マンションの売却を検討している方は、自分が所有している物件の価格相場を理解している必要があります。

しかし、これまでマンションの売却を考えたことがなく相場観がまったくない、という方も多いことでしょう。

相場を知らずに物件を売却すると数百万円損してしまう可能性もあるため、必ず周辺地域の価格は抑えておかなければなりません。

そこで本記事では、5大都市を中心にここ10年のマンション価格の推移を紹介します。

築年数ごとの価格推移やマンション売却時の注意点もまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

この記事の目次

地域ごとのマンション価格推移を解説

マンションの売却価格は、地域によって数千万円単位で異なります。

全国的な状況を確認するよりも、自分の住んでいる地域に近い場所の価格をチェックしたほうがよいでしょう。

そこで以下では、5大都市を中心に地域ごとのマンション価格推移を解説します。

東京都のマンション価格推移

マンション価格

2012年

3,060万円

2013年

3,192万円

2014年

3,424万円

2015年

3,618万円

2016年

3,799万円

2017年

4,021万円

2018年

4,162万円

2019年

4,326万円

2020年

4,611万円

2021年

4,974万円

2022年

5,399万円

参照元:レインズ 中古マンションの基本指標[東京都]

2022年時点で、東京都は中古マンションの売買価格が5,000万円を超えています。

2012年と比較すると約1.8倍になっていて、取引が活発に行われていることがわかるでしょう。

駅近や山手線沿線など、所有している物件が都心に近い場合は、高値での売却が期待できます。

神奈川県のマンション価格推移

マンション価格

2012年

2,367万円

2013年

2,421万円

2014年

2,567万円

2015年

2,632万円

2016年

2,681万円

2017年

2,827万円

2018年

2,899万円

2019年

2,909万円

2020年

3,069万円

2021年

3,259万円

2022年

3,534万円

参照元:レインズ 中古マンションの基本指標[神奈川県]

神奈川県のマンション価格推移は、東京都と比較すると穏やかな傾向にあります。

ただしここ3年で一気に価格を上げている背景があるため、資産価値が高くなっていると言えるでしょう。

しかし、今後は金利上昇など売買を鈍化させる動きも考えられます。

マンションの売却を考えている方は、今のタイミングで査定に出してみるのはいかがでしょうか。

京都府のマンション価格推移

マンション価格

2012年

1,729万円

2013年

1,842万円

2014年

1,914万円

2015年

2,026万円

2016年

2,068万円

2017年

2,285万円

2018年

2,375万円

2019年

2,445万円

2020年

2,449万円

2021年

2,696万円

2022年

2,775万円

参照元:近畿レインズ 中古マンションの基本指標[京都府]

京都府の中古マンション価格推移は、ここ10年間で1.6倍上昇しました。

とくに2020年から22年までの間で326万円価格を上げており、資産価値が高まっていることがわかります。

NHKによると、京都市は人口減少が予想されています。

物件の場所によっては物件の価格が減少してしまう可能性があるので、売却のタイミングを見計らっている方は一度査定に出してみるとよいでしょう。

大阪府のマンション価格推移

マンション価格

2012年

1,682万円

2013年

1,793万円

2014年

1,916万円

2015年

2,012万円

2016年

2,169万円

2017年

2,234万円

2018年

2,400万円

2019年

2,473万円

2020年

2,551万円

2021年

2,719万円

2022年

2,903万円

参照元:近畿レインズ 中古マンションの基本指標[大阪府]

大阪府の中古マンション価格は堅調に上昇しています。2012年と2022年のマンション価格を比較すると、約1.7倍の上昇となりました。

NHKによると、都市部の物件と郊外の物件で価格の二極化がありながらも、郊外の物件も徐々に価格が上昇していると報じています。

都市部以外に物件を持っている方も、まずは査定に出していくらで売れるか確かめてみましょう。

兵庫県のマンション価格推移

マンション価格

2012年

1,744万円

2013年

1,817万円

2014年

1,835万円

2015年

1,905万円

2016年

1,956万円

2017年

2,001万円

2018年

2,098万円

2019年

2,187万円

2020年

2,230万円

2021年

2,335万円

2022年

2,515万円

参照:近畿レインズ 中古マンションの基本指標[兵庫県]

