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マイホームを購入したけれど、現在の家を売って新たな家への住み替えを検討している40代の方もいるでしょう。

40代になれば「家のイロハ」がわかってくるので、次の家は理想の姿になるはずです。素晴らしいチャレンジといえるでしょう。

しかし、40代から定年退職の65歳までは16~25年しかありません。新たに借り入れる住宅ローンを現役引退までに払い切ることができるのでしょうか。

また、そうまでして「40代住み替え」を実行する意義はどこにあるのでしょうか。

中年からの新たな挑戦を成功させるコツを紹介します。

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この記事に記載の情報は2023年10月03日時点のものです

40代で住み替えたい人の資金計画の立て方

家の購入では、常に資金繰りが最重要課題になりますが、40代での住み替えは住宅ローンの返済期間を短くしなければならないので、お金の重要性はさらに増します。

40代で住み替える人は綿密な資金計画を立てましょう。

最初に確認すべきポイント

資金計画を立てるときに最初にすべきことは「現在の家の査定額の確認」「住宅ローンが残らないかどうかの確認」「自己資金はいくら用意できるかの確認」の3点です。

この3つの確認が住み替えのスタートラインになり、さらに資金計画の基礎部分になるので念入りにチェックしていきましょう。

現在の家の査定額の確認

現在の家の査定額を知るには、不動産仲介業者に連絡を取り、査定をしてもらわなければなりません。査定は原則無料ですので、気軽に依頼することができます。

査定額は「大体いくらくらいで売れるか」という目安になります。

住宅ローンが残らないかどうかの確認

査定額が出れば、家を売ったときの大体の収入額がわかります。その収入額から売却に伴う諸経費を差し引いた額が、現在の住宅ローンを完済するための資金になります。

つまり「住宅ローン残高 < 売却利益」になれば、次の家の頭金を作ることができるので、次の住宅ローンの借入額が少なくて済みます。

逆に「住宅ローン残高 > 売却利益」になってしまったら、自己資金で住宅ローンを完済しなければなりません。

現在の住宅ローンと新規の住宅ローンをまとめて1本の住宅ローンにすることも可能ですが、その場合でも現在の住宅ローン残高と売却利益の比較を行っておいてください。そうしないと「お金の流れ」が見えなくなってしまい、資金計画に狂いが生じやすくなるからです。

【関連記事】 住み替えローンの基礎知識|利用時に注意すべきポイントとは?

自己資金はいくら用意できるかの確認

自己資金の確認も欠かせません。自己資金は預貯金などになりますが、そのすべてを住宅関連費に使ってしまうと将来リスクが高まってしまいます。手持ちのお金や資産のうち、いくらまで住宅に投入できるかを検討してください。

このあたりはファイナンシャルプランナーの力を借りましょう。不動産仲介業者の担当者のなかには、ファイナンシャルプランナーの資格を有している人もいますので、査定のときに相談してみてください。

ここで注意しなければならないのは、不動産仲介業者が算定する査定額は、売却金額そのものではないということです。実際の売却価格が査定額を下回ることも珍しくありません。そうなると、現在の住宅ローンの返済計画や自己資金額の算定に狂いが生じます。

資金計画のシミュレーションは厳しめの金額を使いましょう。

新規の住宅ローンを組む準備をする

「現在の家の査定額」「住宅ローンが残らないかどうか」「自己資金はいくら用意できるか」の3点を確認できたら、新しく購入する家を買うための新規の住宅ローンについて検討しましょう。

ポイントは「借入期間」と「借入額」の2点です。

理想的な借入期間

最初の家の住宅ローンは35年で組んでいる人が多いのではないでしょうか。30歳で35年ローンを組めば、65歳の現役引退と同時に完済でき、老後の生活の不安が減ります。

しかし、40代住み替えで35年ローンを組んでしまうと、最長84歳での完済となり老後の生活資金が懸念されます。

理想はやはり65歳で完済することです。つまり、40歳の人なら25年ローン、49歳の人なら16年ローンとなります。

40代住み替えの住宅ローンは「短期決戦」で乗り切りましょう。

理想的な借入額

住宅ローンの借入額は、住み替える新しい家のグレードに深く関係してくるので、慎重に検討する必要があります。20代や30代での住宅ローンであれば、年収の7倍以下が理想といわれていますが、40代ではそこまでかけることはできません。

住宅ローンの1年間の返済額は、年収の25%が限界であるとアドバイスする専門家もいます。例えば20年ローンを組むのであれば、「年収×25%×20年」が借入額の上限と考えることができます。つまり年収の5倍が一つの目安になります。

