家を売るとなったとき、多くの方がどの不動産会社に依頼するか迷われます。依頼する不動産会社によって、売却価格や販売期間だけでなく、売却の成否にも影響する可能性があります。
不動産会社といっても、大手不動産会社から地域密着の中小不動産会社までさまざまです。この記事では、不動産会社を選ぶ6つの基準について紹介するとともに、大手と中小不動産会社の判断基準についても解説します。
また、なかなか家が売れない場合、不動産会社を介した仲介以外にも買取という方法があります。仲介と買取どちらで進めるべきかの判断基準も紹介しますので是非参考にしてください。
この記事の目次
家を売るならどこがいい?不動産会社を選ぶ6つの基準
はじめて家を売却する人もいるなか、依頼する不動産会社をどのように選べばよいのでしょうか。不動産会社を選ぶ6つの基準について解説します。
査定価格の精度と根拠
1つめは、査定価格の精度と根拠です。
査定価格が間違っていると適正な売り出し価格を設定できません。売り出し価格が高すぎると、販売開始直後の売りやすいタイミングを逃すだけでなく、反響が減り、売却期間が長期化する可能性が高くなります。反対に査定価格が低すぎると、売却できても本来得られた売却収入より少なくなりかねません。
ただし、査定価格が適正なものであるか判断が難しい場合もあるでしょう。そのため査定価格と価格を算出した根拠を複数の不動産会社で比較することが大切です。価格に一喜一憂するのではなく、算出根拠をしっかりと聞き、比較することで信頼できる査定価格であるか判断しやすくなります。査定を依頼する前に自分でも相場を調べておくとよいでしょう。
高値で売りたいと思うのは当然ですが、査定価格が一番高いという理由だけで選ぶと後悔する可能性があります。高値売却を狙うとしても、適正な査定価格を把握したうえで価格設定することが大切です。
売却する不動産の取扱い実績
2つめは、売却予定の不動産の取扱い実績です。
不動産会社のなかには、マンションを専門の会社もありますし、新築戸建てを主に扱っている不動産会社などもあります。また、売却も手がけているものの、主な取引は売買ではなく賃貸という会社もあるでしょう。
また、マンションと比べて一戸建ては、不動産会社によって査定価格に差が出やすい特徴があります。そのため、一戸建てに慣れていない不動産会社は査定価格の信頼性が低くなることもあります。
また、一戸建てのなかでも、建物の築年数はさまざまです。古家付きの土地として売却するか、更地にしたほうがよいかなど、最適な販売方法を判断する必要があり、一戸建ての取扱い実績が豊富な会社に依頼すべきです。
売却する不動産にあわせて取扱い実績がどれくらいあるを確認して決めることが必要です。
広告媒体などの販売方法
3つめは、不動産の売却方法です。査定依頼時に、査定価格とあわせて確認する必要があります。
今では、主な販売方法はインターネット広告です。スーモやアットホームなどのポータルサイトのほか、各不動産会社のホームページ、なかにはSNSを活用している会社もあります。売却を成功させるためには、物件情報の拡散力は重要なポイントです。
また、中古の不動産は1つ1つ物件の状態が異なります。基本的に売却前にリフォームは必要ありませんが、物件によっては部分的な補修やハウスクリーニングを入れた方がよいケースもあるでしょう。
立地によっては、ネット広告以上に近隣に住む人を対象として、内覧会を開催したり、集中的にポスティングするなどが有効な場合もあります。
ただ、広告に掲載するだけでなく、販売方法に関する提案がある不動産会社の方がより積極的に動いてもらいやすいといえます。
広告に掲載する画像や文言なども含めて、販売方法や販売戦略が信頼できる不動産会社を選ぶことが大切です。
担当者の経験・実績・相性
4つめは、担当者の経験や実績、相性です。不動産会社選びは大切ですが、誰が担当するかはそれ以上に大切かもしれません。
宅地建物取引士資格をはじめ保有する資格や不動産売買の経験、実績をホームページなども参考にしながら確認するとよいでしょう。