2022年の兵庫県のマンション価格は2,515万円と、大阪や京都よりも割安な価格だとわかりました。

中古マンションの価格推移も穏やかで、2012年よりも1.4倍高くなっています。

日本の人口は減少傾向にありますが、神戸市中央区や兵庫区はいまだに増加している傾向にあります。

人口が増加している地域に物件を所有している方は、高値での売却が期待できるでしょう。

愛知県のマンション価格推移

マンション価格

2012年

1,486万円

2013年

1,581万円

2014年

1,650万円

2015年

1,750万円

2016年

1,801万円

2017年

1,926万円

2018年

1,969万円

2019年

2,091万円

2020年

2,123万円

2021年

2,238万円

2022年

2,288万円

参照元: 中部レインズ 中古マンションの基本指標[愛知県]

愛知県のマンション価格も他県と同様で上昇傾向にあります。

ただし東京や大阪と比較すると穏やかで、約1.5倍の価格上昇となりました。

愛知県の中でも名古屋市は、2027年のリニア開通に向けて賃貸物件の需要拡大が見込まれます。

名古屋駅周辺に物件を所有しているなら、今売却したらいくらになるのか査定に出してもよいでしょう。

中古マンションにおける築年数ごとの価格推移

引用:レインズ「 築年数から見た 首都圏の不動産流通市場(2022年)」

中古マンションにおける築年数ごとの価格推移は、上記画像のとおりです。

築20年経過するまでは下落が緩やかで、20年を過ぎてからは一気に価値が下がっていくことがわかります。

このことからも、築年数20年未満で売却を考えている方は、資産価値が下がる前に買い手を見つけたほうがよいでしょう。

なお、あくまでも画像の価格推移は参考資料です。

具体的な売却価格は物件よって異なるため、気になる方は不動産一括査定サイトを活用して今の物件の価値を確かめてみてください。

マンション価格が高騰している要因を解説

近年のマンション価格高騰を受けて「なぜここまで高値で取引されているのだろう」と考えているのではないでしょうか。

そこで以下では、マンション価格が高騰している要因を解説します。

建設資材の価格上昇

マンション価格が高騰している要因のひとつは、建設資材の価格上昇です。

建設物価調査会によると、原油・鉄鉱石・石炭・銅などの原材料価格が高騰し、建設にかかるコストが増大していることがわかりました。

資材の総合的な価格動向がわかる建設資材物価指数は2020年8月から27カ月連続でプラスとなり、最高値を更新しています。

円安などの影響もあり今後も建設資材が高騰する可能性もあるので、マンションを売却して新たに物件を購入しようと考えている方は価格動向に注意してください。

参照元:建設物価調査会 「資材価格が歴史的な高騰、なお注目が必要」

低金利で住宅ローンを組みやすい状況

低金利で住宅ローンを組みやすくなっている現状も、マンション価格を高騰させる要因となっています。

金利と不動産価格は密接にかかわっており、住宅ローン金利が低くなれば不動産の価格は上がるような仕組みになっているからです。

しかし、今後は金利が上昇する可能性があります。

日本政府は2016年1月から今までマイナス金利政策を行っていましたが、2024年3月に行われた金融政策決定会合で同施策の解除を決定しました。

金利上昇によって徐々にマンション価格が下落する可能性もあるため、売却を考えている方は今のうちに無料で査定を依頼してみてはいかがでしょうか。

参照元:NHK 【詳しく】日銀 マイナス金利政策を解除 異例の金融政策を転換

ウクライナ侵攻による木材輸入量の減少

マンション価格高騰の背景には、ウクライナ侵攻による木材輸入量の減少があります。

ロシアによるウクライナ侵攻をきっかけに、ロシアから輸入される木材が減少しました。

同国は「森林大国」とも呼ばれていて、日本は2021年時点で木材輸入額の5%を占める634億円を輸入しています。

