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ここ数年、日本各地で水害が相次いでいます。かつては水害のなかった地域まで水害に遭っており、「こんなはずじゃなかった」「ここは安全だと思っていたのに」といったケースも多々あるでしょう。

より安全な地域に住みたい、床下浸水した家にはもう住みたくないので売りに出したい、と思っても、やはり床下浸水した家の価値は下がります。

床下浸水したということで家の価値が下がるのはもちろん、水害に遭った地域ということで地域全体の土地、物件の価値が下がります。つまり二重に価値が下落するということです。

とはいえ、少しでも高く売りたいと思うのは当然でしょう。そこで、床下浸水で価値の下がった家をなるべく高く売るための方法について解説します。

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この記事に記載の情報は2023年10月03日時点のものです

床下浸水の情報は絶対に隠さない

床下浸水に遭っても、乾かしてしまえばバレないのではないか?という心理が働くかもしれません。もちろん専門業者の目をごまかすのが難しいことはわかりますが、買主は気付かないのでは?と思っても不思議ではないでしょう。

後からトラブルになる

結論として、隠すことは困難で、なおかつ仮に隠し通せてもバレたときにトラブルになります。そして重大な瑕疵があるのに告知しなかったということで、ほぼ100%売主側の責任になります。後々買主が気付けば損害賠償問題になります。

単に契約が無効になるだけでなく、買主のライフプランに影響を与えてしまう可能性があるでしょう。引っ越しの手間や場合によってはすでに転勤を決めていたりする可能性もあり、そのあたりの賠償も必要になるかもしれません。

仲介業者は知っている

不動産の仲介業者は、買主が告知義務を放棄している状況を看過することはできません。そんなことをすると業者の評判がガタ落ちで、仲介を成立させるメリットよりも圧倒的にデメリットが大きくなります。

まず床下浸水を見過ごして仲介することはなく、また不動産業者は床下浸水に気付くので、結果的に買主に隠すのは難しいということです。

情報を隠すリスクは大き過ぎるので、価値が下がってしまうとしても公にするのが得策です

【関連記事】家を売る理由って言わないといけない?告知義務違反で裁判になった例

床下浸水に遭った家の価値を下げないための対応

床下浸水に遭った家の価値がある程度下がることは避けられません。しかし、なるべく価値を下げないためにできる対策があります。

まずは住宅診断で価値を把握

価値を下げない対策の第一歩として、現状の価値を知る必要があります。住宅の価値を知るということは、当然家の状態、修繕すべき個所なども明確になるということです。

住宅診断の相場は数万円~10万円程度なので、家の価値を下げないためのポイントが明確になることを考えれば、実施したほうが得でしょう。また買主側にとっても必要なことなので、話し合いによっては買主側との折半になる可能性もあります。

基盤強度の調査と改良を実施

床下浸水で影響を受けるのは家そのものだけでなく、地盤も該当します。地盤の強度が建築基準法の基準に満たない場合、地盤改良が必要になります。これもやらずに売ってしまうと、後々のトラブルを招く可能性があります。

地盤調査の相場も数万円なので、やらないデメリットを考えるとやっておいたほうが得策です

現状を買主側にきっちり告知

上でも紹介しましたが、上記の結果は必ず買主に報告します。ただし報告のタイミングはまちまちで、調査の前に実施することを報告する場合もあれば、調査後に結果報告するケースもあるでしょう。

ただし、買主からするとなるべく情報が多いほうが安心でき、状況を把握したいという気持ちが強いはずです。そのため、調査前に報告があって、調査を実施したという報告があって、最終的に結果の報告がある、といった流れが最も安心してもらえるでしょう。

なるべく乾燥させる

次に、早めに乾かして劣化を防ぐことも重要です。泥や汚水が残っている場合はもちろん取り除き、その上で送風して乾燥させます。

カビを除去する

また、カビが発生している場合は除去したほうが価値が上がります。これは自分ですべてやるのは難しいので、専門業者に依頼するのが一般的です。

諸々含めるとそれなりの費用がかかりますが、家自体の価値が高いため、状況改善による金額の変動も大きいです。そのため、コストをかけてでも家の状態を修復する価値は高いのです。

床下浸水に遭った家の売却を成功させるための方法

最後に、床下浸水に遭った家を売る段階です。

専門買取業者に依頼する

床下浸水に遭った家を売るのであれば、水害などの災害に遭った物件の取り扱いに慣れた買取業者に依頼するのがベターです。普通の不動産業者よりも災害に遭った物件に対して寛容で、売却のノウハウも心得ています。

災害に遭った物件の取り扱いに慣れていない不動産会社の場合、そもそも床下浸水に遭った家の買取自体を拒否される可能性があります。

瑕疵担保責任なしでそのままの状態で買い取ってくれる業者もあるので、探してみる価値は高いでしょう。

水害が大きい場合は建て替えるのも一つの選択肢

床下浸水だけなら上で紹介したような修繕が現実的ですが、より水害が大きい場合、建て替えも一つの選択肢になります。これは家がどのような状態にあるのか、また土地がどのような状態なのか、にもよります。

建て替えのほうが赤字になる可能性もあれば、地盤の状態が悪いと建て替えても価値が上がらない可能性もあるでしょう。また地域全体が水害により価値が下落している可能性もあり、その点も考慮して建て替えを検討するのがベターです。

【関連記事】家の建て替えにかかる費用の相場と建て替え費用を安く抑える方法

支援金がもらえないか確認

床下浸水だけだと、保険が適用されるだけの可能性が高いですが、家が半壊、壊滅している場合、国から支援金をもらえる可能性があります。具体的な金額についてはケースバイケースですが、相場として、全壊なら100万円、大規模半壊なら50万円、建て替える場合200万円、補修の場合100万円、などある程度の相場が存在します。

金額としては大きいので、本来もらえるものであれば見落とすべきではありません。ぜひ一度、情報収集や相談を検討すべきです。

まとめ

床下浸水被害に遭った家の価値が下がることは避けられません。災害で大変な思いをしたうえに家の価値が下がるというのは、非常に酷な現実です。

しかし、床下浸水被害に遭った場合も最大限、家の価値を下げないことは可能です。そのためには、なるべく早めに手を施すのが得策です。放置すると原状復帰が難しくなる可能性があるからです。

そして原状復帰を目指して手を施したうえで売却する場合は、そのことを含めて買手に告知する義務があります。義務を怠ると後々トラブルになる可能性が高く、また仲介業者も把握しているので、バレるリスクが大きいです。

単に倫理的な問題だけでなく、自分の身を守るためにも告知義務は守ったほうが良いでしょう。床下浸水は大変なことばかりですが、支援金という形で救済措置が受けられる可能性もあります。

金額は50~200万円程度で、被害額をすべて補填するような金額ではないかもしれませんが、生活を立て直すうえでは貴重なお金です。知らないで逃すのはもったいないので、情報収集のうえ、相談を検討しましょう。

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