ここでポイントとなるのは、地域情報にどの程度精通しているかです。地域の買い物施設や学校、公共施設、病院などの生活に直結する情報を知っていると、内覧時の買主への説明にも説得力が出ます。
購入者は広告の物件情報や内覧で見たもの以外に、生活や交通の利便性についてその地域の生の情報を欲しいと思っています。そのため内覧時に、購入者の疑問にしっかりと対応できる担当者であれば安心です。
また、不動産の売却は、販売期間を経て買主が見つかり、売買契約、引渡しまで長い期間を要することもあります。その間、担当者から販売状況の報告を受け、相談しながら進めることが必要です。そのため、信頼できる、コミュニケーションがとりやすいなど自分との相性も大切です。
不動産会社の評判・口コミ
不動産会社の評判や口コミも不動産会社選びの参考にしてもよいでしょう。
・良い口コミ
とにかく担当者のレスポンスが早く、正確丁寧であった。ネット掲載写真も加工により家具消しが可能だったので引越し前に散らかった部屋でも、余計な時間を取られる事なく売却準備ができた。
売却期間は想定内のものでした。今回は住み替えでなかったので売却に急ぐ必要もなく、自分たちの納得のいく価格で売却できたのは大きかったです。ただ販売時期はかなり重要だと感じました。
自身も相場等調べていたので最低ラインを確認済みでしたが、相見積もりの際各社共に売却価格にかなり開きがありました。お願いした会社は担当者のレスポンスも早く、かつ提案も丁寧だったこと、見積もりも妥当な金額だったため依頼しました。期待通りで満足しています。
最初訪問して頂いた各社担当者の中で圧倒的にレスポンスが早く、また内容も丁寧であった事が決定打でした。地元も同じということで親近感もありこちらの担当者、会社に依頼しました。
引用:おうちの語り部
・悪い口コミ
一般媒介で我が家の仲介を依頼しました。最初に契約書を交わすまでは問題ありませんでしたが
契約書を交わして1組は内覧に来ていただきましたが、あとは何もありません。
販売活動はネットのアクセスを待つのみで、販売報告は判をついたような内容ばかり…。
結局、他の不動産の仲介で無事に売買成立しました。
その後、営業さん宛てに売買が成立した旨を連絡しましたが、何の返信もありませんでした。
大手なのに残念なことばかりでした。
引用:みん評
また、口コミや評判は、不動産会社選びだけでなく、売却を進めるうえでどのような点に注意すべきかを知るための情報源でもあります。
売却後に良かった点、不満が残った点を参考にすることで、事前に不動産会社に確認すべきポイントも分かりますので調べてみましょう。
売却をサポートするサービス
最後の、不動産会社選びのポイントは、売却をサポートするサービスです。
不動産の売却をサポートするサービスはいろいろあります。
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ホームステージング
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ハウスクリーニング
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住宅設備補修
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建物保証・瑕疵保証
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建物状況調査(インスペクション)
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荷物の一時預かり
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土地診断・土地測量
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プロカメラマンの活用 など
物件の状況によって、これらのサービスを効果的に活用できるケースがあります。不動産会社によって無料から有料まで料金体系は異なりますので、担当者やホームページで確認しましょう。
