「家を1万円でも高く売りたい」「引っ越し費用にあてたいから損できない」と悩んでいませんか。

家の売却は大きなお金が動く重要なイベントなので、つい損をしないように気を遣ってしまうでしょう。

しかし、高く売るためのコツや損しないための行動を知っていれば、必要以上に心配することはありません。

そこで本記事では、家を高く売るためのコツを7つ紹介し、売却額が下がる行動も紹介します。

また売却までのステップや期間の目安も紹介しているので、家を売った経験がない方は記事を参考にイメージを膨らませてみてください。

家を高く売るためのコツ

家を高く売るためのコツは、大きく7つあります。

下記で紹介していることを実践しているだけで、数万円から数十万円得することも少なくありません。

自分が行っていないことはあるか確認し、実践できる部分から取り組んでみてください。

複数の不動産会社に査定をもらう

家を高く売りたい方は、複数の不動産会社に査定をもらいましょう。

1社目の不動産会社からもらえる査定額が上限であることは少ないため、複数社から見積もりをもらったほうが高値で売れる可能性があります。

とはいえ「複数の不動産会社に連絡するほど暇ではない」「どこに連絡すればいいか見当もつかない」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

このような方は、不動産一括査定サイトの活用がおすすめです。

不動産一括査定サイトを利用すれば、一度家の情報を入力するだけで4社から6社程度に相見積もりをとれます。

楽に高値で取引してもらえる会社を見つけられるので、利用したい不動産一括査定サイトを見つけて複数社から査定をもらってください。

関連記事:不動産一括査定26サイトを紹介|あなたに合ったサイトが見つかる!

仲介で取引する

所有している家を高く売りたい方は、取引形態を「仲介」にしましょう。

家を売る方法には「仲介」「買取」の2種類があり、それぞれ下記のような特徴があります。

 

