マンションを高く売るのは困難です。
同じマンションで売り出している物件が多くても、リノベーション済であったり、未入居であったりするなら差別化できます。しかし、どの物件も同じような内容であれば、価格勝負になってしまうため注意しましょう。
相場が上がっている地域のマンションは売る時期を見定める
相場が上がっている地域のマンションを売る場合、今後の市況を予測してから売り出しましょう。
不動産の市況は三極化していくと考えられているため、相場が上がっているマンションは引き続き価格が上昇していく可能性があります。相場の上昇中にマンションを売却してしまうと、より高く売れるチャンスを逃してしまうかもしれません。
将来、相場が上がるかどうか見定めるのは難しいですが、不動産の市況や住宅ローンの金利などを注視しながらマンションを売るか決めていきましょう。
買い手からの根拠のない交渉は受け付けない
マンション売却中に買い手から根拠のない交渉を受けた場合、安易に受け付けないようにしましょう。
買い手から購入申込書を取得する際、多くのケースで値段交渉がおこなわれます。値引き額に制限はなく、根拠もなしに買い手が自由に決められます。相場を無視した根拠のない値段交渉に応じてしまうと、儲かる可能性は低くなるでしょう。
値段交渉を受けるのも売主の自由ですが、できる限り買主に値引きの根拠を確認して相場よりも低い売却を防止しなければなりません。
まとめ
マンション売却で儲けるには、実際に儲けた人の特徴を理解するのが一番です。
儲けた人には一定の傾向があり、アクセスの良さを重視して購入した、相場を調査していたなど10つの特徴があります。特徴を理解し、儲けるためのコツまで把握すれば、高く売れる可能性が高まります。
ただし、マンション売却で儲けた場合、譲渡所得税が課税されるおそれもあるため注意しましょう。譲渡所得税には減税制度が用意されているため、制度を活用するのがポイントです。
売却額がなるべく高くなるよう工夫し納税額を抑えていけば、手元に残る金額が増えるでしょう。