先に売るか先に買うか

住宅ローンの目途がついたら、現在の家を先に売ってから次の家を購入するか、それとも次の家を先に購入してから現在の家を売るか、を決めます。

資金に余裕がない場合は「先に売る」ほうがよいでしょう。

資金に余裕がある場合は「先に買う」ことを選択してもよいでしょう。

資金に余裕がある場合は先に買っても大丈夫

理想は、新しい家を先に買ってから現在の家を売ることです。これなら新しい家に引っ越して落ち着いてから現在の家を売ることができます。

住宅を高値で売るには、売り急がないことが大切です。

しかし新しい家を先に買えば、住居費が2倍になります。したがって先に売る方法は、資金に余裕がある人が選択したほうがよいでしょう。

資金に余裕がない場合は先に売ったほうが無難

資金に余裕がない人は、現在の家を先に売ることに専念しましょう。家を売り、お金が入ると同時に従来の住宅ローンを完済してから、次の家を買う手続きに入りましょう。

ただ、新しい家が決まる前に現在の家を立ち退かなければならなくなると、一時的に借家に住まなければならなくなります。そうなると借家の家賃も支払わなければなりませんし、引っ越し回数も1回増えてしまいます。

先に売る場合は、タイミングが重要です。計画通りに売買が進むよう、関係者に協力を要請しスケジュールを守ってもらいましょう。

この章の重要ポイントまとめ
  • 40代の住み替えは綿密な資金計画が重要
  • 借入は65歳までに返済できるのがベスト
  • 資金に余裕がある場合は「買い先行」、ない場合は「売り先行」がおすすめ

40代で住み替える人が知っておきたい住み替え費用

一般的に住み替えの費用がどのようになっているのか確認しておきましょう。

不動産別平均費用

以下のグラフは、住み替え(住宅の二次取得)をしたときの購入資金の平均額とその内訳を示したものです。

二次取得者の購入資金

引用: 令和元年度住宅市場動向調査報告書

注文住宅への住み替えでは、平均6,719万円の住宅を購入し、頭金(自己資金)で4,054万円を支払い、2,665万円の住宅ローン(借入金)を組む、という内容になっています。この場合の自己資金の比率は60.3%です。

そして分譲戸建てへの住み替えでは、自己資金比率は44.0%、中古戸建住宅への住み替えでは、自己資金比率は43.8%でした。

一方、分譲マンションへの住み替えでは64.4%、中古マンションへの住み替えでは61.5%の自己資金が用意されています。

マンションの自己資金比率が高いのは、土地の資産効果が低いためと想像できます。マンションの場合、狭い土地を多くの入居者(区分所有者)たちで分けることになるので、マンション資産に占める土地の価値の割合は高くありません。

そして建物は築年数を経るごとに価値を減らします。つまりマンションのほうが、戸建てより資産価値の減り方が激しいと考え、そのリスクが顕在化しないように頭金を増やしているのかもしれません。

いずれにしても、住み替える人たちは、購入する住宅価格の40~60%もの頭金(自己資金)を用意している、という事実は忘れないようにしてください。

不動産別平均借入金

次に、上記のグラフの借入金(住宅ローンの額)に注目してみます。最も借入金が低いのは中古マンションに住み替える人たちの1,230万円でした。最も借入金が高いのは、注文住宅に住み替える人たちの2,665万円でした。

2,665万円にしても、「意外に少額」という印象を持ったのではないでしょうか。

やはり住み替え時には年齢が上がっているので、現役でいられる時間を考慮して、大きな借金を避けるわけです。

まとめ

40代住み替えでは、住宅があまり傷んでいないうちに売却することになりますので、少しもったいない気もします。

したがって40代住み替えを実行するのであれば、もったいないと感じないほどのメリットを得たいところです。

健康寿命を延ばせるような住み替えをすれば「40代住み替えは成功した」といえるでしょう。

健康寿命とは、医療や介護にほとんど頼らずに生活できる最高年齢のことです。健康寿命と本来の寿命が近づくことが理想です。

40代で住み替えるとき、次の家は「健康に暮らせるかどうか」という視点で選びましょう。例えば、バリアフリー構造になっているか、医療機関やスーパーマーケットが近くにあるか、親族や友人など頼れる人が近隣に住んでいるか、といった点がポイントとなります。

終の棲家(ついのすみか)を見つけることができれば、満足のいく住み替えになるでしょう。

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