不動産買取

不動産仲介

買主

不動産会社

個人が中心

売却にかかる期間

1カ月ほど

3カ月から6カ月程度

売却価格

基本的に相場を下回る

相場に合わせる

費用

印紙税や司法書士依頼料など

仲介手数料やその他諸費用

買取は不動産会社がリフォームやリノベーションをして、再び販売するような取引方法です。

不動産会社はあらかじめ修繕にかかる費用を差し引いて買い取るため、相場よりも割安な費用での買取となります。

一方仲介はリフォームやリノベーションは自己判断で行い、相場価格での売却が基本です。

今所有している家を高く売りたい方は、仲介での取引を検討してみてください。

高く売れるシーズンに売却する

家を高く売りたい方は、高値で取引されているシーズンに売却しましょう。

一般的には2月から3月が高値で取引されるシーズンだといわれています。

2月から3月は転勤・子どもの進学など、ライフステージに変化が起こりやすい「引っ越しのハイシーズン」です。

「勤務地が変わるから拠点を変えよう」「子どもも進学するし家を買いたい」など住み替えのニーズも高まるため、高値の価格設定でも購入する可能性があります。

売却までのスケジュールに余裕がある方は、引っ越しのハイシーズンを狙って家を売りに出してみてください。

ハウスクリーニングを活用する

家を高く売りたい方は、ハウスクリーニングを活用しましょう。

写真撮影の際にきれいに見せたり、内覧時に魅力的な内装と見られたりする効果が期待できます。

たとえば15年住んだ家を売却すると仮定しましょう。

掃除機やかんたんな雑巾掛けなどで売りに出した物件Aと、専門業者がワックスがけや水回りの清掃まで行った物件Bでは、後者のほうが魅力的に見られます。

ハウスクリーニングを行わず生活感のある室内だと、写真や内覧で室内を見たときに「値段の割に価値が低いな」と思われるかもしれません。

細かな部分で家の価値を下げないよう、ハウスクリーニングを利用してみてください。

部屋の日当たりがいい時間に撮影する

所有している家を高く売却するために、部屋の日当たりがいい時間に室内を撮影しましょう。

明るい時間帯に室内を撮影すると、サイトにアップされた写真を見た方が「この家は日当たりがいいな」「室内も清潔感がある」と思ってもらえるかもしれません。

たとえば夜に撮影した写真をアップすると、部屋の形はよくても「この部屋は暗くて印象が悪いな」と思われてしまうでしょう。

その結果買い手が現れず、値下げして販売というケースも考えられます。

サイト上に掲載する写真は、その家に対する第一印象を決める大切な情報です。

日当たりのいい時間に撮影し、買い手に好印象を与えられるようにしてください。

周辺の物件の相場を確認する

家を高く売りたいと考えている方は、周辺の物件の相場を確認しましょう。

周辺地域の相場を確認し、今提示している価格の妥当性を客観的に判断するためです。

物件の相場をチェックする際は、不動産会社に直接聞いてみましょう。

Webサイトに載っている情報は成約前の価格なので、交渉後いくらで買い取られているのかがわかりません。

不動産会社が保有している周辺地域の売買事例を確認し、自分が希望している価格で売れる見込みがあるか確かめてください。

関連記事:不動産売却の相場を確認する方法と相場を把握して高く売るための知識

専門家から住宅診断を受ける

「1万円でも高く家を売却したい」と考えている方は、専門家に住宅診断を依頼してみましょう。

住宅診断とは、診断士が家の不具合や修復すべき箇所をアドバイスする専門業務のことです。

第三者から家に関する調査を受けることで、価格の妥当性や価値をアピールできます。

たとえばあなたが家の購入を考えていると仮定しましょう。

営業担当から「不具合もなくいい物件です」といわれるよりも、「不具合のない物件と専門家から評価されました」と伝えられたほうが魅力的に感じるのではないでしょうか。

このように住宅診断を受けると、第三者から見てもいい家だとアピールできます。

高く売るための付加価値となるので、住宅診断を受けてみてください。

家を売却するまでの具体的なステップ

「はじめての売却で今後の流れがわからない」「できるだけ早めにお金が必要」と悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

そこで以下では、家を売却するまでの具体的なステップを解説します。

流れを知っているだけで不安にならずに済むので、一読してみてください。

1.複数社に査定を依頼する

まずは複数社に売却査定を依頼しましょう。

「家を高く売りたい」と考えている方は、複数社から査定をもらって高値で取引してくれる会社を見つけることが大切です。

不動産会社とのコネクションがないなら、不動産一括査定サイトを活用しましょう。

売却予定の家の情報を1度入力するだけで、4社から6社程度の査定をもらえます。

2.取引する不動産会社を見つける

査定を依頼して複数社から連絡が来たら、取引する不動産会社を選別しましょう。

基本的には対応の良さや査定額の高さで選びます。

一括査定で取引をはじめた不動産会社の中から、希望する会社を見つけてください。

3.媒介契約を結ぶ

取引する会社を見つけたら、媒介契約を結びます。

媒介契約とは、家を売る際に不動産会社と結ぶ契約のことです。

媒介契約を結んだ不動産会社は、買い手を見つけるために販売活動を行います。

4.不動産会社が売却活動を行う

ここまでの手続きが済んだら、売り手は買い手が現れるまで待ちましょう。

不動産会社が売却活動を行ってくれるため、売り手がやることはとくにありません。

不動産会社は「レインズ」と呼ばれる業者用のポータルサイトに家の情報を載せます。

また店頭に掲載する広告やチラシ投函も売却活動のひとつです。

5.買い手と売買契約を結ぶ

内見や金額の交渉が済んだら、買い手と売買契約を結びます。

不動産会社に在籍している宅地建物取引士が重要事項説明を行い、条件を擦り合わせて契約です。

売り手と買い手が顔を合わせることは基本的にありません。

不動産会社から定期的に連絡が入るので、売買の進捗は担当者に聞いてみてください。

6.決済し物件を引き渡す

売買契約を結んだら、決済を済ませて物件の引き渡しに入ります。

売却予定の家に住んでいる方は、引き渡しまでに退去の手続きを済ませてください。

引き渡しの際は代金の決済や抵当権の抹消手続きなどを行う必要があります。

不動産会社や司法書士と連携しながら、滞りなく引き渡しまで手続きを済ませてください。

家を売却するまでにかかる期間と売れやすい築年数

「家を売却するまでにかかる期間を知っておきたい」「この築年数だといくらになるのだろう」と悩んでいないでしょうか。

実際に売却するまでにかかる期間や売れやすい築年数は傾向が出ており、知っていると不安なく売却に臨めます。

とくに家を売った前例がない方は、下記の情報をひとつの目安にしてみましょう。

家を売却するまでにかかる期間は3カ月から6カ月程度

一般的に家を売却するまでにかかる期間は、3カ月から6カ月程度だといわれています。

人の流れが多い都心や駅周辺にある物件なら、より早期での売却が見込めるでしょう。

売却までの期間は目安であり、人口の少ない地域や家の状態によっては6カ月以上かかる可能性もあります。

より具体的に知りたい方は、不動産会社の担当者に確認してみてください。

家は築20年から25年までが高値で売れやすい

レインズの調査によると、中古マンションは築20年、中古戸建て住宅は築25年までが比較的高値で売れやすいとわかりました。

中古マンションの場合は、築20年を経過すると平均価格が2,000万円程度下がります。

一方戸建て住宅はマンションよりも平均価格の下落は穏やかで、年々緩やかに下がりながら築25年を経過すると1,000万円程度値下がりします。

ただし、年数を経過するごとに売れる価格が下がっていくことに変わりありません。

家の売却を検討している方は、1年でも早く査定に出して高値で取引できるうちに買い手を見つけてください。

引用:レインズ|築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2023年)