ただし、売却サポートは不動産会社を選ぶ1つの要素と考え、その他の基準とあわせて判断するようにしましょう。
家を売るなら大手?中小不動産会社と迷ったときの判断方法
不動産会社を選ぶ基準について紹介しましたが、そもそも大手と中小不動差会社どちらがいいの?と思われる方もいるでしょう。ここでは大手、中小不動産会社の特徴を踏まえ、それぞれの選び方について解説します。
大手と中小不動産会社それぞれの特徴
大手と中小不動産会社の特徴をまとめると以下のようになります。
大手不動産会社の特徴 |
中小不動産会社の特徴 |
・抱えている購入希望者が多い ・グループ会社を含めた組織的対応力がある ・広告媒体が豊富 ・売買と賃貸が明確に分かれている ・売却をサポートするサービスを提供している ・店舗が都市部に集中している ・地域情報に精通していない場合がある ・(中小と比べると)柔軟性に欠ける ・仲介手数料の値引き対応に消極的 ・物件によっては優先順位が下がる |
・地域に密着し情報に精通している ・フットワーク軽く柔軟な対応をしてもらいやすい ・不動産会社によって実力にばらつきが出やすい ・複雑な案件に対応できないことがある ・買主の認知度が低い ・売却サポートを提供していない会社もある ・独自の仲介手数料体系の会社もある |
大手不動産会社は、その知名度と信用力、グループ会社を含めた対応力がある点がメリットといえます。
ただし、大手不動産会社は全国的に営業展開しているものの、都市部に営業所が集中していて、地域によってカバーしている範囲が狭いことがあります。そのため物件の所在地によっては、営業所から遠く、きめ細かいサポートを受けることが難しいケースもあります。
一方、中小不動産会社は、大手のような認知度はないものの、地域に特化して活動し、地元情報に精通している点が特徴です。
また、大手のような組織力はなく、例えば家族信託といった複雑な案件の対応が難しい場合もあります、ただし、売却価格がそれほど高くない物件でも、フットワーク軽く柔軟な対応が依頼しやすい点はメリットといえるでしょう。
大手不動産会社に依頼したほうがよいケース
上記の特徴を踏まえ、大手不動産会社に依頼したほうがよいケースについて解説します。
売却をサポートするサービスを活用したい
売却をサポートするサービスを活用したい場合、積極的に大手不動産会社に依頼すべきでしょう。
売却サポートにはさまざまなものがあります。例えば、野村の仲介では、一戸建てを対象とした「あんしん建物補修」というサービスを提供しています(2024年5月時点)。
これは、建築士などの専門家が、国が定めた調査基準に沿った建物状況調査を実施し、不具合箇所があれば5万円まで補修するサービスです。対象となる物件は、築30年以内の一戸建てで居住用の物件で、検査に合格した物件は引渡しから2~5年間、最大500万円までの保証が受けられます。
中古住宅の売却でネックになるのは、内覧時には分からない欠陥や不具合です。特に、一戸建ての場合、マンション以上に、買主は建物に見えない欠陥がないかを気にしやすくなります。
築年数が古すぎる物件では活用できないこともありますが、物件次第では、早期売却やより高値での売却につながりやすく、活用する意味は大きいといえます。
このような売却サポートを活用しやすい物件は、特に大手不動産会社を利用しやすいといえるでしょう。
なお、大手の不動産会社のなかでも、サポートの対象となる物件や条件、有料か無料かなど異なりますのでしっかり確認して決めるようにしましょう。
都市部での売却
都市部での売却も大手不動産会社を活用しやすいといえます。
例えば、東急リバブルは、首都圏では東京都のほか神奈川、千葉県、埼玉県、関西圏では大阪府のほか兵庫県、京都府に店舗を展開し、その他に、北海道、宮城県、愛知県、福岡県に店舗を構えています。
こういった都市部での不動産売却では、販売実績も豊富にあり、購入希望者を多く抱える大手不動産会社に依頼するメリットは大きいといえるでしょう。
ただし、大手のなかでも不動産会社によって展開している店舗数は異なります。また、店舗展開している都道府県であっても、地域によってはサービス提供エリア外もしくは店舗から遠く、十分なサポートを期待しにくい地域がある点には注意しましょう。
