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一戸建てに住んでいる、あるいは相続などで取得した人にとって、一戸建てにかかる維持費はぜひ知っておきたい情報です。
今後の家計の見通しを立てるために必要な情報ですし、維持費のかかり方によっては一戸建てを売却するという選択肢も出てくるかもしれません。
ところが、一戸建てにかかる税金や修繕費は、別々のサイトに明記されていることも多く、いろいろなものをひっくるめた全体的な維持費がわかりにくいという声が多いのも事実です。
そこでこの記事では、一戸建てにかかる税金、保険料、修繕費の種類などを具体的に知り、ザックリと計算できるように解説します。
また、維持費を抑える方法や、維持費を捻出する方法についても具体例を挙げて紹介します。
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この記事の目次
一戸建てに必要な維持費
さっそく、一戸建てに必要な維持費にはどういった種類のものがあるのか、また、どれくらいの金額がかかるのかを具体的に見ていきましょう。
固定資産税
固定資産税とは、家や土地といった不動産を所有している場合に課される税金で、毎年1回、もしくは何回かに分けて支払うことになります。
固定資産税の計算式は、
固定資産税評価額×1.4%=固定資産税額
です。
この固定資産税評価額とは、簡単に説明すると「固定資産税の対象となる土地や建物を評価した金額のこと」で、所在地や形状、面積のほか、建物の材質、お風呂やトイレといった設備の大きさや品質などによって違ってきます。
その違いを決定しているのが、各市町村(東京23区は各区)で、それぞれの自治体の担当者がチェックして決定します。
その際に基準となるのが、土地や家屋などの評価方法を定めた「固定資産評価基準」です。
すでに不動産を所有している場合は、各市区町村から送られてくる「課税明細書」で確認することができます。これから購入する場合は、不動産会社やモデルハウスで概算額を確認することになります。
都市計画税
都市計画税とは、毎年1月1日時点において、土地や家屋を市街化区域内に所有している人が納める義務のある税金のことで、都市計画事業や土地区画整理事業に充当されています。
そのため、年の途中で不動産売買を行ったときには都市計画税を日割り計算し、売主と買主の間で調整することが必要です。
こちらも、固定資産税と同じく1回、もしくは数回に分けて支払うことになります。
都市計画税の計算方法は、
固定資産税評価額 × 税率(上限0.3%)=都市計画税
ですが、固定資産税評価額に掛ける「0.3%」は上限のため、各市区町村が0.3%までで定めています。
住んでいる地域の税率が知りたいときは、インターネットで「〇〇(お住まいの市区町村名) 都市計画税 税率」と入力してみましょう。
家屋の修繕費
一戸建ての修繕費は、平均で500~600万円ほどかかるといわれています。
大体、築25~30年ほど経ったときに初めて修繕箇所が出てくることが多く、築年数が経つほど直す必要のある場所が増えていくイメージです。
ただ、修繕する場所は、建て方や使い方、手入れの仕方などによっても違ってくるため、一概に築年数が古い家は修繕費も高くなるとはいえません。
修繕費がいちばん多くかかるといわれているのが「外壁」です。
また、「お風呂」「トイレ」「キッチン」「洗面台」といった水回りも上位を占めています。
修繕費を積み立てている人は、全体の約10%程度ともいわれていて、「修繕しないといけない場所を発見して慌てる」という状況に陥ることが多いようです。
仮に修繕費を600万円と計算すると、その金額を修繕がかかりにくい20年の間に貯めておくには、「1ヶ月に2万5,000円」が必要です。
そのため、現在すでに一戸建てに住んでいる人やこれから一戸建ての購入を検討している人は、修繕費として1ヶ月に2万5,000円ずつ積み立てをしておくことをおすすめします。
参考: 一戸建て修繕費は平均556万円、修繕費を積み立てた経験がある人は1割弱|不動産ジャパン
家屋以外の修繕費
一戸建ての場合、維持費は家屋以外にもかかってきます。
例えば、カーポートや隣接した家屋との境界線にあるブロック塀やフェンスなどの仕切り、門やアプローチ、庭木などの外構です。
20~30年後に修繕できるよう、最低でも初めにかかった外構工事代金の半分は事前に貯めて準備しておきましょう。
保険料
土地・家屋にかける保険としては、下記の「団体信用生命保険」「損害保険(火災保険や地震保険など)」などが代表的です。
各保険がどのようなものなのか、各項目でもう少し詳しく見ていきましょう。
団体信用生命保険