物件を高く売るときにやってはいけない損する行動

「家を1万円でも高く売って新居の費用にあてたい」「はじめての売却だから損したくない」と考えている方もいらっしゃるでしょう。

家を高く売りたいと思っているなら「損する行動」を知っておくと、思わず損するリスクが軽減できます。

以下で紹介している損する行動を参考にし、高値で売却してください。

相見積もりを取らずに一社と取引

家を高く売るときに注意したい行動は、相見積もりを取らずに一社と取引することです。

「以前からお世話になっているから」「広告でよく見ていたから」などの理由で選んでしまうと、数百万円単位で損するかもしれません。

たとえばA社からもらった査定が2,500万円で、B社の査定が2,700万円だったとしましょう。

もしA社にしか査定をもらっていなかったら、本来受け取れるはずだった200万円を自ら手放すことになります。

このように相見積もりを取らずに売却すると、思いがけず損してしまう可能性があるので注意してください。

ポータルサイトに暗めの写真をアップ

ポータルサイトに暗めの写真をアップすることも、損する行動の代表例のひとつです。

よくある損する写真の撮り方は、下記を参考にしてみてください。

  • 室内光のまま撮影してオレンジ色の写真になる

  • 逆光のまま撮影して室内の様子がわからない

  • 明るく撮りたいあまりに白飛びしている

このような写真を撮ると、買い手が見たときに「古い感じがする」「日当たりが悪そう」「清潔感がない」と感じてしまい、内覧に至らない可能性があります。

オレンジがかった写真になる場合は、Lightroomなどの編集ソフトでホワイトバランスを調節しましょう。

また撮りたい場所が逆光なら、暗い部分にフォーカスをあてて撮影すると多少調節されます。

ポータルサイトの写真は、買い手の第一印象を決める重要な素材です。

自分ではうまく調節できないようなら、写真家に頼んでみましょう。

スケジュールに余裕がなく自己都合で売却

スケジュールに余裕がなく、自己都合で売却するのも損する行動のひとつです。

「近い将来大きなお金が必要だから値引きをしてでも売却したい」などの要望があると、時間があれば受け取れるはずだった数十万円から数百万円を失うかもしれません。

家が売れるまでの期間は所在地にもよりますが、おおむね3カ月から6カ月だといわれています。

専任媒介契約や専属専任媒介契約の契約期間が最長3カ月であることからも、最低でも3カ月はスケジュールに余裕を持たせておきましょう。

譲渡益を多くしたいあまりに仲介手数料を過剰に値切り

「手数料を抑えれば譲渡益を多くできる」と考えて、仲介手数料を過剰に値切ってしまうことも損する行動としてあげられます。

仲介手数料は不動産会社の重要な収益源なので、過剰に値切ると担当者の販売意欲を削いでしまうかもしれません。

たとえば、不動産会社が仲介手数料の数%をボーナスとして社員に分配する形で運営していると仮定しましょう。

契約したら100万円の仲介手数料を受け取れる物件Aと、20万円しか受け取れない物件Bがあった場合、物件Aの優先順位が高くなるのは明白です。

仲介手数料を値切るのではなく、高値で売却できる会社を見つけるようにしましょう。

「築古物件だから」と相談せずに解体

築古物件だからと、不動産会社に相談せず解体するのも損する行動のひとつです。

買い手の中には「安く買って自分でリフォームしたい」と考えている方もいるため、解体すると機会損失になる可能性があります。

解体を考えている方は、取引している不動産会社に解体する必要性はあるか確認してみてください。

解体したほうが売却できるチャンスが増えるとわかってから業者に依頼しましょう。

関連記事:一戸建てを売りたい!相場以上で売るためにあなたができること

家を高く売りたい人によくある質問

所有している家を高く売りたい方によくある質問を3つまとめました。

とくにはじめて売却する予定の方は、先人が抱えていた悩みを一読してから手続きをはじめるとスムーズです。

3000万の家は5年後いくらで売れますか?

戸建て住宅で建物2,000万円、土地1,000万円と仮定した場合、約2,400万円で売却できる可能性があります。

国土交通省によると、木造戸建て住宅の市場価格は5年で7割まで減少するといわれています。

家の所在地にもよるので、あくまでもひとつの目安として認識するとよいでしょう。

参照元:国土交通省|中古住宅流通、リフォーム 市場の現状

家を売ってお金が入るまでにはどれくらいかかりますか?

家を売ってからお金が入るまでにかかる期間は1カ月から3カ月程度かかります。

すぐにお金が必要な方は、不動産会社と取引をはじめた際にいつ受け取れるか確認してください。

売れない家はどうしたらいいですか?

家が売れないときは、売却価格を下げたり買取業者に買い取ってもらうなどの対処法があります。

不動産会社と相談しながら、売り切るための対処法を模索してみましょう。

取引している不動産会社に販売意欲がないと感じたら、不動産会社の変更もおすすめです。

まとめ

この記事では、家を高く売りたい方向けのコツを7つ紹介しました。

家を1万円でも高く売りたいと考えているなら、売却時期や家の状態、業者選びは欠かせません。

また記事内で紹介している損する行動を理解し、家の価値を下げないように動くのも大切です。

これから売却に向けて行動する方は、不動産会社選びが大切になります。

不動産会社一括査定サイトなどを活用して、高値で取引してくれる会社を見つけてください。