中小不動産会社に依頼したほうが良いケース
一方、中小不動産会社に依頼したほうがいいケースについて解説します。
地域情報に精通している会社に依頼したい
地域情報に精通している会社に依頼したい場合、中小不動産会社に依頼するとよいでしょう。
大手不動産会社と異なり、地域に特化している分、地元の情報だけでなく地域の取引事例を数多く蓄積している不動産会社もあります。
また、地域情報に精通しているメリットは、内覧時の対応についても、生活に必要な生の情報を提供しやすく、成約率が高くなりやすい点にあります。
特に、都市部の駅近くの立地では不動産売買の取引件数も多く、地域情報はインターネットを含めて得られやすい傾向ですが、駅から離れた郊外の物件などは、生活環境に関する情報は少ない傾向です。
こういった地域で豊富な情報を持つ不動産会社を利用するメリットはより大きいといえるでしょう。
きめ細かく柔軟な対応をして欲しい
きめ細かく柔軟な対応を期待したい場合も中小不動産会社を積極的に活用してもよいでしょう。
大手不動産会社では、1人の担当者が数多くの物件を抱えているケースも多く、状況によっては十分な対応を期待できない場合もあります。営業所から離れた物件や成約価格が低い物件だと、内覧対応にも手間がかかりやすく、数ある物件のなかで優先順位が下がることも考えられます。
この点、物件の所在地を営業エリアとする中小不動産会社であれば、その地域での実績を豊富も多く、売りにくい物件を含めて、柔軟に対応してもらえる可能性は高いでしょう。
田舎や郊外など大手の店舗がないエリアの物件
大手の店舗がない田舎や郊外エリアの物件は、地域の中小不動産会社に依頼したほうがよいでしょう。
不動産売却では担当者の動きや対応は重要です。この点、営業所から距離のある郊外の物件だと十分なサポートを受けられない可能性が高くなります。
また、田舎や郊外の物件であれば、都市部と比べ売買価格は低くなるため、都市部の物件を多く抱える大手不動産会社のなかでは優先順位が下がることが考えられます。
田舎や郊外の物件は、地域の中小不動産会社に依頼したほうがいいでしょう。
家を売るならどこがいい?不動産会社を選ぶときの注意点
ここでは不動産会社を選ぶときの注意点について解説します。
仲介手数料だけで判断しない
不動産会社を決めるときに、仲介手数料だけで判断しないことです。
不動産会社のなかには、仲介手数料半額、一律○○○円などの料金体系を前面に出している会社もあります。
仲介手数料については、法律上上限の規定はありますが、下限について規制はありません。そのため法律の範囲内で自由に設定することが可能です。
ただし、物件価格にもよりますが、仲介手数料が安すぎると、物件掲載の広告費にも影響する可能性があります。仲介手数料が安くても、広告掲載が足りず販売期間が長期化する、売れないとなると本末転倒です。
仲介手数料の割引は、不動産会社を選ぶ1つの要素として考慮できますが、それだけで判断すると後悔する可能性があります。
まずは、不動産をより高く、より確実に売却できる不動産会社を選ぶことが必要です。
囲い込み
不動産売却においては、不動産会社による「囲い込み」に注意する必要があります。
囲い込みとは、売却の依頼を受けた不動産会社が、客付け会社、つまり購入希望者を紹介してくれる他の不動産会社に情報をオープンにせず、自社で両手仲介を得ようとすることをいいます。
例えば、他の不動産会社からの購入検討者の紹介に対して、「商談中」「売主都合で内覧できない」などの理由をつけて、内覧できないようにすることなどをいいます。
日本では、売主と買主を同時に仲介する両手仲介が認められており、取引が成立すると双方から仲介手数料をもらうことが可能です。これを狙って囲い込みが行われる場合があるということです。
完全に囲い込みを確認することは難しいですが、不動産会社を決めるとき「両手仲介にこだわらずに売却活動を進めて頂けますか?」と確認するとよいでしょう。不動産会社に囲い込みについて知識があることを知らせておくことで、一定の予防効果が期待できます。