ローンを組んで不動産を購入する場合には、死亡したときなど代わりにローンを支払ってくれる団体信用生命保険(通称「団信」)に加入する場合がほとんどです。
死亡以外にも、保険の種類や特約によっては、がんと診断された場合や特定の生活習慣病で入院が180日以上続いたときなどに、保険が支払われる場合もあります。
途中から加入することができないため、契約時からローンの返済が終わるまで「支払い続ける」というケースが多く、一戸建ての維持費としては計上しておく必要のある保険料といえます。
損害保険(火災保険など)
火災保険や、火災保険の特約として契約する地震保険などが、こちらの損害保険に分類されます。
火災に見舞われたときには、家屋が半焼、もしくは全焼することも珍しくありません。
また、隣接した家々からの出火で自分の家が燃えたとしても、出火元に重大な過失がないかぎり損害賠償を請求することはできないことになっています。
そのため、火災保険は一戸建てを維持していくために必要不可欠な保険料といえます。
また、自分自身が出火元になった場合のことを考えた場合、今後の付き合いも考慮し、類焼損害補償特約を付けておくのがおすすめです。
類焼損害補償特約を付けておけば、損害を与えてしまった家々が、それぞれの火災保険で賄えないような場合に保険金で賄うことが可能となります。
その他
台風や地震などの自然災害で、庭木やカーポートが倒壊しないよう、築年数に応じて点検や補強を行う必要があります。
倒壊して隣接した家々に損害を与えた場合には、損害賠償の支払いや原状回復なども行わなければならないため、事前の対策は不可欠といえるでしょう。
一戸建ての30年間の維持費
固定資産税や都市計画税、保険料は毎年支払っていく必要がありますし、家屋が傷めば修繕が必要になるため、築年数が経過すればするほど維持費は増えていきます。
では、一戸建ての30年間の維持費は、大体どのぐらいかかるのでしょうか?
税金や保険料、修繕費の積立などを含めた一戸建てにかかる維持費は、一年間で約40万円、修繕費用の積み立てを除いても約20万円といわれています。
つまり、単純に計算すると30年間では、下記のようになります。
- 修繕費の積み立ても含めた場合 … 約1,200万円
- 税金や保険料のほか、パッキン交換などの簡単な修繕費用を含めた金額 … 約600~800万円
築年数が経てば経つほど修繕費用はたくさんかかる傾向があるため、修繕費の積み立て費用はほぼ必須であり、現実的には30年間で約1,200万円の維持費が必要ということになるでしょう。
一戸建てと分譲マンションの維持費の比較
一戸建てと分譲マンションの維持費を比較することは単純ではなく、居住地域や購入費、頭金などによっても違ってきます。
維持費を比較しやすいよう表を用意しましたので、それぞれ下記の表に記入、計算してどちらが得かを計算してみましょう。
今回紹介したものについては記入済みですが、ほかに必要なものがあれば書き足してみてください。
一戸建てと賃貸の維持費の比較
一戸建てと賃貸の維持費を比較する場合も同じで、居住地域や購入費、頭金、賃料などによって違ってきます。
こちらも維持費を比較しやすいよう表を用意しましたので、それぞれ下記の表に記入して計算してみてください。これ以外に必要な維持費があれば書き足してください。
一戸建ての維持費を抑える方法
一戸建ての維持費を大幅に抑えるためには、新築で購入するときにメンテナンスの必要が少ない材質のものを選んだり、維持するために費用が発生するような設備を控えたりする必要があります。
そのため、それが叶わない(=すでに一戸建てを保有している)場合は、何かでお金を捻出して維持費に回すというのが主な方法になります。
早い段階での修繕
修繕すべきところを発見しても、生活に支障がなければ「これぐらい大丈夫」と放置してしまうこともあるでしょう。
けれど、修理する部分が大きくなったり、さらに壊れたりすることで修繕費用が高くなることもあります。
できるだけ早い段階で修繕しておくことも、修繕費を抑える一つの手段です。
維持費を捻出する
維持費を捻出するためには、日々節約したり、収入を増やしたりするほか、下記のような方法もあります。
- 太陽光パネルなどを設置し、かかる電気代などを抑え、維持費に回す
- 「間貸し」する(昔の下宿、現代でいうシェアハウスのイメージ)
まとめ
築年数や家屋の状態、立地条件によっては、一戸建ての売却を検討しているという人も多いのではないでしょうか?
また、一戸建てへの住み替えを検討している方は事前に維持費を確認し、最終的には現在の状態とどちらがお得になるのか、見極めることをおすすめします。
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