しかしウクライナ侵攻によって木材を仕入れられなくなってしまったため、結果的に不動産価格の上昇につながりました。

マンション供給量の減少

新築マンション供給量の減少も、マンション価格を押し上げる要因となっています。

供給量が減り需要が高まれば、市場の原理で価格は上がっていくからです。

工業市場研究所の調査によると、2023年の分譲マンション供給は1,670物件・29,277戸と2年連続で前年比減を記録しました。

新築マンションの供給量が落ち込み需要が高まれば、購入できなかった方が中古物件に切り替える可能性も出てきます。

マンション供給量の減少は、中古物件の価格押し上げにもつながる可能性があると理解しておきましょう。

参照元:工業市場研究所「過去の首都圏分譲マンション市場動向」

テレワークの普及による住み替え需要の増大

マンション価格高騰の要因は、テレワーク普及による住み替え需要の増大もあります。

新型コロナウィルス蔓延によってテレワークが急速に拡大し、一定数住み替えを希望する層が出てきました。

しかしマンション供給量が減少している背景もあり、需要が高まりながらも供給が追いつかない状況となっています。

マンション価格高騰は、働きかたの変化も要因のひとつとなっていることを理解しておきましょう。

投資需要の高まり

マンション価格の高騰の要因となっているのは、不動産投資の需要が高まっている点です。

円安の影響で、海外投資家が日本の不動産を購入する機運が高まっています。

海外投資家はこれまでよりも3割から4割程度安く不動産を購入できるため、高級マンションでも積極的に投資として購入します。

こうした需要の高まりに供給が追いつかず、年々マンションの価格が上がっているのです。

今後のマンション価格は高止まりが続く見通し

今後のマンション価格は、しばらく高止まりが続く見通しです。

マンションを建てるための用地取得や建設に慎重になっている点や、建設業界の労働規制の影響で建設コストが高まる点が要因となっています。

しかし、日本政府がマイナス金利政策を解除したことで、緩やかに金利が上昇していくと予想されます。

金利上昇は不動産価格下落の要因となる可能性があることから、不動産の売却を考えている方は今のうちに査定に出すのもひとつの手でしょう。

マンション売却時の注意点

マンション価格の高騰をきっかけに、売却を検討している方もいらっしゃるでしょう。

しかし急いで売却すると、より高値で取引できる可能性を逃してしまうかもしれません。

以下で紹介する注意点を参考に、マンション売却で損をしないように対策してみてください。

その地域の価格相場を把握する

マンションの売却を検討している方は、その地域の価格相場を把握しましょう。

提示された売却価格が適正なのか判断するためには、地域に対する相場観が欠かせません。

たとえば不動産・住宅情報サイトで中古物件の相場をチェックしたり、地域の不動産会社の物件をチェックしたりする方法があります。

適正価格で売却するためにも、地域の価格相場を把握してください。

不動産一括査定サイトで相見積もりをとる

1万円でも高く売却するために、不動産一括査定サイトで相見積もりをとりましょう。

物件の査定額は会社によって異なるため、複数社から見積もりをもらえば高値で取引できる業者を見つけられるからです。

一括査定サイトで相見積もりをとると「A社では3,000万円だったけれども、B社では3,200万円の査定をもらえた」などのケースは少なくありません。

比較するだけで数万円から数百万円変わるケースもあるので、不動産一括査定サイトを通じて楽に相見積もりをとってみてください。

住宅ローンは完済しておく

不動産の売却を考えている方は、住宅ローンを完済しておきましょう。

住宅ローンの残債が残っていると、売却が決まってから借入先の金融機関に一括で返済しなければならないからです。

たとえば残債が3,000万円で不動産会社からもらった査定額が2,000万円の場合、売却しても1,000万円の借金を抱えたままになってしまいます。