また、レインズへの登録義務がある専任媒介契約あるいは専属専任媒介契約の場合、レインズの「登録証明書」を発行してもらえます。
登録証明書に記載のURLとID、パスワードで売却物件がどのように登録されているかを確認することが可能です。売却中は取引状況が「公開中」となっています。
その他、売却状況の報告をもらう際に、反響や問合せ数などのデータを確認したり、囲い込みが疑われる場合、知り合いの不動産会社から連絡してもらうなどの方法もあります。
免許番号
不動産売買の業歴を判断するものに、宅地建物取引業者の免許番号があります。宅建の免許は5年ごとに更新が必要であり、免許番号に更新回数が表示されます。
例えば、免許番号が「東京都知事(2)○○○号」の場合、( )内の数字2が更新回数です。つまり、この不動産会社は6〜10年の業歴であることが分かります。
もっとも、業歴が短い不動産会社だからといって、売却を依頼するのにふさわしくないわけではありません。あくまで査定価格や販売方法などとあわせて注意すべきポイントとして知っておきましょう。
過去の行政処分歴
依頼する不動産会社に過去、行政処分歴がないか確認しましょう。
売買だけでなく宅建業全般を行うにおいて、法令に違反する行為があった場合、行政処分の対象となります。
重要事項説明や売買契約締結時に事実と異なる説明をした場合や不当な勧誘をした場合に、「業務停止」や「行政指導」「免許取消」などの処分が課されます。
行政処分の有無は、国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で検索できるほか、行政庁で過去の処分歴を公開していますので確認が可能です。
売れない家を売却するには?仲介と買取の判断基準
売却活動を進めるなかで、問合せが少なくなかなか売れない場合もあります。その時に考えられるのが買取です。買取と仲介の違いを踏まえ、仲介、買取どちらで進めるかの判断方法について解説します。
仲介と買取の違い
仲介は、不動産市場に物件を公開し、広く買主を募集して売却する方法です。不動産会社が売主と買主の間に入り販売から契約、引渡しまでサポートします。
一方、買取は、不動産会社に直接売却する方法です。買主を探す必要がなく、内覧対応も必要ありません。現金化までのスピードが早い、仲介手数料がかからないなどが特徴です。
ただし、不動産会社は買い取った物件にリフォームやリノベーションなどを施し、販売することを目的としているため、買取価格は仲介と比べると低くなります。
買取で売却したほうがよいケース
買取での売却したほうがよいケースは以下のような場合です。
-
売却にかけられる期間が短い
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できるだけ近所に知られずに売却したい
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築年数が経過し、物件の状態が悪い
買取は数日から数週間と引渡しまでの期間が短く、現金化が早い点が特徴です。そのため、売却にかけられる時間がない場合に検討しやすい方法です。
それに加え、仲介のような内覧対応や広告を掲載する必要がないため、近所に知られずに売却したい場合も適した方法といえるでしょう。
また、築年数が経過し状態が悪い物件で、契約不適合責任を負いたくない場合も、買取で進めやすいといえます。
契約不適合責任は、売却した不動産が品質や数量などで契約内容と異なる場合に負う売主の責任です。買取の場合、通常、契約不適合責任が免責となり、引渡し後に不具合が見つかっても責任を負う必要がありません。
仲介と比べて売却価格は低くなりますが、売却にかけられる時間や物件の状況にあわせて買取で進めるほうが良い場合もあります。
仲介で売却したほうがよいケース
一方、仲介て売却したほうがよいのは、次のようなケースです。
-
時間がかかってもできるだけ高く売りたい
-
比較的築年数が浅い
-
住宅ローンが残っている
買取の場合、およそ相場の6~7割程度の価格になることが多くなります。そのため、時間をかけてもできるだけ高く売りたい場合は、相場に近い価格で広く購入希望者を集められる仲介で売却したほうがよいでしょう。
一般的に、不動産売却にかかる期間は3~9カ月程度ですが、なかには1年以上経って売却する物件もあります。
売却期間が長いほど、当初の売り出し価格からの値引き額は大きくなる傾向ですが、買取と比べて高値で売却できる可能性はあります。住宅ローンが残っている場合は、完済するために売却価格を一定金額から下げられない場合もあるでしょう。
また、比較的築年数が浅い物件は、築古物件と比べると、売却しやすいうえ引渡し後の欠陥が見つかりにくく契約不適合責任が免責になるメリットは少ないといえます。
複数の不動産会社を比較できる一括査定サイトの選び方
売却する不動産会社を選ぶ際には、比較することが大切です。ここでは、複数の不動産会社を比較できる一括査定サイトの選び方について解説します。
提携不動産会社・同時査定依頼数(主要サイトまとめ表)
一括査定サイトを選ぶとき、提携する不動産会社数は、依頼できる選択肢の数に影響するため重要な要素です。
都市部の場合、不動産会社数は多いですが、郊外や地方にいくと不動産会社が少なくなります。そういった点でも、提携不動産会社数が多いサイトのほうが選択肢が増えやすいでしょう。
また、1度で同時に査定依頼できる件数が多いほうが、そのなかから訪問査定を依頼する不動産会社が選びやすくなります。
参考に、主要な不動産一括査定サイトの提携不動産会社数と同時査定依頼数をまとめました(2024年5月時点)。
提携不動産会社数 |
同時査定依頼可能件数 |
|
LIFULL HOME’S |
約4,500社 |
10社 |
HOME4U |
約2,300社 |
6社 |
イエウール |
約2,300社 |
6社 |
すまいValue |
6社 |
6社 |
リビンマッチ |
約1,700社 |
制限なし |
SUUMO売却査定 |
約2,000店舗 |
10社 |
対応エリア
ほとんどの不動産一括査定サイトは全国対応となっていますが、なかには首都圏のみ対応しているサイトもあります。
また、すまいValueは大手不動産会社6社で構成される一括査定サイトです。全国に店舗はありますが、都市部が中心で店舗がない都道府県もあります。
全国対応となっているものの、地方で対応できる不動産会社がない、あるいは少ないサイトもあります。その場合、複数の一括査定サイトを併用するなど、売却エリアにあわせて進めるようにしましょう。
サイトの信頼性
不動産一括査定サイトでは、物件情報を含めて個人情報の提供が必要です。そのため情報の取扱いやサイトに掲載されている情報の信頼性も大切です。
例えば、LIFULL HOME’Sの匿名査定では物件情報以外にメールアドレスの提供が必要ですが、専用ページで閲覧することで不動産会社には個人情報を伝えずに査定が可能です。
また、個人情報についても、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格「ISO/IEC 27001」および国内規格「JIS Q 27001」の認証を取得するなど、サイトの信頼性を高める取り組みを行っています。
このようなサイトの信頼性も判断基準の1つです。
まとめ
家を売るときどの不動産会社に依頼するかは、売却価格や販売期間にも影響する可能性があり非常に重要です。
ただ、高く売りたいのは当然としても、査定価格が高いだけで不動産会社を決めると後悔する可能性があります。
不動産には需要が高い売れやすい物件とそうではない物件があり、かけられる売却期間、物件の状態、売主の状況など、さまざまな要素を考慮して決めることが必要です。高すぎる価格で売出すことは、販売機会を失い、無駄に販売期間が長くなるなどのデメリットもあります。
大切なのは、相場により近い査定価格を知り、不動産会社の販売方法を比較検討することです。最終的に、売り出し価格は売主が決めることができますので、正しい相場を把握した上で高値で売却活動を進めることもできます。
査定価格と査定結果の根拠、販売方法、担当者を比較し、信頼できる不動産会社に依頼しましょう。
是非参考にしてください。