住宅ローンを完済していない方は、金融機関が発行する返済計画表や残高証明書を確認し、いくら残っているのか確認してみてください。

見切り発車で不動産を売却し、残債が残ってしまわないようにしましょう。

物件の価格は希望価格よりも高めに設定する

不動産の売却を考えている方は、物件の売却価格を希望よりも高めに設定しましょう。

一般的に不動産の取引では、購入前に買い手と売り手で値引き交渉が行われるため、希望価格で提示すると思うような金額で売却できない可能性があります。

仮に買い手から値引き交渉があっても、希望価格であればスムーズに引き受けられるでしょう。

また値引き交渉がなく売却できれば、自分の手元に利益を多く残せます。

相場よりも遥かに高い金額では買い手が見つからない可能性もあるので、不動産会社を相談しながら希望価格を調整してみてください。

対応がていねいな担当者を見つける

不動産売却を考えている方は、対応がていねいな担当者を見つけましょう。

とくに初めて売却する方は勝手がわからず迷うため、知識が豊富でていねいに対応してくれる担当者が必要です。

担当者を見つける際は、不動産一括査定サイトを活用して同時に複数社とやりとりするとよいでしょう。

相性のよい担当者を見つけ、ストレスなく売却できる環境を作ってください。

マンション価格の相場を知りたいなら不動産一括査定サイトの利用がおすすめ

「時間をかけずにマンション価格の相場を知りたい」「自力で何社も申し込む時間がない」という方は、不動産一括査定サイトの利用がおすすめです。

平日日中は会社で働き、週末は子どもの習い事や家族でのおでかけで時間を確保できない方も、一括査定サイトを使えば即座に比較できます。

高値で取引してもらえる不動産会社を見つけるためには、複数社への見積もりが欠かせません。

忙しくて手短に査定を済ませつつ、いい会社を見つけたい方は、以下の記事で不動産一括査定サイトを見つけてみてください。

関連記事:不動産一括査定26サイトを紹介|あなたに合ったサイトが見つかる!

マンション価格の推移を調べる際によくある質問

マンション価格の推移が気になっている方によくある質問をまとめました。

自分が気になる疑問の詳細と回答をチェックしてみてください。

マンションで「2024年問題」とは何ですか?

マンションにおける2024年問題とは、建設従事者の人件費上昇や運送費の上昇、建築資材の高騰などが挙げられます。

マンションはいつ値下がりしますか?

1年間の中で値下がりしやすいタイミングは、7月から8月と11月から12月だといわれています。

マンションの需要が下がりやすく、購入してもらうためにも価格を下げて販売する傾向にあるのです。

一方1月から3月と9月から10月にかけては、値上がりしやすい時期だといわれています。

入学・入社・転勤など、ライフステージの変化が起こりやすいからです。

マンションは何年で安くなりますか?

新築のマンションは、20年経つと一気に値下がりする傾向にあります。

所有している不動産が築年数20年前後ならば、早めに査定に出してみましょう。

築10年のマンションの値下がり率はどのくらいですか?

新築の物件が100%だと仮定した場合、築10年のマンションは10%程度の値下がり率となります。

ここから20年までは緩やかに下降していき、20年を経過したタイミングで一気に下がります。

まとめ

この記事では、5大都市を中心にマンション価格の推移を紹介しました。

どの都市もおおむねマンション価格は上昇傾向にあり、とくに東京や大阪はここ10年で1.7倍から1.8倍の値上がりを見せています。

しかし、人口が減少している地域やアクセスの悪い物件だと、地域の伸び率にかかわらず物件の価値が減少しているかもしれません。

マンションの売却を考えている方は、統計だけでなく不動産会社に物件の査定を依頼してみてください。

どの不動産会社を利用すればいいかわからないなら、不動産一括査定サイトの利用をおすすめします。

地域の相場にあった見積価格を出してもらい、納得できる金額で売却してください。